1978年10月から'79年9月まで、日本テレビ系列の火曜夜9時枠で全49話が放映された、石原プロモーション制作による人気シリーズ第3弾。
パート3に至り、いよいよ黒岩刑事(渡 哲也)が団長化します。
これまで皮肉として使われた「黒岩軍団」という呼称がフツーに定着し、もはやマトモな警察とは呼べない、いよいよ「軍団」としか呼びようがない暴力集団の番組になっちゃうワケですw
ただし正式に「団長」となるのは『西部警察』からで、城西署の黒岩さんはあくまで「クロさん」あるいは「デカチョウ」と呼ばれてます。
されど中身はもうすっかり団長。パート2までは見られた迷いや失敗が一切無くなり、完全無欠のスーパーマンとして絶対的な存在になりました。
それを良しとするか否かは、視聴者それぞれの好み次第。私はやっぱり、弱い部分も見せてくれたパート2までのクロさん(団長じゃなくて)が好きです。
さて、パート2終了と共にトク=松田優作とジン=神田正輝が降板、代わって「ジロー」こと牧野刑事(寺尾 聰)と「トラ」こと虎田刑事(星 正人)がパート3から参戦します。
本来なら、トクのポジションを引き継いだトラが本作の目玉になる予定だったと思うんだけど、星正人さんは私が観る限り、優作さんの足下にも及びません。
優作さんは普通に背広を着ててもワイルドなのに、正人さんはワイルドな出で立ちがコスプレにしか見えないんですよね。正人さんが(たぶん相当ムリをして)ワイルドに振る舞えば振る舞うほど、かえって子供っぽく見えてしまう。根は真面目な人なんだろうと思います。
一方でメキメキ頭角を表したのが、ジロー役の寺尾聰さん。それまではソフトなイメージだったのに、本作におけるワイルドなキャラクターが予想外のハマり役で、次作『西部警察』で大ブレイクを果たされたのは周知の通り。
44マグナムのハマり具合も想定外で、ご当人は当時のインタビューで「みんなが先に好きな銃を選んで、俺にはマグナムしか残ってなかったんだ」みたいなこと言っておられたけど、んなワケないですよねw 事前に小道具さんと打ち合わせて、自らマグナムを注文されたっていうのが真相みたいです。実は好きなんでしょうw
ご当人にワイルドな素地が無ければワイルドなキャラがハマらないのと同様、銃が好きな人じゃないと拳銃も似合わないんだろうと思います。
パート3からの新メンバーはもう1人、課長の加川(高城淳一)。高城さんは『西部警察 PART III』で佐川係長も演じておられます。
『大都会』シリーズと『西部警察』シリーズの歴代課長(係長)は、極端な事なかれ主義で小言と愚痴しか言わないという、基本的に性格設定が同じなのに、皆さんしっかりカラーが違ってたのは、さすが名優揃い。
中でも高城淳一さんの小言と愚痴には追随を許さない迫力がありました。『あさひが丘の大統領』における教頭先生役も強烈に印象に残ってます。
クロさん(渡 哲也)、マルさん(高品 格)、坊さん(小野武彦)、サル(峰 竜太)は前作に引き続いての登板だけど、皆さん性格がより荒っぽくなられてますw ファッションもよりヤクザに近づいてるしw
治療中に酒を呑むような軽妙キャラだった宗方医師(石原裕次郎)も、パート3からは戦場ドクターさながらの緊張感を醸し出し、世界観をより引き締める存在になりました。
ユーモアも人情も要らない、あくまでシリアスなハードアクションこそが観たいと仰る方には、この『大都会 PART III』が一番オススメかも知れません。
そして『大都会 PART III』初期を彩った昭和の女優さんたち。事件記者の綾子を演じた金沢 碧さん、捜査課事務員の英子を演じた大森不二香さん。
金沢碧さんは本作のヒロインになる筈だったのに、黒岩軍団の強引かつ粗暴な捜査方法を批判するフェミニスト代表、っていうポジションがストーリーに全く活かされず、1クールでひっそり退場する羽目になっちゃいました。
そりゃあ、もはや団長化したクロさんには迷いが無いですから、外野の記者がいくらゴチャゴチャ言ったところで何も変わんない。脚本家の皆さんも彼女をどう扱えば良いやら悩まれた事でしょう。
結果、毎回ただクロさんに小言を言いに出て来て、軽くいなされ困った顔をして終わり、みたいな出番だけで終わる事になり、それじゃ碧さんも女優としてやってらんないでしょう。
同じように、渋谷病院の看護婦役でレギュラー入りした青木英美さんも、毎回ただそこにいるだけ。存在価値が無いとは言わないけど誰が演じても変わんない役どころで、わずか10話で姿を消しちゃいました。
「団長の妹、同居」設定もパート3では廃止され、クロさんは荒んだ独り暮らしの日暮れ坂。
かように徹底してハードボイルドな世界においては女性キャラなど邪魔にしかならず、登場すれば脱がされるか犯されるか殺されるかの3つしか選択肢がなくw、唯一最終回まで生き残ったのが、最初から「お飾り」でしかない事務員の英子ちゃんだけ、ってのがまた『大都会』らしいですよね。
女性視聴者のご機嫌ばっか伺ってる現在のテレビ業界じゃ考えられない、完全なる漢の世界でした。
>「お飾り」でしかない事務員の英子ちゃん
お飾り英子ちゃんが囮になって、強姦魔を誘きだす回がありましたね。事務員にあんな危険なことやらすなんて(笑)
大都会パート3のメインテーマは、石原プロの刑事物シリーズの中でもナンバー1の格好良さだと思います。
大都会PARTⅢ 星正人さん演じた 虎田功=トラに小学校の頃、憧れてました。
23話の女豹と刑事野郎では、何とか言えよ黒岩!と言って怒りをぶつけるシーンもありました。
最終回は、トラがCB750FOURに乗って出て来るのも思い出に残ってます。
私も大都会3をリアルタイムで観ていれば、虎田刑事に憧れたかも知れませんね。今の自分は当時の星さんよりずっと歳上だし、歳を重ねてしまうと何でも斜めから見ちゃうクセがついていけませんw
当時(私は中学生)の眼で見れば、確かにトラはカッコいいと思います。
結局女キャラで一番扱いがよかった?のは渋谷病院のチビノンちゃん(舛田紀子さん)でしたね。
PART2から出てたし、出番そこそこ多いし、何より可愛い(*´Д`)。
お父さんは舛田利雄監督なんですね。
長谷部安春監督のお嬢さん(香苗さん。港署の瞳ちゃん)みたいなもんですね。どっちも可愛い(*´Д`)
そうそう、実は最近「大都会」の二次創作小説を書きあげまして…えっ?「西部署物語」はどうなったかって?あれはまだ小説にできるほどアイデアがまとまってないので、書き始めるとしたら多分来年以降(汗汗汗(;^ω^))
まあそんなわけで今回は「大都会PART3」です。
世界観に似合わない恋愛沙汰の話になっていますが、一応気を遣ってカーチェイス、ドンパチの描写もちゃんと入れてますのでご心配なく(フォローになってねぇ…)
毎度ながら乱文失礼いたしました。
(小説へのリンクはURL欄に貼っときました)
小説は休みの日にゆっくり読ませて頂きます!
チャンチャン。前作を凌げるものはないと。
ただ、戦いの日々に、優作がゲスト出演した
協力者は良かったです!
その点、優作さんの次にまったくタイプの違う勝野洋さんを起用した『太陽にほえろ!』は上手かったですね。