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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ウルトラマン80』#01~#02

2021-09-12 21:50:18 | 特撮ヒーロー

 
『ウルトラマン80』(ウルトラマンエイティ) は1980年4月から1981年3月まで、TBS系列・水曜夜7時の30分枠で全50話が放送された、TBS&円谷プロダクション制作による特撮テレビ番組。『ウルトラマンレオ』('74~'75) 以来5年振りとなるウルトラシリーズで通算9作目にあたります。

前年に先行して制作&放映されたアニメ『ザ☆ウルトラマン』が不発に終わり、起死回生として放たれた「'80年代のウルトラマン」だけど、これも残念ながら視聴率は振るわず、海外向け作品を除けば'96年に放映スタートする『ウルトラマンティガ』まで実に15年もの間、シリーズは長期休眠することになっちゃいます。

人気が出なかった理由は色々あるだろうけど、最大の原因は恐らく、特撮ヒーロー番組をあくまで「子供向け」と捉える大人たち(創り手側)と、そうとは思ってない子供たち(視聴者側)との、認識のズレにあったんじゃないかと私は思ってます。

1980年当時、私はすでに中学三年生で『太陽にほえろ!』に夢中でしたからヒーロー番組は卒業したつもりでいたけど、もし創り手側が「子供向け」という意識に囚われずに作品を創ってたら、これも一緒に観てたかも知れません。

そのズレは、私自身がまさに「子供向け」の対象年齢だった、小学生低学年の頃からずっと感じてました。『仮面ライダー』にせよ『マジンガーZ』にせよ、劇中に自分と同じ子供のキャラが出てきて活躍したりすると、私は嬉しいどころか「アホかこのガキゃ、引っ込んでろ!」って思ってましたw

創り手側は、観てる我々が自己投影できるようにと思って子供のキャラを出すワケだけど、そこが大いなる勘違いで、我々はあくまで主人公(ヒーロー)になりたくて観てるんだからガキンチョなど目障りにしかならんワケです。

大人の登場人物たちも皆こぞって「子供向け」の解りやすい芝居をするんだけど、そうじゃない! 我々はフツーにカッコいい大人の演技を観たいワケです。

当時の創り手たちは、ご自身が子供の頃にそういう番組がまだ存在しなかったもんだから、観る側が本当は何を求めてるかを、まるで解ってなかったんだろうと思います。

だから昭和の『ウルトラ』や『ライダー』のシリーズはどんどんつまんなくなって廃れちゃった。それが後年、復活して今や神格化するほどのBIGタイトルになったのは、当時ガキンチョだった視聴者たちが大人になり、今度は創り手側に回ったから。観る側が求めてるものをちゃんと知ってる人らが創るようになったからだろうと思います。

それが「ウルトラシリーズ」で言えば前述の『ウルトラマンティガ』であり、残念ながらこの『ウルトラマン80』はまだ解ってない人たちによって創られた、最後のTVシリーズって事になります。



『ウルトラマン80』最大の特徴は、主人公=矢的猛(長谷川初範)が中学校の先生であること。つまり教師と地球防衛隊(UGM)の隊員という2つの激務をこなす二刀流で、いくらなんでも物理的にそりゃ無理やろ!(だけどウルトラマンだから平気?)っていう設定。つまりヒーロー番組に学園ドラマの要素を取り入れた作品なんですね。

これは当時の『三年B組金八先生』ブームに便乗して……かと思いきやそうじゃないらしく、プロデューサー氏が以前から「生命の尊さ、愛の美しさ、勇気の誇らしさ等を啓蒙し、ウルトラ文化と呼ばれる子供文化を作り上げていきたい」と考え、その手段として「ウルトラマン=先生というドラマ設定にした」んだとか。

これって、ちょうど同時期に『太陽にほえろ!』が「高視聴率を社会に還元したい」とか言い始めて社会問題をドラマに取り入れ、やたら小難しいエピソードばかり連発した挙げ句、ホントに視聴率をよその番組(金八先生)に献上しちゃって危うく打ち切りになりかけたw、あの大いなる勘違いと似てるような気がします。

