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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『警視庁殺人課』#17

2022-02-07 21:00:04 | 刑事ドラマ'80年代

本エピソードは、第1話を撮られたメイン監督=中島貞夫さんが自ら脚本も手掛けられた入魂作。

中島貞夫さんと言えば’60年代から第一線で活躍され、85歳を越えてもなお、多部未華子さんがヒロインを演じた超パワフルなチャンバラ映画『多十郎殉愛記』(’19) を監督しちゃう等、和製クリント・イーストウッドとでも呼ぶべき筋金入りの映画人。

そんな中島監督だけに、本作もメッセージ色の濃い、パワフルで骨太なエピソードとなりました。



☆第17話『白昼の通り魔殺人事件・父を返せ!』

(1981.8.3.OA/脚本・監督=中島貞夫)

ある昼下がり、古谷(江角 英)という中年男が、まだ幼い一人息子=俊夫(加瀬悦孝)の眼の前で、いきなり出刃包丁でめった刺しにされ、即死。犯人はそのまま逃走します。

惨劇を目の当たりにした上、唯一の身寄りだったらしい父親を失ったショックで、俊夫はすっかり心を閉ざし、誰とも口を聞かなくなっちゃいます。

ミスター(菅原文太)からそんな報告を受け、今回はやけに出番の多い田丸刑事部長(鶴田浩二)が怒りを露わにします。

「狂ってるんだよ、世の中が。そういう世の中の狂いが、人間の抑制力を狂わせてしまってる。自分の欲望の為なら他人はどうでもいい、そんな人間ばかりが増えてるんだ」

そう嘆きたくなる事件が現在=2020年代も跡を絶たない現実を見ると、これが人間の本質なんだから仕方がないって、私なんぞはすぐ諦めの境地になっちゃいます。破滅です。

だけど世の中、そんなに捨てたもんでもない。身寄りの無い俊夫を「私が引き取ります!」と名乗りを上げる女性が現れました。俊夫が通う小学校の担任教師=野村美智子(山本ゆか里)です。



だけど学校のトップがそれを許可するとは思えず、田丸は「我々にそんな権限はありません」とやんわり断るのですが……

「それじゃ俊夫くんが施設に送られてしまいます! 私はイヤです! 私が引き取ります! 私に出来ることなら何でもします!!」

テコでも譲らない参っちんぐなミチコ先生は、強引に俊夫を自分のアパートに連れて帰るんだけど、そんなミチコ先生にも俊夫はなかなか心を開こうとしません。



一方、怨恨の線で捜査を進めてた殺人課の面々は、容疑者がまるで浮かんで来ないことから、これは動機なき殺人、つまり通り魔の犯行だろうと方針を切り替えます。

ミスターが再び刑事部長のオフィスを訪れ、田丸に報告します。今回に限ってやけにマメです。(たぶん中島監督が鶴田さんのファンなんでしょうw)

「あの残忍な殺し方は普通の人間じゃ出来ません。センパイの言う通り、狂ってるんですよ! 世の中も人間も!」



「通り魔だとしたら一刻も早く逮捕せねばならん。気の狂ったヤツを野放しには出来んだろう」

ちなみに、野放しに出来ない気の狂った通り魔を演じてるのは、言うまでもなくコイツですw ↓



血も涙もないガイキチ凶悪犯といえばこの人!の片桐竜次さん。ガラにもなく正義側についた『大激闘/マッドポリス’80』から解放され、まさに水を得た魚ですw



田丸による鶴の一声で、本件は極秘捜査から公開捜査へとシフト。ミチコ先生の献身でようやく心を開きつつある、俊夫の描いた似顔絵が役に立ちそうです。

ところが! そんな矢先に俊夫が何者かに誘拐されてしまい、久々にミスターのニューヨークかぶれが飛び出します。

「ガッデムッ!!」

もし誘拐したのが片桐竜次なら、俊夫が生きたまま戻って来ることは有り得ません。なぜなら片桐竜次だからです。



「私が間違ってました……私が甘かったんです。俊夫くんをこんな眼に遭わせたのは私です!」

そう言って泣き崩れるミチコ先生に、ミスターが言います。

「先生に責任は無い! 責任を取らなきゃならないとすれば、私です! 誠意って、何かね?」

ところがなんと! どういうワケか、俊夫がケロッと元気に帰って来た! 有り得ない! いたいけな子供を片桐竜次が惨殺しないなんて有り得ない!



「おばちゃん、いい人だったよ」

俊夫が言うには、連れ去ったのは片桐竜次とは正反対の、上品で知的な中年女性らしい!

