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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『DIVER/特殊潜入班』2020

2020-09-24 00:00:15 | 刑事ドラマ HISTORY










 
2020年の秋シーズン、フジテレビ系列の火曜夜9時枠でスタートした、関西テレビ放送制作による全5話のサスペンスドラマ。大沢俊太郎さんの人気コミック『DIVER/組対潜入班』を実写化した作品です。

☆☆☆☆☆☆☆

急増する犯罪組織に対抗するため兵庫県警に秘密裏に設けられた「潜入捜査」チームがあった。通称「D班」と呼ばれ、悪の組織に潜入する“DIVER(ダイバー)”たち。命を落とす危険と隣り合わせの仕事。

「最強の潜入官」と呼ばれる捜査官・黒沢兵悟は、犯罪者逮捕のためには仲間をも騙し、多少の犠牲もいとわない冷酷非道な「最凶の男」。時には誰よりも善人な顔をし、時には誰よりも情けない姿をさらしているが、それらはすべて“ウソ”。悪に近づき、悪に手を染めながらも、自身の正義で悪を駆逐する。

何が正義で何が悪かー
予想を裏切るノンストップサスペンスが幕を開ける!(公式ホームページより抜粋)

☆☆☆☆☆☆☆

兵庫県警・潜入捜査課D班の若きエース=黒沢に福士蒼汰、自衛隊上がりの新メンバー=佐根村に野村周平、D班の班長を務める組織犯罪対策課の刑事=伊達に安藤政信、プロのハッカー=永宮に浜野賢太、元町の闇医者=皆本に片瀬那奈、組織犯罪対策課の課長に正名僕蔵、そしてD班を影で操る兵庫県警本部長=阿久津にりょう、といったレギュラーキャスト陣。

その顔ぶれを見ただけで若い女子ウケを狙った番組であるのは一目瞭然だし、漫画原作であることも踏まえて、だいたい内容は想像できました。もちろん想定外の面白さにギャフンと言わされることも少しは期待したけど、残念ながら想像の域を1ミリもはみ出ない凡庸なドラマでした。

とにかく全てのキャラクターが一面的で薄っぺらく、魅力が感じられません。特に主人公の黒沢がただのサイコパスにしか見えないのが致命的。

幼少時に詐欺グループによって両親をなぶり殺しにされた恨みから、人を騙す犯罪者は容赦なく騙して破滅に追い込む非情な男って設定なんだけど、その奥底にある哀しみとか怒りが滲み出て来ないもんだから、単にゲームを楽しんでるガイキチにしか見えないワケです。たぶん福士蒼汰くんは哀しみも怒りも表現してるつもりなんだろうけど、残念ながら表情筋が追いついてない。福士くんの演技、はっきり言ってクサイです。

深みが感じられないのは他のメンバーも同じで、それはたぶん創り手が表面的な格好良さしか意識せずに創ってるから。漫画やアニメならそれで成立するのかも知れないけど、生身の人間が演じると実在感ゼロでとにかく嘘っぽい。薄い。軽い。乳首。

少しはアクションも見られるみたいだけど、なにせ女子向けドラマだからアッサリしたもの。今どきのイケメンには拳銃が全く似合わないし、我々オッサンがワクワク出来る要素は1つも見当らない。唯一、神戸を舞台にしてる点のみ連ドラとしてはユニークだけど、初回を観る限りだと横浜でも東京でも代わり映えしません。

『MIU404』の記事に「このジャンルはまだ死んでない」って書きましたけど、8割はもう死んでます。優れた脚本家をゲットした作品とそうでない作品との格差が凄まじいことになってます。

やっぱりお先真っ暗で、破滅です。
 

コメント (3)
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『俺たちはあぶなくない』2020

2020-09-20 00:00:02 | 刑事ドラマ HISTORY










 
『クールにさぼる刑事たち』というサブタイトルがついてます。2020年の秋シーズン、毎日放送といくつかの関東ローカル局の深夜枠「ドラマ特区」でスタートした、毎日放送&TBSスパークルの制作による30分ドラマ。

☆☆☆☆☆☆☆

令和2年。日本人の多くにも、令和の生き方というものが身についてきた頃だろう。令和の生き方とはずばり“コスパを重視”すること。昭和の刑事は熱かった。平成の刑事は下り坂でも世のため人のために踏ん張った。でも令和の刑事は、見切っている! これからの自分の未来と平和のために戦うのだ!

