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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「七曲署捜査一係’81」ー3

2023-05-08 17:33:10 | 刑事ドラマ'80年代

ラガーが登場してスコッチが病死するまで(#476~#493)の藤堂チーム=七曲署捜査第一係のメンバーは、以下の通り。

☆☆☆☆☆


ボ ス=藤堂俊介(石原裕次郎)


スコッチ=滝 隆一(沖 雅也)

ドック=西條 昭(神田正輝)

ロッキー=岩城 創(木之元 亮)

ラガー=竹本淳二(渡辺 徹)


ゴリさん=石塚 誠(竜 雷太)

長さん=野崎太郎(下川辰平)

ナーコ=松原直子(友 直子)


山さん=山村精一(露口 茂)


☆☆☆☆☆

しかし再三書いて来ました通り、ボスは#488まで、スコッチはラガー登場直後から自身の病死直前まで、それぞれ長期の欠場となり、実質は刑事6人体制が続いてました。

トップに名前が並ぶお二人が不在なんだから、これはまさに未曾有の危機と言うほかありません。よくぞ乗り越えて下さいました!



しかし、スコッチはともかくとして、元より出番が少ないボスがいなくても大して影響無いのでは?っていう声もあるかも知れません。実際、本放映当時は私もそう思ってました。

けど、違いますね。やっぱりボスが戻ってきた時の安心感と安定感、重み、渋み、大きさ、温かさ。それがあってこその『太陽にほえろ!』です。

なんとか半年間を乗り越えられたのは、山さん以下、七曲署捜査一係のメンバーたちが全員、主役級の華と実力を持ってくれてたから。

特に後半、この人が新しい風を吹き込んでくれなかったら、半年を持ちこたえるのは難しかったかも知れません。



私は男だし、渡辺徹さんとそんなに歳も離れてないから、当時はこんな少年っぽい人が七曲署にいることに抵抗を感じてました。

けど、今ならよく解る。こういう母性本能をくすぐる人が出てないと、女性視聴者がついて来ない。それはすなわち、番組の終焉に繋がっちゃう。

『太陽にほえろ!』最大のピンチを救ったのはラガーであり、一足先に登場して女性ファンを繋ぎ留めてくれたドックなんです。このお二人がいなかったら間違いなく『太陽〜』は10周年まで保たずに終わってました。

ネットに貼り付いてるオッサンたちはドックやラガーの悪口ばっか書いてるけど、感謝しなはれホンマに!



まあ、ロッキーもいちおう頑張ってましたw



令子さん(長谷直美)と毎晩チョメチョメして双子の父親となり、貫禄がついて幾分カッコよくなりました。

もちろん、ベテラン勢の頼もしさも忘れちゃいけません。



一係が人手不足になったお陰で、この人の出番も増えました。



ドックとナーコがチョメチョメしないか、気になって仕方がない吉野巡査(横谷雄二)は再びゴリラ化することに。

ゴリラと言えば #478『汚い警察』ではこんな異色コンビも見られました。



たいへん珍しい、最後まで犯罪に走らない刑事役の片桐竜次さん。(ただし暴力はしっかり振るう)



まあしかし、やっぱり「山さん、ご苦労様でした」に尽きますよね。ボスが帰ってきて本当によかった!



そしていよいよ番組は激動の10周年イヤーを迎え、1年後には半数のメンバーが入れ替わってることになります。世代交代……世の常です。

 

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『太陽にほえろ!』#489

2023-05-07 15:55:06 | 刑事ドラマ'80年代

年の瀬に七曲署管内で、盗まれたダイナマイトによる爆破事件が発生! 幸い死傷者は出なかったものの、直後、生命保険会社に「1億円を払わなければ次は数百人が集まる場所を狙う」との脅迫電話がかかって来た!

しかし直接関わりの無い保険会社に支払いの意志はなく、警視庁も所轄の七曲署に「対応は一任する」と通告、というより丸投げして来ます。

捜査一係の指揮を任されて半年が過ぎ、最近やつれて来たように見える山さん(露口 茂)にまたもや重圧がのしかかるのでした。



仕方なく、ドック(神田正輝)が保険員を装い、1億円の替わりに新聞紙を詰めたバッグを持って取引に赴くも、それがバレて犯人を怒らせてしまう結果に。

開き直った犯人は要求額を3億円に引き上げ、ますますやつれた山さんが保険会社に頭を下げ続け、なんとか現金を用意してもらうんだけど……



そこで本庁から、捜査一課の赤沢警部(宍戸 錠)がほっぺたを膨らませながら、西部署の鑑識員と瓜二つの坂田警部補(武藤章生)を伴い、七曲署に乗り込んで来ます。

「なぜ今になって本庁が?」

「これ以上、七曲署に任せておくワケにいかないからだ」



対応を丸投げしておきながら、警察のメンツが危うくなった途端にほっぺを膨らませ、いきなり主導権を取り上げる本庁のやり方に、七曲署チームはストレスを溜めていきます。ただでさえ大黒柱が不在で、強力な戦力であるスコッチ(沖 雅也)も療養中なのです。