視聴者は、そんなの誰も求めてない! 説教されたくてテレビを観るヤツぁおらんやろ!って、私は思うワケです。

刑事物なら悪党どもを片っ端からぶん殴り、ヒーロー物ならカッコいいメカや必殺技で怪獣をやっつける。少なくとも私はそれしか期待しない。ましてや「ウルトラシリーズ」はSFのハードな世界観が魅力なんだから、甘っちょろい学園ドラマなど邪魔にしかなりません。

スタッフも実は同じ想いだったのか、1クールが経過して「ウルトラマン=先生」の設定を推し進めたプロデューサー氏が他部署へ異動になった途端、中学校のシーンはいっさい出て来なくなり、主人公=教師っていう設定は無かったことにされちゃいました。ロケ場所の学校が日曜日にしか使えず、スケジュールが回らなくなったせいもあるようです。



地球防衛隊=UGM(Utility Government Members)のメンバーは、キャップのオオヤマ(中山 仁)を筆頭に、隊員のハラダ(無双大介)とタジマ(新田修平)、そして紅一点の城野エミ(石田えり)。さらに#14からチーフのイトウ(大門正明)が加わり、#27から隊員2人がフジモリ(古田正志)とイケダ(岡田達哉)に交代、そして#43でエミが殉職し(!)、代わってウルトラ星の王女=ユリアンが星涼子(萩原佐代子)として最終回まで紅一点を務めます。



しかし、番組がウケなかった最大の原因は、実際のところウルトラマン80やUGMメカのデザインが(私個人の感覚で見ると)あまりカッコ良くない……ハッキリ言ってダサいからかも知れません。

初代『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』は、ヒーローもメカもとにかくデザインが格好良かった! もっと攻撃的で悪魔的だったりしたんですよね。

仮面ライダーやマジンガーZも同じで、パッと見はイカツイからこそ格好良いんです。なのにシリーズが進むにつれ、やっぱり「子供向け」を意識してかポップな感じになって行っちゃう。大人が見てカッコいいと思わなければ、子供が見てもそりゃカッコ良くないですよ。カッコ良くないヒーロー番組なんか、そりゃ誰も観ないに決まってます。



……とまあ、悪口ばっかりになっちゃったけど、過去のウルトラシリーズとは違うことをしなくちゃ意味がない!っていうパイオニア精神は素晴らしいし、'80年代唯一のウルトラシリーズとしての存在価値は大きいかも知れません。まだCGが存在しない、アナログ特撮の集大成としても観る価値は充分にあり!



そして本作を彩る女優陣の華やかさ! 最初の1クールは主人公が勤める桜ケ岡中学校の体育教師=相原京子(浅野真弓)がヒロインだったけど、前述の通り学園ドラマ設定の撤廃により、野崎教頭役の和田幾子さんと共に出番が無くなっちゃいました。

だけど同じ桜ケ岡中学校の事務員「ノンちゃん」を演じられた白坂紀子さんは、『西部警察』の舘ひろしさんより先に別人(UGMの気象班=小坂ユリ子)としてシレッと続投されてますw

ほか、遠藤真理子さん、竹井みどりさん、加山麗子さん、児島美ゆきさん、倉田まり子さん等がゲスト出演。初代『ウルトラマン』のヒロイン=桜井浩子さんが登場された回もあるみたいです。



そして何と言ってもUGMの紅一点=城野エミ隊員を演じる石田えりさん(当時19歳)のボイン!……じゃなくて可憐さに、やっぱり眼を引かれちゃいます。まだ無名で最初は出番が少なかったのに、どんどん活躍シーンが増えていくのは当然の流れでしょう。#43で殉職するも、最終回(#50)ではアンドロイドとして復活! なんじゃそりゃ!?w


 

コメント (10)
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