人生百年時代の若者は、あぶない橋を渡らない。己のライフスタイルを守るのが彼らの正義なのである! そう、このドラマは全く“あぶなくない刑事”を描く、新時代のポリス・コメデイである!

(公式ホームページより抜粋)

☆☆☆☆☆☆☆

警視庁・麻布中央警察署に勤める、ラクして出世することしか考えてない世渡り上手の若手刑事=高野心に鈴木伸之、その相棒で推理力抜群なのに転職したくて仕方がない若手刑事=世中渡に佐野勇斗。

そんな2人を許せない先輩刑事に矢野聖人、その相棒に猪野広樹、刑事課長に井上肇、署長に近江谷太朗、そして高野に高級スイーツと引換えに情報を提供する内勤婦警=宇和佐好江に三吉彩花、といったレギュラーキャスト陣。

バディー物の刑事ドラマがやたら続きますが、そのうち『MIU404』と『キワドい2人』は本作と同じTBSスパークルが制作に絡んでおり、何か意図があっての連作と思われるので、世間で流行ってるワケじゃなさそうです。

その中じゃダントツで『MIU404』が面白かったけど、後は日テレの『未満警察』も含め「なんだかなあ」と言わざるを得ないものばかり。連ドラにとって脚本がいかに大切かをあらためて痛感します。

この『俺たちはあぶなくない』は、刑事物なんか好きでも何でもない若いクリエイターたちが、呑み会の席で「こんな刑事が主人公だったら面白くね?」「新しいんじゃね?」「若いイケメンにやらせたら可愛いんじゃね?」「女子にウケんじゃね?」みたいに盛り上がったものを、酔いが醒めないまま実行して世間に出しちゃった、みたいな企画だと私は感じました。

要領のいい主役コンビがいつもサボってるのを、運が悪すぎる刑事って設定の矢野聖人くんが何とか暴こうとするんだけど、やることなすこと裏目に出て結局は彼らに手柄を立てさせちゃう、ってなパターンをどうやら毎週繰り返すみたいです。

確かにイケメン好きの女子たちにはウケるかも知れないけど、そんなのは別に新しくも何ともない。今まで誰もやらなかったのは思いつかなかったからじゃなくて、やっても大して面白くならないことを皆が分かってたから。まあ、酔った勢いで創っちゃったなら仕方ありません。

矢野くんの運が悪すぎるっていう描写にしても、こっそり犯人に近づこうとしたら知り合いに「あ、刑事さん」って声を掛けられちゃうという、誰でも思いつくようなネタを初回だけで2回も使ってる。繰り返し(天ぷら?天丼?)のギャグだとしても発想が貧困で、アイデアを練りに練った結果とは到底思えません。酔っぱらってる人達に文句言っても仕方ないんだけど。

なにより解せないのは、そんな安易としか言いようがない番組に、三吉彩花さんが決して大きくない役でレギュラー出演されてること。矢口史靖監督の大作映画で主役を張られたメジャー女優さんが、一体なぜ? 酔った勢いで引き受けちゃったとしか考えられません。

そんなワケで、こんなドラマに三吉彩花さんが出てる!ってこと以外には、特に見所はありません。やっぱり仕事はシラフでやらなきゃいけないっていう教訓です。
 


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『キワドい2人―K2―』2020

2020-09-12 23:50:17 | 刑事ドラマ HISTORY










 
2020年の秋シーズン、TBS系列・金曜夜10時「金曜ドラマ」枠でスタートした、TBSスパークル&TBSの制作による刑事ドラマ。横関大さんの小説『K2/池袋署刑事課 神崎・黒木』をドラマ化した作品で、我々を大いに楽しませてくれた『MIU404』の後番組です。

東京・池袋警察署の刑事課強行犯係に配属された心優しい新米刑事=神崎隆一(山田涼介)の相棒となった、先輩刑事=黒木賢司(田中 圭)は犯人逮捕の為なら手段を選ばないハミダシ者であるばかりか、尊敬してやまない元敏腕刑事の父親=神崎賢造(椎名桔平)の隠し子、つまり見知らぬ異母兄弟だった!