そこで奮起したのが新人刑事のラガー(渡辺 徹)。地道な聞き込みにより、現金の受け渡し場所を下見してた……ように見える、桑田佳祐そっくりな中年男がいたことを突き止めます。



それはあまりに細い手掛かりで、赤沢警部は一笑に付すんだけど、長さん(下川辰平)がラガーの捜査に付き合い、その桑田佳祐そっくりな男=浜西(長門裕之)をマークし、彼が娘と一緒に営む喫茶店を張り込むのでした。



一方、ほっぺたを膨らませながら捜査の指揮を執る赤沢警部は、本庁チームだけで犯人との取引に臨むも、捕まえた容疑者はオトリの「受け子」だった!

焦った赤沢警部は、まだ状況証拠しか揃ってないのに「俺が締め上げて吐かせる!」とほっぺたを膨らませ、ラガーたちに浜西を強制連行させます。



ところが、したたかな浜西はまったく動じず、厳しい取調べものらりくらりとかわし、警部のほっぺをますます膨らませます。

しかも、容疑者が連行されたことを報道で知った犯人から「そいつに金を持たせて釈放しろ」「さもなくば今度こそ街中でダイナマイトを爆発させる」と電話がかかって来た!

浜西は無実なのか、あるいは共犯者がいたのか?

もし、その要求に応じた場合、浜西がクロなら逃げられるし、シロなら真犯人に殺されるかも知れない。だからって無視すれば、爆弾がどこかで爆発する。一体どうすりゃいいんじゃいっ!?

「検討する時間が無い。山村くん、この件はキミに一任する」

急に態度を豹変させた赤沢警部に、いよいよラガーの怒りが爆発します。



「また逃げるんですかっ!?」

「逃げるとは何だっ!?」

「いや、俺も同じ意見です!」

ドックやロッキー(木之元 亮)も弟分に加勢します。

「誰だってこんな八方塞がりの仕事はしたくない! 逃げ出したいのはあんただけじゃないんだっ!!」



さすがに赤沢警部のほっぺも力なく萎んで来た、その時!

「お前ら、それでもデカか!」



捜査一係のドアを開けて入って来たのは、我らがボス(石原裕次郎)だった!

これが初対面となるラガーを除いて、一係のメンバー全員がしばし呆然とし、我に返って「おかえりなさい、ボス!」と駆け寄ります。



「何がおかえりなさいだ。たとえ無理な命令でもそれを守って事件を解決するのがデカだ。それが出来ないなら、デカなんて辞めちまえ!」

「ボス……」

この人は半年もの間、一体どこで何をしていたのか、そして何故このタイミングで出勤して来たのか、説明は一切ありませんw

説明不要なんですよね! 大動脈瘤破裂で生死をさまよい、大手術と長期入院を経て奇跡の復活を遂げた事実を、日本国民の誰もが知ってましたから。

いくら半年振りとはいえ、上司が職場復帰したぐらいで部下全員が呆然とし、涙目になって駆け寄るなんて演出は普通あり得ないんだけど、舞台裏の出来事がそれを成立させちゃった稀有な瞬間です。

もちろん、その人が国民的スーパースターで、みんなに愛されるキャラクターであることも必須条件。つまり他の番組だとこれはあり得ない。



「あとは我々がやります。ただし一任した以上、今後いっさい口は出さないで頂きたい」

ボスに凄まれると、さすがの赤沢警部もほっぺを萎ませて退散するしかありません。

宍戸錠という大スターがこんなショボい役を引き受けたのも、日活時代からの盟友である裕次郎さんとの絆があればこそ。もちろん長門裕之さんも然りです。

「山さん。長い間、苦労かけました」

「いえ、ボス……おかえりなさい」



「ありがとう」



「…………」

いつもながら、これまで10年かけて信頼関係が描かれてきた、ボスと山さんのやり取りにはグッと来ます。しかも本来は自由なキャラだった山さんが、いきなりボスの代役を任されて実際に疲弊していく姿を、我々視聴者も見て来ましたから。



