





☆第1話『二人合わせて一人前?』
(1979.10.17.OA/脚本=長野 洋/監督=井上芳夫)
日本におけるバディ物刑事ドラマの元祖、とWikipediaには記されてますが、それ以前にも『俺たちの勲章』や『華麗なる刑事』『二人の事件簿』等、バディ物の傑作ドラマは存在します。
だけど『あぶない刑事』以前で最もヒットした、バディ物刑事ドラマの決定版と言えば、やっぱり『噂の刑事トミーとマツ』に尽きるかと思います。
とにかく「国広富之&松崎しげる」という、大映テレビならではの奇抜な組み合わせと、脇を固める実力派キャスト陣の充実。
そして『太陽にほえろ!』第1話も出掛けられた長野 洋さんを筆頭とする、優秀なライター陣。まだギャグが抑えめだった初期エピソードをあらためて観ると、基本のストーリーがしっかりしてるからこそ笑えるドラマになった事がよく分かります。(面白いコメディ全てに言える共通点ですね)
第1シリーズは1979年の秋から81年の春まで。水曜夜8時(TBS系)の放映で、『太陽にほえろ!』卒業生の宮内 淳さん主演『あさひが丘の大統領』(日テレ系)の裏番組だった為、私がリアルタイムで観たのは1982年放映の第2シリーズでした。
だから個人的に愛着があるせいもあるんだけど、それを抜きにしても、このドラマ独自のノリが存分に楽しめるのは、やっぱり脂が乗り切った第2シリーズの方かと思います。
ベタなイメージが強くて、敬遠しておられた昭和世代の方も多いでしょうが、これはホントに面白いドラマですから、機会があれば是非(特に第2シリーズを)試しに観てみることをオススメします。
さて、トミーこと岡野富夫(国広富之)と、マツこと松山 進(松崎しげる)を囲む、警視庁富士見署捜査課の面々です。
御崎課長(林 隆三)、片桐警部補(清水章吾)、高村部長刑事(井川比佐志)、南田刑事(神山卓三)、西山刑事(井上和行)、東刑事(成川哲夫)、そして本庁の相模管理官(石立鉄男)。
お目付け役の相模管理官が御崎課長と警察学校の同期生で、殉職したマツの父親の部下だった縁もあり、トミーとマツが繰り返し問題を起こしても何とか収めてくれるという設定。
だけど第43話で行き過ぎ捜査が問題視され、御崎は課長職を追われて左遷、同時に降格処分となった相模が課長に就任します。
この人事異動は、番組が好評につき放送延長が決定し、林隆三さんが当初の契約通り1年で降板された事によるもの。
2人いたボス格が1人となって人物相関図がシンプルになり、またトミーとマツに振り回される直属の上司は石立鉄男さんが演じた方が圧倒的に面白く、結果的にはプラスに働いたと思います。
スタイリッシュな林隆三さんが抜けた事で、よりコメディ色が強くなり、脇役の刑事たちがアドリブギャグをエスカレートさせる中、名優・井川比佐志さん1人だけが頑なにシリアス演技を貫いておられるのが、また可笑しかったりします。
その井川さんの七三分け姿にとても違和感があるんだけどw、第3話の回想シーンではお馴染みの短髪姿だったので、初期はあえてヅラを着用されてたのかも知れません。
地味と言えば地味なメンバーだけど、安定感バツグンで実にバランスの良いキャスティングだったように思います。
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