殺人課の捜査により、俊夫を一時的に拉致したのは、吉野という鉄道会社副社長の妻(赤座美代子)であることが判明。もちろん、吉野夫人は犯行を否認します。



「部長、少々手荒な手を使わせてもらいますよ。俊夫くんの為です」

「五代、通り魔捜査に私情は無いだろうな?」

「大丈夫です!」



ミスターの指示により、ビショップ(中谷一郎)が吉野夫人を喫茶店に呼び出し、本当のことを言わなきゃ取調室に来てもらうと脅迫。夫人はやむなく「主人には内密で」という条件で真相を語ります。そう、すでに皆さんお察しの通りです。

「あの子は、私の子供なんです。私の産んだ子なんです」

やっぱり! 吉野夫人はかつて、殺された俊夫の父=古谷とチョメチョメな仲だった! しかし関係がこじれ、古谷が意地でも俊夫を手放さないもんで、夫人は泣く泣く身を引いたのでした。

「この事を知ったら主人が苦しみます。今の私たちの生活が壊れます。壊したくないんです!」

古谷が殺されたとニュースで知って、心配のあまり俊夫を連れ去ったものの、どうする事も出来ずにまた手放した。勝手な話だけど、それが人間ってもんかも知れません。



とはいえ、俊夫の幸せを第一に考えれば、やるべき事は1つしかありません。今度は秀才(三田村邦彦)が吉野夫人を緑地公園へと連れて行き、ミスターとすっかり打ち解け、無邪気に笑う俊夫の姿を見せつけます。これが作戦の第2段階。

「あっ、おばちゃん!」



愛情(母性?)が理性を押しのけて爆発し、吉野夫人は無心で俊夫を抱きしめます。

「俊夫、許して! お母さんを許して! これから2人で暮らそう! お母さんと一緒に暮らそう!」

やれやれ、と胸を撫で下ろすミスターなのでした。あれ?『警視庁殺人課』ってこんな番組でしたっけ?w



もちろん、そんな人情紙風船なお話で終わっちゃう番組じゃありません。なにしろまだ、あの狂犬が街をさまよってるんです。

俊夫の描いた似顔絵がなかなかのクオリティーで、追い詰められた片桐竜次は逃げた女房の母親(東郷晴子)を拉致し、破れかぶれの復讐へと向かうのでした。

「思った通り犯人は狂った野獣だ。どんな事があっても新しい犠牲者を出してはいかん!」



いやあ〜、さすがは片桐竜次! 卑劣です。凶悪です。狂ってます!

「動くな! 動いたらババア刺し殺すぞっ!!」



年配者の女性という、最もひ弱な相手を人質に取り、しかも自分の義母をババア呼ばわり。これぞ凶悪犯の鑑! これぞ片桐竜次のあるべき姿!(『相棒』では抜け殻になっちゃってます)



だけど頭はあんまり良くない片桐竜次。元女房の部屋に先回りした、殺人課の刑事たちにあっさり取り押さえられちゃいます。

「すぐに終わるからな」



俊夫と同じようにロクデナシな父親を持ってしまった、竜次の幼い娘を奥の部屋へと避難させ、さあ、今回もミスターのお仕置きが始まります。

「立たせろ」

久々に愛銃マグナム44をホルスターから引き抜いたミスターは、その銃口を片桐竜次の右腕に向けます。俊夫から父親を奪った、狂った野獣の利き腕です。



「うぎゃあああぁぁぁーっ!!」

だけどテレビ局の偉いさんやスポンサーの顔がふとチラついたんでしょう、ミスターはマグナムをビショップに預け、替わりに警棒を全力で振り下ろすという、実にコスパの良いお仕置きで済ませるのでした。(あの角度でマグナムを撃てば天井も吹っ飛びますからw)

それでも、さっきの悲鳴からすると複雑骨折は免れず、たぶん二度と右腕は使えない事でしょう。射殺がダメならこれでどうだ!?っていう、クリエイターの意地ですよね。

自分が妻子に逃げられ、ムシャクシャしてる時に幸せそうな古谷親子を見て、ついカッとなって殺した。そんな片桐竜次の供述を聞かされ、田丸刑事部長がまた嘆きます。

「やりきれんな……」

まさに、そんな輩が現実の我が国でもどんどん増殖してます。捕まえても捕まえても、たとえ全員死刑にしたとしても、根絶することは出来やしません。だって、それが人間っていう生きものだから。破滅です。

だけどその一方で、後先も考えないで俊夫を引き取ろうとした、まいっちんぐなミチコ先生みたいな人もいる。

そして夫人を許し、血のつながらない俊夫を快く家族として迎えようと言ってくれた、吉野副社長みたいな人もいる。

それもまた、同じ人間なんですよね。決して捨てたもんじゃない。中島貞夫監督はきっと、そんな想いを込めて脚本を書き、演出されたんでしょう。最新作『多十郎殉愛記』とも相通じてるように私は感じました。



まいっちんぐミチコ先生に扮した山本ゆか里さんは、当時21か22歳ぐらい。東映芸能からアイドル歌手としてデビューされた方なので『がんばれ!!ロボコン』はじめ東映系の特撮ドラマやアクション、時代劇への出演が多く、言わば我々ワールドに近しい女優さん。

刑事ドラマは他に『刑事くん』『刑事犬カール』『新 七人の刑事』『鉄道公安官』『爆走!ドーベルマン刑事』『噂の刑事トミーとマツ』『非情のライセンス』『西部警察』『新 女捜査官』『ゴリラ/警視庁捜査第8班』『さすらい刑事旅情編 II 』等々、ゲスト出演多数。やっぱり東映系の作品が多いみたいです。