強行犯係の統括係長=末長に八嶋智人、女性刑事=木村に江口のりこ、その相棒刑事=諸星にジェシー、事務担当婦警=美空に奥山かずさ、ガールズバー店員=彩乃に関水渚、といったレギュラーキャスト陣。

明るい作風でアクティブで、主役2人のキャラクターは『俺たちの勲章』の松田優作&中村雅俊をちょっとだけ彷彿させるものがあり、決して悪くはないんだけど、前作『MIU404』がスタートした時みたいなワクワク感は、残念ながら露ほども感じられませんでした。

それは予告編を観た段階でほとんど100%予測してたので、ガッカリもしなければ腹も立ちません。むしろ予想が外れなくてホッとしてますw

この作品にはワクワクしないだろうと予測した最大の要因は、たぶん主役の山田涼介くんにあります。別に嫌いなワケじゃないけど、なにしろ彼はジャニーズ事務所の若手アイドルなんです。(Hey!Say!JUMPというグループに所属)

ついでに、江口のりこさんの相棒役を演じるジェシーとかいう子もジャニーズの若手(SixTONESというグループに所属)。つまり、ジャニーズ事務所の息がかかった番組だということです。

私は決して、ジャニタレだからといって差別したりはしません。二宮和也くんや大野智くん、草なぎ君に稲垣君など俳優として好きな人も少なからずいます。

ただ、ジャニーズが絡んだ番組は、どうしても似たような内容になっちゃう。観なくてもだいたい予想出来ちゃうワケです。

その理由はたぶん、ジャニーズ事務所が所属タレントの出演番組に対して課す、細かい注文やら制約が作品の個性を殺しちゃうから。

例えば、ジャニーズの若手アイドルが演じる役は、家族想いの優しい青年でなくちゃならない。ふだんはヘタレでもここ一番で勇気と底力を発揮する(つまり母性本能をくすぐる)タイプでなくちゃならない。恋をしてもだいたいフラレるし、基本的に暴力は振るわない。そしてどんなキャラであろうと清潔である、etc、etc……

もちろん例外はあるでしょうけど、コメディータッチの刑事物における若手ジャニーズの役柄って、だいたいどれもこんな感じだった印象があります。そうなると共演者たちのキャラ付けもだいたい決まってしまい、自ずと似たり寄ったりの内容になっちゃうワケです。

似たり寄ったりでも面白ければ文句無いんだけど、若手ジャニーズの優しさを強調する為に、どうしても人情寄りのストーリーになっちゃうのが頂けない。

ジャニーズが相棒刑事と異母兄弟だった!なんて設定、別に要らんやろって私は思うんだけど、家族の絆という泣かせ要素をどうしても盛り込みたかったんでしょう。そこは原作通りだろうから事務所の指示じゃないにせよ、いかにもジャニーズ好みの設定とストーリーってなワケです。

それでも、脇を固める八嶋さんや江口さん、椎名さんたちの力量である程度は楽しめそうだけど、私が毎週観たくなるだけの吸引力は残念ながらありません。

セクシーショットは、主役コンビの恋のお相手となりそうな関水渚さんと奥山かずささんです。
 


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『未満警察/ミッドナイトランナー』2020

2020-06-29 00:00:06 | 刑事ドラマ HISTORY










 
2020年6月、日本テレビ系列の土曜夜10時「土曜ドラマ」枠でスタートしたジャニーズドラマ。日本テレビ&AX―ONの制作で韓国映画『ミッドナイト・ランナー』のリメイクなんだそうです。

警察学校に通う理論派のジャニーズ(中島健人)と肉体派のジャニーズ(平野紫耀)がコンビを組み、事件に巻き込まれ、解決させていくという、ジャニーズによるジャニーズファンの為の番組。

つまりジャニーズファンを喜ばせる事だけを考えて創られたドラマですから、私が楽しめないのは当たり前で、あれこれ文句を言うのはナンセンスだしお門違い。ジャニーズタレントがお好きな方は存分にお楽しみ下さい、としか言いようがありません。

警察学校の助教に吉瀬美智子、元プロファイラーの教官に伊勢谷友介、刑事に中村ゆり、原田泰造、生徒たちに大幡しえり、竹内愛紗、傳谷英里香etc…といったレギュラーキャスト陣。セクシーショットは傳谷英里香さんと中村ゆりさんです。
 


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『MIU404』2020

2020-06-28 00:30:06 | 刑事ドラマ HISTORY










 
2020年6月、TBS系列の金曜夜10時「金曜ドラマ」枠でスタートした、野木亜紀子さんのオリジナル脚本による刑事ドラマ。制作はTBSスパークル&TBSテレビ。

待ってました! 4月スタートの筈が新型ウイルス問題で2ヶ月以上も延期され、もしかしたら幻に終わるのでは?なんて心配してたけど、待った甲斐あった!と思える上々の滑り出しを見せてくれました。

