ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『青のSP/学校内警察・嶋田隆平』2021

2021-01-15 23:50:05 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2021年冬シーズン、フジテレビ系列・火曜夜9時枠でスタートした、関西テレビ放送&カンテレ・ケイファクトリーの制作による連続ドラマ。

佐々木充郭さんの小説 (?)『スクールポリス』を原案としてるそうで、キャッチコピーは「守ってやるが、容赦はしない。」

東京都で公立中学校にスクールポリス制度が試験的に導入され、警視庁捜査一課の敏腕刑事・嶋田隆平(藤原竜也)が日本初のスクールポリスに志願、住浜区立赤嶺中学校に配属されることになります。

街でカツアゲをしてたイジメっ子グループを叩きのめし、教室で教師を殴った男子生徒には容赦なく手錠をかけ、すぐさま連行しちゃう嶋田刑事に私は拍手喝采を惜しみませんw

その生徒の将来を考慮して穏便に、みたいな綺麗事が通用するのは万引き程度まで。暴力が絡めば相手に一生もんの障害やトラウマを負わせる可能性があるんだから、自分のやったことを一生後悔するレベルの罰を与えなきゃ意味がない。もちろん正当防衛だったりすれば話は別だけど、今回逮捕された連中は救いようのないクズばかり……に見えるよう描かれてましたから。

生徒をわざと挑発して殴られた教師(石井正則)がすっかり悪者扱いされてるけど、おいおい、ちょっと待てよ(おいちょ待てよ!)って私は言いたいです。挑発される前にさんざん授業を妨害し、先生を蔑み罵倒して来た生徒の罪が、その教師より軽いとは私には思えません。

やり方が卑怯だって? いやいやいや、多勢に無勢(しかもチビ)の先生に暴力を振るう方が百万倍卑怯だと私は思いますけど。そもそも手を出せないどころか、言葉の選び方ひとつで職を失いかねない教師の方が圧倒的に不利ですから。

よって生徒が逮捕されて当然だし、どんだけ反省しようが取り返しのつかない犯罪を犯したんだと思い知らせなきゃ、また同じことを繰り返しますよガキンチョは。それくらいのクズに見える描き方をしておきながら、あとになって本当は素直ないい子でしたみたいな見せ方されても、私は信用できません。それが生徒の芝居じゃないとしたら、重度の多重人格者でいよいよヤバいでしょ!(おいちょ待てよ!)って話です。

いくら子供だからって、たとえ挑発されたからって、あれだけの暴力を振るうヤツは絶対にまたやらかすでしょう。その時に相手が死なない保障はどこにも無い。一生オリに入れとけとは言わないけど、厳重注意だけで丸く収まるような嘘っぱちを公共の電波に流さないで頂きたい!(おいちょ待てよ!)

……とはいえ、まあ、そこはフィクションですから、嘘があるのは仕方がない。ただ、このドラマを観てて私がイラつくのは、作者さん、あなたは一体どっちなんですか?ってこと。問題児たちを懲らしめたいのか受け止めてあげたいのか、創ってる人たちの主張がまるで聞こえて来ないことです。

たぶん、そういうドラマじゃないんですよね。私が求める「創り手の魂がこもったドラマ」は、クレーム回避を何より優先する現在のエンタメ界じゃ生まれようがない。それはとっくに分かってたけど、冒頭で主人公がビシッとかましてくれたもんだから、うっかり期待しちゃいました。

そういう作品じゃなくて、学園ドラマにサスペンスとアクション、そして今や必須科目の謎解きゲームを絡めれば、きっと若い視聴者が食いつくだろうっていう、あくまで計算から生まれたドラマ。最近のヒット作はどれもそう。

そういうやり方を否定はしないけど、私好みじゃない。学校ぐるみで何か隠してるだとか、主人公には実は別の狙いがあるだとか、わざとらしい「謎」で引っ張る作劇にはもうウンザリなんです。

藤原竜也くんの芝居は好きだし、アクションも頑張ってくれてるし、もっとシンプルに「心根の腐ったガキどもを片っ端からフルボッコ!」って、そんな内容なら手放しで絶賛すると思うんだけど、残念です。

嶋田刑事と衝突しがちな熱血教師に真木よう子、校長先生に高橋克実、副校長に峯村リエ、教育委員長に升毅、そして嶋田の後輩にあたる少年係刑事に山田裕貴が扮するほか、山口紗弥加、明日海りお、泉澤祐希、須賀健太、音尾琢真etc…といったレギュラーキャスト陣。

学園が舞台とはいえ刑事が主人公のドラマには期待する分、ハードルも上がっちゃうから不満をいろいろ書いてしまうんだけど、普通に観ればたぶん面白い番組。若手俳優の青田買いや謎解きがお好きな方にはオススメ出来そうです。
 

コメント (2)
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