 

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『警視庁殺人課』#14

2022-02-06 13:00:21 | 刑事ドラマ'80年代

1981年、しばらく続いてた刑事アクションドラマの大ブームには翳りが見えてたけど、それでもテレビ朝日は月曜の夜8時に『走れ!熱血刑事』、そして9時に『警視庁殺人課』と、2時間続けて刑事アクションを放映してくれてました。

だけど両番組とも視聴率には恵まれず、学園ドラマ調だった『走れ〜』はハード路線に、そして『警視庁〜』は逆に人情路線へと舵を切らざるを得なくなっちゃいました。

それで視聴率が上がるとは到底思えないのに、なんでそんなムダな改革をしちゃうんだろう?って、私はずっと疑問に思ってました。けど、自分が企業の歯車として働くようになってようやく理解しました。

業績不振に陥ったり不祥事を起こした企業は、何らかの改革案を提示しないと支援を受けられなくなっちゃう。個人レベルの話でも、例えば宅配ドライバーの私が誤配や交通事故を起こせば、具体的な改善策を会社に提出して認めてもらうまで乗務復帰させてもらえない。

それと全く同じなんですよね。やれクリエイターだ夢を売る商売だと言ってても、マネーが絡むかぎりサラリーマンと何も変わらない。正しいか間違ってるかじゃなく、売れるか売れないかで全てが評価されちゃう世界。

見返してやるにはBIGマネーを掴むしか無いんです。マネーマネーマネー! マネー・イズ・クレイジー! いつかヤツらに叩きつけてやる!!ってな話です。

だから、ソフトだった番組はハードに、派手だった番組は地味にと、判りやすく見た目を変えなきゃしょうがないワケです。テレビ局の偉いさんやスポンサー連中に内容の良し悪しなんて解かりゃしませんから。

そんなワケでこの『警視庁殺人課』では、ミスターがマグナムで悪党を射殺しなくなり、エンジェルが必然性なくオッパイを見せてくれなくなっちゃいました。その2つ無くして一体なにが残るねん!?って話ですw

だけどこの第14話は恐らく、路線変更が決まる前に完成されてた脚本で、ハード路線の名残りが色濃く残ってます。最後にミスターは射殺こそしないけど、見方によっちゃそれより酷い事をやってくれますw

そこに現場スタッフたちの「射殺がダメならこれでどうだっ!?」っていう反骨心、気概を私は感じました。昨今のテレビ番組からはすっかり消え去ったスピリットです。



さて、ここで警視庁殺人課のメンバーをおさらいしておきます。とりあえず体力派ナンバー1「ウルフ」こと久保刑事(剛 竜馬)は今回から出ませんw なぜ唐突に消えたのか?っていう説明も一切ありませんw

演じる剛竜馬さん(元プロレスラー)が何か警察沙汰を起こして降板になったと聞いた記憶があるけど、ウィキペディアやDVDの解説書には記載されてないので定かじゃありません。

芝居が出来る人じゃないのは一目瞭然で、番組が人情路線になったら出番も無くなっちゃうだろうから、どのみち降板する運命だったと言わざるを得ません。



ニューヨークで殺人術を学んで来た殺人課の親分「ミスター」こと五代警部(菅原文太)。前述の通り、愛銃マグナム44をぶっ放す機会がこれから激減しちゃいます。残念!(カレーライス食ってる場合じゃない!)



お色気担当だった筈の「エンジェル」こと眉村刑事(一色彩子)も前述の通り、もう二度とおっぱいを見せてくれません。無念!



ただ1人、体力派ナンバー2の「チャンス」こと村木刑事(関根大学)だけは、ナンバー1のウルフがいなくなって出番が増えるからウハウハかも知れません。まさにチャンス!



ベテランの「ビショップ」こと額田警部補(中谷一郎)も、人情路線へのシフトで見せ場が増えるからウハウハかも知れません。(関係ないけど刑事部屋にパトライトを設置してるのが微妙にダサい)



ミスターの右腕で熱血漢の「秀才」こと虎間刑事(三田村邦彦)は女性との絡みが増え、どうやら「殿下」的なキャラクターにシフトしつつある模様。今回も顔馴染みのホステスさんから有力な情報を聞き出します。



そして常にミスターの良き理解者で陰から殺人課を支援する、田丸刑事部長(鶴田浩二)は相変わらずのいぶし銀。この人が登場するとやっぱり画面が引き締まります。

というメンバーでお送りする今回の『警視庁殺人課』ですが、ストーリーはサラッと流しますw



☆第13話『連続美女殺人事件・女を喰う虫』

(1981.7.13.OA/脚本=神波史男&奥山貞行&石森史郎/監督=原田隆司)

ある昼下がり、ミスターが勤務中、誰がどう見ても場違いな代々木公園で油を売ってたら、愛車ポルシェ356の前で倒れてる少女を発見。どうやら心臓発作を起こしてる様子で、すぐに救急車を呼びます。



