☆第25話『通り魔』(1979.3.27.OA/脚本=峯尾基三/監督=小澤啓一)
若い女性、しかもセクシーな美女ばかり狙った通り魔による、連続殺人事件が発生。黒岩デカチョウ(渡 哲也)は城西署選りすぐりの美人婦警たちにセクシー衣装を着せ、街を徘徊させるオトリ捜査を敢行します。
ところが、その日の任務を終えた婦警(岡田可愛)が、そのままの格好で帰宅する途中で通り魔に襲われ、負傷。家に着くまでガードしなきゃ意味ないじゃん!
しかも、駆けつけた「サル」こと上条刑事(峰 竜太)が通り魔に逆襲され、拳銃を奪われちゃう。やたらめったら銃を振り回すからこんな事になる!
犯人が拳銃を得たことで被害は更に拡大、しかも入院中の婦警が口封じのため再び襲撃され、更なる重傷を負う羽目に。それくらい予想して厳重にガードしとけよ!
……とまぁ、ハードな展開は大歓迎だけど、いくらなんでも黒岩軍団があまりにマヌケ過ぎて、采配を振るう団長がアホみたいに見えちゃいます。
シリーズ1作目の頃のクロさんならともかく、今や団長は完全無欠のスーパーヒーローとして描かれてますから、この有り様は非常にマズイ。(もしかするとスタッフが警察嫌いで、軍団をわざとマヌケに描いてるのかも?)
倉本 聰さんの緻密な人間ドラマで始まった『大都会』シリーズも、アクション描写がエスカレートするにつれ脚本がえらく雑になって来ました。順調に『西部警察』への道を歩んでますw
「筋はどーでもいい」っていつも書いてますけど、それは最低限の整合性がある前提の話です。辻褄が合わなかったり、キャラが破綻しちゃうような脚本は論外。「雑」で済めば良いけど「幼稚」に見えちゃったらアウトです。
こんな事じゃあ、アクション物が世間で軽く扱われても文句は言えません。今さらクレームつけても仕方ないんだけどw
婦警役の岡田可愛さんは、当時30歳。日テレ『青春』シリーズの生徒役で注目され、TBSのスポ根ドラマ『サインはV』主演で不動の人気を得た女優さんです。
女優としての活動は'80年代迄で、刑事ドラマは本作と、同じ石原プロ製作による『西部警察』、そして『非情のライセンス』第1シリーズにゲスト出演されただけみたいです。
PART2から使っていた覆面車と、PART3で日産から提供された白パトのうちの一台なんですが、撮影後はパーツ寄せ集めたり同型車で共食い補修したりで何とか修理したそうです