そしてこれまた半年ぶりとなる、通称「Aポジ」から見た捜査会議のフォーメーション。

ボスから見立てを尋ねられた山さんは、地道な捜査でラガーがマークした浜西がやはりクロで、必ず共犯者と接触するだろうと推理します。

「よし、山さんの読みに賭けよう。手分けしてかかってくれ」

「はいっ!!」

勿論こういう場合、山さんの読みが外れることは100%ありません。浜西が隠した3億円を取りに現れた共犯者は即逮捕され……



そいつの自供により、浜西にも今度こそ手錠が嵌められます。詐欺まがいの目に遭い、喫茶店の経営が苦しくなっての犯行でした。



根っからの悪人でもない浜西は今度こそ観念し、全てを正直に自供したあと、わざわざ捜査一係室を訪ね、ボスに挨拶するのでした。



「俺の仲間も上手くやったが……あんたの部下、最高だね。いやぁ、最高だよ」



「俺もそう思ってる」

このシーン、私は長門裕之さんの希望(ワガママ)で追加されたんだろうと思ってたけど、最初から脚本に書かれてたみたいです。

宍戸さんにせよ長門さんにせよ、与えられた役柄をあくまでも忠実に、誠実に演じきる。スターのプライドなんか微塵も見せない。そこにこそ愛を感じますよね。



ラストシーンには退職したスニーカー(山下真司)も駆けつけ、後任者=ラガーとの新旧ツーショットも見せてくれました。

放映日は1981年の12月25日。クリスマスプレゼントをねだるラガーに、先輩たちは「もう、やっただろ?」と言いつつ、ボスを指差すのでした。

「ええ?……変なプレゼント」

「なんか言ったか、新入り?」



☆第489話『帰ってきたボスークリスマスプレゼントー』(1981.12.25.OA/脚本=小川 英&古内一成/監督=竹林 進)


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『さすらい刑事旅情編 II 』#04

2023-05-03 14:00:04 | 刑事ドラマ'80年代

古典的な人情ストーリーばかりで、私はあまり面白いと思えなかったシリーズだけど、素晴らしいグラビアを残されてる当時のアイドルや若手女優さんがよくゲスト出演されるもんで、レビューしなくちゃいけないワケです。

このシーズン2第4話には、TBSの連ドラ『はいすくーる落書』でいきなりレギュラーキャストに抜擢され、デビューしたばかりの越智静香さんがゲスト出演。

越智さんは’87年開催の「第2回東宝シンデレラオーディション」に参加し、受賞は逃がしたもののスカウトされ、東宝芸能に所属。刑事ドラマは’92年『真夏の刑事』で主人公(時任三郎)の妹役でレギュラー出演されたほか、’10年『警視庁失踪人捜査課』第8話などにゲスト出演。様々なジャンルで近年まで活躍されてます。



☆第4話『山陽新幹線・道後温泉に消えた女 』(1989.11.1.OA/脚本=藤井邦夫/監督=長谷和夫)

舞台となるのはサブタイトル通り、愛媛県松山市の道後温泉。今となっては懐かしいデザインの新幹線「ひかり263号」と、瀬戸大橋を走る「しおかぜ9号」がフィーチャーされてます。



東京駅で他殺と思われる女性の遺体が発見され、被害者が亡くなる直前に愛媛の女子高生=葉子(越智静香)と会ってたことが判明。

葉子は被害者の娘であり、幼少期に母が「駆け落ち」で行方をくらまして以来の再会だったことも判り、容疑者の1人として彼女をマークした鉄道警察隊・特捜班は、ギョロ眼リーゼント(三浦洋一)とシブがき隊(布川敏和)を愛媛に送り込みます。



自分を見捨てて家出された恨みはあるにせよ、葉子が実の母親を殺すような娘とは思えないリーゼントは、彼女が何か隠してると直感します。

どうしても会いたいと母親から連絡を受け、部活で上京した合間に東京駅で再会した葉子は、そのとき、愛媛にいるはずの姉=牧子を目撃しちゃったのでした。



姉の牧子を演じられた蜷川有紀さんは、あの偉大なる舞台演出家で灰皿の名投手・蜷川幸雄さんの娘……ではなく姪っ子で、作家・猪瀬直樹さんの奥方。

つかこうへいさんの舞台『サロメ』で主役デビューされ、刑事ドラマは『特捜最前線』『ジャングル』『はぐれ刑事純情派』『はみだし刑事情熱系』等にゲスト出演。従妹の蜷川実花さんと同様、画家や映像作家など幅広く活躍されてます。