倒れてたのは香織(大久保和美)という女子中学生で、どうやら身寄りは歳の離れた姉の由香(鈴鹿景子)だけ。心臓を患ってる妹にアメリカで手術を受けさせる為、由香は決して本意じゃない水商売で懸命に働いてるのでした。



由香を演じる鈴鹿景子さんは当時、文学座の看板女優で刑事ドラマへの客演も多数。今回、秀才役の三田村邦彦さんと直接の絡みは無かったけど、1年後に『太陽にほえろ!』#527でがっつり共演する事になります。

その頃、ミスター率いる殺人課は高級コールガールばかりを狙った連続殺人事件を捜査中。コールガールとの関係を隠蔽したい政治家に雇われて彼女らを殺害したのは、表向きは一流カメラマンで女たらしの、椎名という男。演じたのは、卑劣なエリートや卑劣な色男と言えばこの人!の藤木敬士さんw



で、椎名は夜の店で知り合った由香ともチョメチョメな関係。香織がアメリカで手術を受ける為の、金銭的な支援を全面的に引き受けるという、椎名の甘い言葉を由香は信じてしまったのでした。

そんな姉の献身に、香織は「お姉ちゃんばっかり可哀想!」と涙を流します。この『水戸黄門』や『必殺』シリーズ的な設定と展開、イヤな予感がします。



そう、相手は藤木敬士なんです。卑劣なんです。そんな口約束を守るワケがないどころか、由香が殺人課のミスターと接点を持った事実を知るや、今度は由香の口を封じるべく入院中の香織を拉致! そしてアジトへと誘き出し、姉妹まとめて抹殺しようとします。



もちろん、我らがミスターはすぐに姉妹の危機を察知し、殺人課メンバーたちを引き連れて椎名のアジトへ急行!



これまでのミスターなら、すぐさまマグナム44を取り出し、問答無用で椎名一味を皆殺しにする筈だけど、局の偉いヤツらに改革案を提出した以上、そうはいきません。

さて今回、ミスターは射殺の代わりにどうやって悪党を懲らしめるのか?

「人間のクズめっ!」



まずは渾身のダイナマイトどんどんパンチを120発ほど浴びせるのは、まあ当たり前。もちろん、そんな程度じゃ藤木敬士の卑劣さは矯正できません。本番はこれからです。

「チャンス、こいつを運べ」

この手のチカラ仕事は本来ならウルフの担当だけど、幸か不幸か今後はチャンスの独壇場です。



さて、ビルの屋上まで椎名を運ばせたミスターが、いったい何をやらかすつもりなのか? もうお分かりですね。

「チャンス、放り投げろ」

「ええっ?」

「そんなクズは捨ててしまえ」

「…………」

なるほど! 自分の手は汚さず、部下にやらせちゃうとこが実にミスターらしい!w もちろんチャンスは逆らえません。

「ど、どうなっても知りませんよ!?」



というワケで藤木敬士、一巻の終わりですw 天罰だから仕方ありません。

まぁ、これじゃ偉いヤツらの神経を逆撫でしちゃうだけですからw、もちろんビルの下で警官隊が巨大マットを用意してました、っていうフォローは入ります。テレビというメディアの限界ですね。

だけどマグナムとは違った形で、ミスターの恐ろしさをしっかり見せてくれたスタッフの心意気に拍手!

言うまでもなく、由香&香織の姉妹は無事に救出されました。アメリカで手術を受けられるか否かには言及されなかったけど、きっと何とかなると信じるしかありません。



なお、今回のラストシーンで田丸刑事部長がミスターのマンションを訪れ、脚が不自由なミスターの妹=可奈子(里見奈保)に水着をプレゼントします。

可奈子役の里見奈保さんは、後に芸名を本名の「鶴田さやか」に改名されます。そう、田丸刑事部長を演じる鶴田浩二さんの実の娘(三女)で、このシーンが本作初のツーショット共演となりました。

鶴田さやかさんは他に『大空港』#06や『あぶない刑事』#49、『はぐれ刑事純情派』第4シリーズ#20、『愛しの刑事』#12、『さすらい刑事旅情編VI』#15 等の刑事ドラマにゲスト出演されてます。


 

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『走れ!熱血刑事』#25

2022-02-03 22:00:02 | 刑事ドラマ'80年代

最終回直前のエピソードとなった第25話は、久々にガキンチョどもと熱血刑事が絡む学園ドラマテイストで、本来の『走れ!熱血刑事』に戻った感じです。

翌週の最終回ではテツさん(坂上二郎)が撃たれ、大介(松平 健)が復讐に燃えるというハード路線にまた戻るんだけど……

青春路線だった初期脚本の残りをここで消化したのか、あるいはもしかすると、初期に撮影されながら放映が見送られてた作品なのかも?