なにしろ、脚本が『重版出来!』『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』等を手掛けられた野木亜紀子さん。ハイクオリティーなドラマになることは保証されてます。

とはいえ、いくら野木さんでも打率10割とは勿論いかないワケで、キャストとの相性とか色んな問題でしっくり来ない場合もあり得ます。特に今回はマンネリジャンルの王様=刑事物ですからハードルはより高いと言えましょう。

仮に出来が良くたって、イケメン刑事がただ突っ立って謎解きするだけの内容だったら、私は容赦なく叩いただろうと思います。でも、予告編を観た段階でそんな心配は吹っ飛んだし、実際に初回を観たら期待を上回る出来映えでした。

初動捜査のプロフェッショナルである「機動捜査隊」が24時間というタイムリミットの中で事件解決を目指すさまをアクティブに描いた内容で、本作に登場する「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」は働き方改革に基づいて結成されたという架空の部署。タイトルにある「MIU」とは機動捜査隊を指す「Mobile Investigative Unit」の略称であり、「404」とは主役の2人を指すコールサイン。

で、かつては捜査一課にもいた優能な刑事=志摩(星野 源)が遺憾ながらもMIUに配属され、これから相棒となる新米刑事=伊吹(綾野 剛)について事前リサーチしてみたら、聞こえてくるのはロクでもない噂ばかり。だけど皆が口を揃えて「足だけは速い」というw

そんな冒頭シークエンスで掴みはバッチリでした。笑えるし、はみだし者の新米刑事がここぞ!って場面で「走る」展開が予想される、つまり私が刑事ドラマにいつも求める『太陽にほえろ!』的アプローチが期待できるワケですから。

そして志摩と伊吹がコンビを組んで最初のパトロールで「あおり運転」をして来るバカが登場。志摩が「無視しろ」と言うのも聞かずに伊吹がわざとバカを挑発し、あおらせて検挙に持っていくくだりで私はハートを鷲掴みされましたw こういう刑事をずっと待っていた!

そしてそのバカが殺され、犯人はそいつより更に悪質な「あおり運転」常習者であることが判明。通常ならMIUは初動捜査だけを担当し、後は所轄に引き継ぐのがルールなのに、一刻を争う状況となって404コンビは捜査を続行、犯人を見つけだし、街中でカーチェイスを展開!

そして更に! 通行人を巻き込みそうな逃走車を止めようとして、404覆面車が派手に横転大破! なおも逃げていく車を追って、伊吹が取り柄の俊足をここで披露! まさに「ここぞ!」っていうタイミングです。

クラッシュの瞬間はCGが混ざってるみたいだけど、それでも久々にカーチェイスが見られたのは嬉しいし、何より車を追って全力疾走する刑事なんて、令和どころか平成の時代にもいなかったかも知れず、私はあんまり嬉しくて涙が出ましたホントに。

その瞬間、2020年のナンバー1ドラマは『MIU404』にほぼ決定しましたw 少なくとも刑事物ではダントツ一番間違いなし!

もちろん、ただ車を壊せばいいってもんじゃないし、ただ無闇に走ればいいってもんでもない。何度も書くように「ここぞ!」っていうタイミングが重要で、そこに至るまでのプロセスといい、この第1話に限って言えばパーフェクトでした。

タッチは明るいし各キャラクターも魅力的だし、小道具の使い方も伏線の回収も言うことなし! エクセレント!

機動捜査隊の日常をリアルに見せるテクニックにも私は感服しました。現実はどうであれ、リアルだと感じさせてくれさえすれば、それで良いんです。現実通りに描いたところで面白くなけりゃ何の意味もない。これはドラマなんだから。

このスタッフ陣は信頼できます。ウイルス対策がクオリティーに影響しないかどうか、唯一それだけが心配だけど、この人達なら何とかしてくれるでしょう。もちろん欠かさず観ます!

脇を固めるキャスト陣は、警視庁刑事部長の我孫子警視監に生瀬勝久、第4機動捜査隊の班長を務める陣馬警部補に橋本じゅん、その相棒となる若手キャリア=九重警部補に岡田健史、そして第1&第4機動捜査隊の隊長=桔梗警視に麻生久美子、といった面々。そんなワケでセクシーショットは麻生さんです。
 

コメント (5)
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