皆さんお察しの通り、真犯人は姉の牧子であり、母に「もう二度と葉子に近づかないで」と告げるために上京し、言い争った弾みで階段から突き落としちゃったという、サスペンスドラマ「あるある」と言わざるを得ない顛末。

しかしストーリーは凡庸でも、ゲストの華やかさに加えて、私は班長=高杉警部を演じる宇津井健さんの「やたら折り目正しい」一挙手一投足に何だか「ツボ」を刺激されw、それを見てるだけでもう楽しくて仕方ありません!



母親が生前、実は末期ガンで、牧子と葉子を受取人にした生命保険に加入しており、それを狙ったヒモ男に牧子が殺されそうになるも……



高杉警部が颯爽と、折り目正しく救出に駆けつけ……



母親が実は転落死じゃなく、病死だったことを姉妹に告げ、背筋をピン!と伸ばしながら……



折り目正しく2人を見守るのでした。



若い頃は別に何とも感じなかった、この宇津井健さんの折り目正しさが、今になってツボにハマるとは!w 人生、ホント分からないもんです。

そして本来の見どころである「旅情」も、若い頃よりは楽しめるようになりました。古めかしい人情ストーリーだけはやっぱ苦手だけど、ゲストが華やかだし、このシリーズも決して悪くないなと今は思ってます。



というワケで、越智静香さんの素晴らしいセクシーショットをご堪能ください!


 

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『さすらい刑事旅情編 II 』#01

2023-04-24 00:00:02 | 刑事ドラマ'80年代

『さすらい刑事旅情編』のシーズン2は、1989年10月から’90年3月まで、テレビ朝日系列の水曜夜9時枠で全23話が放映されました。

JR東京駅丸の内駅舎にある(という設定の)警視庁鉄道警察隊「東京丸の内分駐所」の捜査班が活躍するストーリーで、毎回JRの名物列車で各地方へ移動する「旅情」と「人情」を売りにしたシリーズです。



相変わらず全身全霊で折り目正しい班長=高杉警部(宇津井 健)と、相変わらずギョロ眼でリーゼントの香取警部補(三浦洋一)はシリーズ通して不動のメンバー。



内勤担当の小島巡査(影山仁美)もシーズン1から続投。



しかし残りのメンバーはどういうワケか一新され、シーズン2から加わった女性刑事が西園寺警部補(高木美保)。



若手の池山刑事に扮したのは、シブがき隊を卒業しても一向に演技力が上達しない、フックン(布川敏和)。



そして最終のシーズン7まで残ることになる「山さん」こと山崎刑事(蟹江敬三)と、シーズン2限定メンバーの立花刑事(林家こぶ平=現・林家正蔵)。



刑事たちが通う飲食店「元気」のママ=和代さん(東ちづる)も新登場。



リーゼントと同居する妹の恵里ちゃん(相川恵里)はショートカットになりました。



初回は、東京駅構内でオッサンがオッサンを階段から突き落とし、重傷を負わせる事件が発生。

逃走したオッサンはどうやら、離婚して疎遠になった娘がもうすぐ結婚式を挙げる、高松を目指して寝台特急「瀬戸」に乗り込んだらしい。



オッサンを追って高松に出張したリーゼントたちが捜査すると、どうやらオッサンが突き落としたオッサンは、20年前にオッサンの妻(吉行和子)をレイプして離婚のキッカケをつくった憎っくきオッサンだった!



母親がレイプされた事件を今まで知らなかった瀬戸の花嫁(生田智子)は、もしかしたら自分はレイプ犯の娘では?と悩み、結婚を諦めようとします。

自分たちが過去を掘り返したせいでこんな事になり、リーゼントたちも苦悩します。



が、最終的に母を信じた娘は、同じく信じてくれた新郎と晴れてフェリーで新婚旅行へと旅立ちます。



瀬戸の花嫁を、その両親と一緒に折り目正しく見送る高杉警部。



そして急に結婚したくなった西園寺刑事は、よりによってリーゼント刑事に想いを寄せていくことに。あんなギョロ眼の一体どこがいい!?