と言うのも、キャスト陣の衣装が急に夏仕様になり、水沢アキさんの髪型もショートからいきなりセミロング(つまり初期の髪型)に戻ってるんですよね。

1クール(10〜13話 )に連続性を持たせる現在の連ドラと違って、1話完結が基本の昭和ドラマでは放映順序がテレコになることも珍しくありませんでした。けど、ここまで激変するのはなかなか珍しいw

それはさておき、刑事ドラマにガキンチョが絡んで来るのを私はあまり好まないんだけど、この回に限ってはちょっとグッと来るものを感じたので、レビューすることにしました。



☆第25話『夢のアメリカ西海岸』

(1981.6.8.OA/脚本=山崎巌/監督=江崎実生)

ある朝、大介がジョギング中に公園で刺殺死体を見つけちゃうんだけど、その地面にはローラースケートの痕跡が複数残っており……

遺体を見つける直前、ローラースケートで走る中学生らしき男女5人組とすれ違ったことを思い出した大介は、彼らの行方を探します。



で、割とすんなり見つけるんだけど、彼らは「何も知らない」と言う。大介は、きっと何か隠してるに違いないと直感します。

おまけに彼らがコインロッカーに隠してたローラースケートから血液反応が出たもんだから、岩下課長(宍戸 錠)のほっぺたが膨らみます。

「一応しょっぴいてみるか」



「待って下さい、オレはあの子たちが犯人だとは思えません! 課長、もう少し調べさせてもらえませんか?」

「いいだろう。ただし、眼を離すなよ」

というワケで大介は、鑑識課員にして嘱託医の淳子(水沢アキ)とわざわざカップルを装い、リーダー格の少年=シゲルとそのカノジョを尾行しながら、淳子がぐいぐい押しつけてくるマシュマロおっぱいの感触を楽しみます。ぼいぃぃ〜ん!



するとシゲルたちが書店で、慣れた手つきで万引きを働いた! しかも大介に追われて逃げる途中、何者かに車で轢き殺されそうになった!

シゲルを心配したカノジョが、淳子に真相を明かします。あの朝、シゲルたちは公園のベンチで寝てる男から財布を盗み、その後でそいつが死んでると気づいた。それで怖くなって逃げたワケだけど、その時にどうやら男を殺した犯人をシゲルが目撃したらしい。

「シゲルを狙ったのはその男よ。お願い、シゲルを守って! 私たち、シゲルがいないと何も出来ないんです!」



大事な模擬試験をすっぽかして遊ぶシゲルたちに、大介が説教をかましますが、彼らは聞く耳を持ちません。

「一流大学を出て一流の会社に入ったって、喜ぶのは親だけで何も面白いことなんか無いんですよ」

サラリーマンみたいな型にはまった生活はまっぴらごめんだと言う彼らには、とある夢があるのでした。万引きを繰り返し、公園で財布を盗んだのも、その夢を実現させる為の資金が欲しかったから。

「オレたち、アメリカに移住するんだ。お金貯めてカリフォルニアに土地を買って、自給自足して自由に暮らすんだ! 誰にも煩わされないで、自分たちの力で生きていくんだ!」



お先真っ暗となった令和の時代、そんな夢を語るようなガキンチョは1人もいないかも知れません。けど、当時は無数にいましたよね?

私もそうでした。別に海外で住みたいとは思わなかったけど、会社員には絶対なりたくなかったし、自分の力だけで生きて行けると根拠もなく信じてました。で、社会に出てから自分の無力を思い知らされるワケです。

でっかい夢を抱くことはもちろん悪くない。けど、その為なら何をやってもいいってワケでもない。彼らには今すぐそれを解らせないといけません。大介は言います。

「乗れよ。俺のジープに乗るんだ!」



自慢のスーパージープに中学生5人を乗せた大介は、人里離れた造成地へと彼らを連れ込み、何処からいつの間に調達したのか、シャベルやクワを無理やり持たせます。



「自給自足ってのはな、土地を耕し、種を蒔き、育てることなんだ」

「分かってますよ、そんなことは」

「じゃあ、やってみろ!」

挙句の果てに強制労働。大丈夫なのか、大介? 土地の所有者に許可は取ってあるのか?

「バカヤローッ、そんなへっぴり腰でカリフォルニアの砂漠が耕せるか!」



急に暴れん坊将軍になった大介は、巨大ミミズに悲鳴を上げる女子にも容赦しません。

「向こうにはガラガラ蛇だっているんだぞ!? しっかりしろっ!!」



いきなりシャツを脱ぎ、この日のために鍛え上げた筋肉と脇毛と黒い乳首を見せびらかしながら、大介はヘロヘロになった中学生たちを叱咤し続けます。

「夢ってのはな、ただの夢で置いとく分にはそれでいいが、実現させようと思ったら血の出るような努力が必要なんだ! 汗を流すのを惜しんでたら、夢を掴むことなんか出来やしないんだぞっ!!」

その通りです。本来ならそれを、大人になって実際にチャレンジして思い知るべきだけど、犯罪に走ってしまった彼らには今、荒療治で解らせるしかない。大介はそう判断したんでしょう。

「第一、未成年者が外国に出るには両親の許可が無ければパスポートも下りやしないんだ!」



そんなことも知らなかったんでしょう、ガキンチョたちはとうとう泣き崩れるのでした。

これもいつの間に用意したのか、水筒の水をガキンチョたちに飲ませてやる大介に、リーダー格のシゲルが泣きながら言います。

「僕、決していい加減な気持ちでみんなを引っ張って来たんじゃないんです! ホントに真剣だったんです! でも……間違ってました。僕のせいで、みんなが……みんなが!」

心から反省した様子のシゲルを見て、ようやく優しい顔に戻った大介は、黒い乳首を見せつけながら言います。

「若いのにすぐ諦めんなよ。いくらだって時間はあるんだ」



改心し、自分たちがオトリになって犯人逮捕に協力するとまで言うガキンチョたちを、家庭裁判所送りにならないよう情状酌量してやって欲しいと願い出た大介に、岩下課長はほっぺたを膨らませながら反対します。

「バカ野郎、そんなことが出来るか!」

「彼らは命を狙われる危険を冒してまで証言しようと言ってるんですよ!? 我々警察は証言だけを貰って、あとは知らんフリというワケですかっ!?」



また急に暴れん坊将軍になった大介の剣幕に、課長のほっぺもみるみる萎んでいきます。

「……分かった。この件はオレが責任を持つ」

「課長! 有難うございます!」

そんなワケで、あとは真犯人を逮捕するだけ。わざと事件現場の公園でローラースケートするシゲルたちを、爆弾を搭載したラジコン飛行機がヒッチコック映画よろしく襲って来るんだけど、大介が愛銃COLTパイソンで撃ち落とし……



変装して潜んでた愛住署の刑事たち(なぜか嘱託医の淳子まで!)によって、真犯人はみごと逮捕されるのでした。未成年者たちをオトリに使って、もし万が一失敗してたら、大介に脅されて許可しちゃった課長の人生が終わってましたw



「大事なことを教えてくれて有難う」

最後にはガキンチョたちに頭を下げられ、センセイ気分に酔いしれる黒乳首サンバ男なのでした。



これが本来の『走れ!熱血刑事』なんですよね。かなり学園モノ寄りの青春アクションドラマなんです。

当時、学生役の若手俳優たちはビックリするくらい演技がヘタでしたから、現在の感覚で観ると学芸会みたいで鑑賞に耐えないんだけど、今回のガキンチョたちは悪くなかったし、内容も共感できるもので良かったと思います。

夢を抱くと言えば聞こえがいいけど、突き詰めればそれはただの現実逃避だったりする。まだ幼い子にそれを自覚させるのは残酷だしツラいことだけど、あえてその役目を引き受けた刑事・大介くんは、乳首こそ黒いけどカッコ良かったです。

が、どうせなら水沢アキさんの乳首が見たかったし、見せるべきでした。


 


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『走れ!熱血刑事』#23

2022-01-31 16:55:07 | 刑事ドラマ'80年代

史上最もダサいタイトルの刑事ドラマ (だと私は思う)『走れ!熱血刑事』は1980年11月から1981年6月まで、テレビ朝日系列の月曜夜8時枠で全26話が放映されました。

日テレ火9枠の『警視ーK』と同時期に勝プロダクションが制作した作品で、警視庁・愛住署 (っていう署名も絶妙にダサい!) に勤める主人公=山本大介に扮したのは、あの『暴れん坊将軍』の……って言うより今じゃ『マツケンサンバ』のって言った方が通りのいい、我らが松平健サマ!



そして刑事ドラマ史上最も滑舌の悪いボス=岩下課長に扮したのが、宍戸錠!



無理してワイルドを気取る「ジュニア」こと速水刑事に、荒木しげる! '80年代の刑事ドラマに必ず1人はいたバイク乗り「マー坊」こと佐々木刑事に、阿部敏郎! 夜明けの刑事にして明日の刑事のいぶし銀「テツさん」こと中村刑事に、坂上二郎! そして現場を仕切る「チーフ」こと戸塚主任にアヤパンの父、竜崎勝!



さらに定番「お茶汲み」枠の制服婦警=虎子に渡辺千恵乃! そして健サマにホの字でボインぼよよんな鑑識課員 兼 嘱託医の淳子に、水沢アキ!



……といったレギュラーキャスト陣でスタートした『走れ!熱血刑事』は当初、金八先生の社会的ブームに迎合したのか、少年犯罪ばかりを扱う学園ドラマテイストの番組でした。

が、主人公を中学教師に設定した『ウルトラマン80』と同じように低視聴率の刑を食らい、同じように途中からハード路線に切り替えるも、やっぱり同じように最後までパッとしないまま終わっちゃいました。二番煎じ三番煎じで成功した例なんてほぼ皆無だろうに、なんでわざわざ同じ轍を踏んじゃうのか理解に苦しみます。

とはいえ、今となってはその超絶にダサい番組タイトル、学生を演じる若手俳優たちの大根演技、そして『コドモ警察』の鈴木福くん並みに舌っ足らずな宍戸錠さんのボスっぷり等々、あの時代でしか味わえないカルトな魅力を感じなくもありません。

今回ご紹介するのはガキンチョが登場しないシリーズ後半の第23話。ストーリーはともかくとしてゲストが素敵だったので取り上げました。

そのゲストとは、日テレの『お笑いスター誕生!』で注目されたばかりで恐らくドラマ出演は今回初だったと思われる、イッセー尾形さん。当時のクレジットは「イッセイ・尾形」でした。