とっても古典的な人情ストーリーだけど、そういうのを「クサい」「寒い」と否定しがちだった当時の風潮に迎合し、アクション系のドラマがどれも軽薄で荒唐無稽な作風へと傾く中、あえてベタな人情を押し出したこのシリーズは、今にして思えば勇気ある番組だったと言えるかも? 先に『はぐれ刑事純情派』が道を拓いてくれたにせよ。

メンバー的にはやはり、ヒロイン=高木美保さんのネアカぶりが光ってます。フックンがとにかく下手くそだけど、蟹江敬三さんやこぶ平さんがうまくカバーしてくれるし、このバランスの良さがシリーズの人気を決定づけたんじゃないかと私は思ってます。

セクシーショットはレギュラーの高木美保さん、相川恵里さんです。


 

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『太陽にほえろ!』#487

2023-02-14 12:13:50 | 刑事ドラマ'80年代

売出しに失敗したロッキー(木之元 亮)とスニーカー(山下真司)の反省を踏まえて、大々的にプッシュされたラガー(渡辺 徹)はみごとブレイクに成功!……なんてことを再三、これまで書いて来ました。

確かに、今回も2週続けての主演作ですから、優遇されてたのは間違いない。

けど、渡辺徹さんが当時アイドルとして一気にブレイクされたのは、その売出し戦略のお陰だけじゃないってことが、この第478話をあらためて観るとよく解ります。

今後、何度となく制作されていく「ラガーの失恋ストーリー」の第1弾なワケだけど、なぜ、そうしてシリーズ化されることになったのか?

それは渡辺徹さんが、抜群にそういう演技がお上手だから!なんですよね、きっと。

ロッキーとスニーカーは、致命的にロマンス芝居が出来てなかったというか、そういうガラじゃなかった。ゆえに失恋ストーリーも創られにくかった。

ここで女性人気が爆発するかしないかの運命が、ハッキリ岐かれたんじゃないでしょうか?

ボン(宮内 淳)も上手かったけど、ラガーはその上をいってる。さすがに別格のマカロニ(萩原健一)を除けば、歴代ピカイチだったんじゃないかと私は思います。



☆第487話『ケガの功名』(1981.12.11.OA/脚本=鴨井達比古&小川 英/監督=鈴木一平)

学生時代に世話になった先輩が仕事で海外へ移住し、悪い虫がつかないようにと監視役を頼まれたラガーが「自分の妹のように可愛がってる」という、先輩の妹=恵子に扮したのがなんと、ボインぼよよ〜ん!な早乙女愛さん。

先輩の妹だから歳上の可能性も無くはないけど、それにしたってラガーが「妹のように可愛がる」には、ちょっと色っぽすぎる。



早乙女さんは当時22歳だけど実年齢より大人びてますからね。たぶん、意識して色気を抑えながら演じられたと思うけど、それでも滲み出るフェロモンが余計にラガーを子供っぽく見せちゃいます。



そういうアンバランスさは『太陽〜』あるあると言うか、昭和ドラマじゃ日常茶飯事だから眼を瞑るとして、その恵子から「彼氏にプロポーズされた」と聞かされ、ルビーの婚約指環まで見せられたラガーは、早くも撃沈。



そんな折り、サラ金会社が三人組の強盗に襲撃され、多額の現金が奪われる事件が発生。その手口から見て、最近頻発するビル荒らしグループによる犯行じゃないかと刑事たちは推理します。

その捜査でラガーとコンビを組んだドック先輩(神田正輝)は、休憩中に恵子と「ルビーの指環」の話を聞いて、イヤな予感を覚えます。



「それ、ひょっとしてクサイねえ」

「何がクサイんですか?」

ビル荒らしの一味は以前、宝石店を襲うにあたり前もって女性店員と親しくなり、巧みに店の情報を聞き出していた。

そして恵子が看護婦として務めてる内科医は、今回襲われたサラ金会社と同じビルにある。そう言えば宝石店から盗まれた品にはルビーの指環も含まれていた!

「いやまさか、そんな……」

とは言いつつラガー自身、恵子がその婚約者と知り合って僅か1ヶ月で、高価なルビーを贈られた事実には引っ掛かってたのでした。

調べてみると婚約者の坂井(本郷直樹)には怪しい点が多々あり、特に右手首に巻いてる包帯が、強盗被害に遭ったサラ金会社のガードマン=大島(市川好朗)の「右手首に傷痕があった」という証言を裏付けるようで、疑惑は深まる一方。

「キライよ! 竹本さんったら、刑事になってから何でも疑うんだから!」



幸せの絶頂に水を差された恵子は当然、ハイパー激怒。

だけど、ラガーの方が正しかった。警察にマークされてると知った途端、坂井は深夜にこっそり婚約者のアパートに忍び込み、自分がプレゼントしたルビーの指環を盗み出すのでした。



翌日、ラガーと一緒に恵子のアパートを訪れたドックは、部屋に残ったクロロホルムの微かな匂いに気づきます。どうやら坂井は就寝してた恵子をクロロホルムで更に眠らせ、部屋を物色してルビーを盗み出したらしい。

さすがに恵子も、夢から醒めるしかありません。急いで坂井のマンションを訪ねてみたら、ヤツは海外逃亡準備の真っ最中なのでした。



「私にプロポーズしたのは、嘘なの? 私に近づいたのは、お金が目的だったの?」

もう誤魔化せないと悟るや本性を表した坂井は、再びクロロホルムで恵子を眠らせようとします。



もちろん、これは刑事たちが仕掛けた罠で、隠れてたラガーが怒りのハートブレイクパンチ百万発を坂井にお見舞いし、大いに恵子を引かせます。



一件落着? いや、だけど、ドラマはまだ中盤だし、これじゃサブタイトル『ケガの功名』の意味が解りません。

「結婚詐欺? じゃあ、あのルビーの指環もニセモノ!?」



そう、坂井は確かに卑劣な悪党だけど、ビル荒らしの一味とは無関係だった! 右手首の包帯も、たまたまそこを火傷してただけ。

「じゃあ彼女、傷つくなあ……」

「まあまあ、お前のお陰で悪党一匹捕まえたじゃないか。恵子ちゃんだって感謝してるさ」

「はあ……」

それがケガの功名だったワケだけど、強盗事件の捜査は何も進んでないことになっちゃう。ここは山さん(露口 茂)のカンに頼るしかありません。

「こうなると、その坂井を犯人だと証言した大島が引っ掛かるな」

目撃者であるガードマンの大島は、逮捕された坂井を見て「多分、あの男だと思います」と証言した。けれども、事件より前に犯人と面識があったらしいのに、どこで会ったかは「思い出せない」の一点張り。なにせ演じてるのが市川好朗さんで、何か裏があるに決まってます。

長さん(下川辰平)が粘りの捜査で、大島が傷害致死罪の前科を隠してガードマンの仕事に就いた事実を突き止めます。右手首に傷のある男と知り合ったのは刑務所であり、だから曖昧な証言しか出来なかったのでした。

「いつかバレると思ってました……誰の責任でもない、自分の責任ですよ」



「結論を急ぐ必要は無い。我々が欲しいのはビル荒らしの犯人の手掛かりなんだ。マジメに勤務してるキミの過去を暴くつもりは無いよ」

急転直下、大島の新証言により強盗一味の正体が判明! 主犯格をドックとラガーが見事な連携プレーで逮捕します。ただ猪突猛進するラガーをドックが射撃の腕前でカバーするだけだけどw



いかにも女性ファンが喜びそうな、この「仲良し兄弟」っぽい感じがまた、ロッキーやスニーカーじゃ出せなかったんですよね。渡辺徹さんの若さ&明るさがあればこそで、『太陽にほえろ!』の新たな黄金期は間違いなく、ラガーが築いたと言って良いでしょう。

何よりラガーが女性視聴者をキュンとさせたのが、冒頭に書いた通り失恋シチュエーションにおける「ハートブレイク」演技だと私は思うワケです。

セリフで言わなくてもラガーが恵子を好きなのは伝わって来るし、特に、別れの切なさを笑顔で表現するアクトが絶品!



「そっか……僕もその方がいいと思うよ」

今回も、ラガーに頼るんじゃなくて故郷の北海道へ帰る決意をした、恵子からの電話に彼は笑顔でエールを送りました。

「心にも無いこと言っちゃって。アニキ代わりもツラいな」

「はい、ツラいです」



そうして言葉にしなくても、いかにも哀しそうな顔をしなくても、ラガーの切なさがちゃんと伝わって来る。きっとこの瞬間に、渡辺徹さんは’80年代を象徴するアイドルの1人になられたんだと思います。

たとえ、実際は早乙女愛さんのオッパイで頭がイッパイだったとしてもw


 


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