☆第23話『おかしなおかしな目撃者!』

(1981.5.25.OA/脚本=高際和雄/監督=松島 稔)

信用金庫が武装強盗に襲撃され、駆けつけた制服巡査(大柴享介)が射殺されます。大柴享介っていうのは当時、勝新太郎さん主宰の勝アカデミーに所属した若手俳優。後のルー大柴さんです。



ちなみにルー大柴さんと仲良しの小堺一機さんも同じ勝アカデミーの第一期生で、やはりこの時期、菅原文太さんの刑事ドラマ『警視庁殺人課』にゲスト出演されてました。お二人とも本来は俳優志望だったんですね。

それはさておき、この強盗事件の目撃者として自ら名乗りを上げたのが、イッセー尾形さん扮する青木正平。

ベテランのテツさん(坂上二郎)がかつて、亡くなった大事な人(たぶん恋人)の弟なもんで面倒を見てたんだけど、生まれついての「ホラ吹き」でさんざん手を焼かされたのが、今やええ歳のオッサンになった正平なのでした。



そのテの「ホラ吹き」が登場すれば、だいたいストーリーは想像つきますよねw ご他聞に漏れず、正平もさんざん嘘をついて刑事たちを振り回した挙げ句、本当に殺人現場(強盗犯たちの仲間割れ)を目撃しちゃうんだけど誰にも信じてもらえず、口封じで消されそうになっちゃう。

で、ただひとり彼を信じようとした大介(松平 健)がパトカー仕様のスーパージープ(これも微妙にダサいw)で駆けつけ、カーチェイスの末に強盗犯を半殺しにするのでした。



命乞いをする犯人を見下ろし、健サマは言います。

「平気で人殺しを重ねておいて、自分の命だけは惜しいのか? 勝手なこと言いやがって!」

一見さわやかな顔をして、本性はやっぱ暴れん坊将軍のサンバ男なのでした。

「もう二度とこんな眼に遭いたくない。生まれ変わったつもりで真面目に働くよ」

さすがに懲りた正平は、テツさんと大介にそう誓うんだけど、数日後。たまたま競馬場で二人と再会した正平は、どう見てもイカサマのノミ屋で生計を立ててるのでしたw



定番の「狼少年」ストーリーで、恐らく本来は正平も中学生ぐらいの設定だったところを、路線変更とイッセー尾形さんの起用に合わせ、こんな形に変更したんじゃないかと推察します。

大正解ですよね! 正平を演じるのがイッセー尾形さんじゃなければ、きっとカスみたいな話になってましたw イッセーさんお得意の一人芝居に加え、元コント55号=二郎さんとの軽妙な掛け合いまで見られて、これはカスどころかお笑い文化の歴史において貴重な資料と言えるかも?

そんなイッセーさんはじめ、当たり前だけど皆さんホントにお若い! すでに亡くなられた方も少なからずおられて、時の流れをあらためて痛感させられます。


 

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『太陽にほえろ!』#447ー2

2022-01-14 23:50:04 | 刑事ドラマ'80年代

〜前半のおさらい〜

妊娠中の令子さん(長谷直美)がアパートのドアを開けたら、そこにズブ濡れの志賀勝が立っていた! きゃあああぁぁぁーーーっ!!!

かつて逮捕した傷害犯の矢沢(志賀 勝)が出所し、職が決まるまで泊めて欲しいと言って来たもんで、困り果てたロッキー(木之元 亮)は顔を毛むくじゃらにしながらも受け入れます。

ところが矢沢はなかなか職を決めずアパートに居座り、ロッキーの留守中にその「顔面凶器」で令子さんを驚かせ、うっかり(?)怪我をさせてしまう! 矢沢の目的はもしかして、ロッキーへの復讐なのか!?



令子さんが負傷したと聞き、ロッキーは慌てて病院へ駆けつけますが、幸い大した怪我じゃありませんでした。

謝罪する矢沢に、ロッキーは言います。

「間違えたんだから、仕方ないだろう」

「……ホントに、そう思ってくれますか?」

「ああ。ここはオレが替わるから休んでくれ」

ロッキーはまだ矢沢を信じてるみたいだけど、怪我させられた令子さんはたまったもんじゃありません。



「私、あの人が灯り消したの、わざとだと思う」

「ええ? なぜ?」

「……なぜだか分かんないけど」

「分かんないって、お前……ワケも無くそんなバカなことする筈ないだろう? オレが憎いならオレを襲う筈だし、お前が狙いなら襲うチャンスはいくらでもあった筈だ。そうだろ?」

「でも……そんな気がするの」

「…………」

もちろん、令子さんの方が正しいに決まってますw アホのロッキーは、矢沢が病院の公衆電話で、竜神会の親分にこんな報告をしてる事にも全く気づきません。

「言われた通り、上手くやったつもりですが……」

『ご苦労さん。もうじきカタがつく。お前は早く消えろ』

「あ、そうスか。それじゃ失礼します」

やっぱり! 職探しにモタついてロッキーをさんざん振り回したのも、挙げ句に令子さんに怪我させたのも、全て計算ずくだった!

矢沢は恐らく、組を抜けて足を洗う条件としてその役目を授かった。しかしいったい、なぜ竜神会はそんな事を?

「どこへ電話してたんだ?」

病室から出てきたロッキーにツッコまれ、さすがに矢沢も慌てます。

「あ、いや……クニの親戚です。やっぱりオレ、クニに帰ります」

「ええ? どうしちまったんだよ、急に」

「いや、それはですね……旦那や奥さんに迷惑掛けちまったから……」

「矢沢!」

ほら来た! いくらお人好しと言ってもロッキーは刑事です。矢沢の焦りを見逃さない筈がありません!



「な……なにか?」

「結局……オレはあんたに何もしてやれなかった。すまなかったな」

なにぃーっ!?w ホントにまったく、どこまでお人好しで毛むくじゃらなんだロッキー刑事ぃーっ!?

「……いえ、気にしないで下さい。それじゃ……」

「おいちょ待てよ!」

おっと、ほら来た! 今度こそ! そそくさと立ち去ろうとする矢沢を追いかけ、ロッキーがふところから取り出したのは拳銃? それとも手錠?



ロッキーがふところから取り出し、矢沢に手渡したのはなんと、数枚のお札でした。たぶん、なけなしの小遣い全額です。

「クニでいい仕事見つけろよ。な?」

「…………」

やっぱり最後まで矢沢の正体に気づかない、果てしなくお人好しなロッキー刑事なのでした。



一方、竜神会VS響組の動きを探ってた藤堂チームは、海外逃亡した筈の殺し屋=高岡(浜田 晃)が東京に舞い戻ったらしいという情報をキャッチ。恐らくそいつが響組の大幹部を暗殺するに違いない!

「あっ、こいつ……あいつだ!」

高岡の手配写真を見てロッキーが驚きます。なんとアホのロッキー、3日前に新宿で高岡と顔を合わせてたのに、それが誰なのか思い出せないまま忘れてたのでした。

「おいちょ待てよ、ロッキー。3日前と言えば……」

そう、矢沢という名の志賀勝がズブ濡れになってロッキー宅を訪ねて来たのは、ちょうどその日の夜だった!

「ヤツがお前にまとわり付いたのは、それを思い出させない為だ!」

う〜む、ちょっとムリを感じる設定ではあるけど、意外とヤクザってのは姑息で用心深い人種ですから、決して有り得ない話でもないと思います。

「矢沢、あの野郎おぉぉぉーっ!!」

今さら怒り出すロッキーに、冷静なボス(石原裕次郎)が言います。

「待て。今は矢沢より高岡だ」

そう、敵の狙いが判ったからには、全力で阻止するのみ!



ここはトットと進めましょう。高岡の狙撃地点を先読みした藤堂チームは、可能性のある場所を全員で徹底マーク。ドック(神田正輝)&ロッキーのコンビがいち早く高岡を発見し……



見事な連携プレーで暗殺を阻止! 二大勢力の全面戦争はひとまず不発に終わりました。

けど、高岡を捕まえたところで、彼が自白しなければ竜神会との繋がりは証明出来ず、火種はくすぶったまま。プロの殺し屋が口を割るとは到底思えません。

「あいつが証言してくれたらなあ……」

ロッキーはふと、パチキ入りパンチパーマ男の怖い怖い顔を思い浮かべながら、退院した令子さんをマイ・スイートホームへと送り届けます。

するとどうでしょう! アパートの階段にちょこんと、一度見たら一生忘れられない、あのパチキ入りパンチパーマが!



「矢沢! お前、なんで此処にいるんだよ!?」

駆け寄るロッキーに、矢沢は気まずそうに、申し訳なさそうに、そして恥ずかしそうに言います。

「いや、なぜだか……変な方向に足が向いちまって……」

「変な方向?」

「これ……買って来ました」



矢沢がおずおずと差し出したのは、安産祈願で有名な「水天宮」のお守り。令子さんが欲しがってたのを、矢沢はちゃんと憶えてたのでした。

「これで勘弁して下さい」

「矢沢……」



きっと矢沢は、竜神会の企みも洗いざらい証言してくれる事でしょう。彼を最後まで信じ抜いたロッキーのお手柄です。



『太陽にほえろ!』としては異色のサイコ・スリラーかと思いきや、実は極めて『太陽〜』らしいヒューマン・ストーリーでした。

根っからの悪人はいない。現実はそうとも言い切れないと私は思うけど、そうであって欲しいっていう願いをドラマに込めるのは「あり」だとも思います。

これは何げに名作ですよね! なんつっても志賀勝さんが一世一代のハマり役!

同じ「顔面凶器」系のアクターでも、例えば小沢仁志さんだとこの感動はたぶん生みだせない。ただイカツいだけじゃなく、素朴さとか哀愁なんかも同時に感じさせる、志賀勝さんが演じてこその感動だと思います。

今、志賀さんの代わりが務まるアクターって見当たらないですよね。昭和を代表する名優のお一人だったと、しみじみ思わずにいられません。


 

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