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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『帰ってきた あぶない刑事』

2024-06-01 23:33:11 | 日本映画

6月1日 土曜日、宣言通り『帰ってきた あぶない刑事』を観て来ました。午前中にかかりつけの心療内科と整骨院をハシゴし、そのまま愛車を飛ばして県庁所在市にあるショッピングモールのシネコンまで片道約1時間20分。

昼食を採る時間があるかどうかのタイトスケジュールにせざるを得なかったのは、途中で山道があるから日暮れ前に帰りたかったのと、日曜は日曜で外せない用事があるから。鑑賞料金が安い1日(映画の日)に行ったのは“たまたま”です。

ショッピングモールなんぞに出かけたのは昨年の『インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル』鑑賞以来のことで、あの時もまったく同じことを書いたかも知れないけど……楽しそうに買い物したり遊んだりしてるファミリーやカップルたちの姿を見ると、年中同じ場所で同じルーティンを繰り返してる介護施設の老人たちの顔が頭をよぎって、泣けて来ちゃうんですよね。

当然、自らの意思で入居してきた人はおらず、認知症で「帰りたい」「どうすれば外に出られるの?」って毎日聞いてくる人が何人もいる。介護職員をやってると「大丈夫、明日帰れるように段取りしてあるから」なんて大嘘つくことにも慣れて、罪悪感が麻痺しちゃう。

あらためて、精一杯いたわってあげたくなりました。そんな気持ちを取り戻す為にも、自分自身がリフレッシュする日は絶対に必要だと思いました。

『帰ってきた あぶない刑事』と全然関係ないこと書いてますが、私の勤める施設に入居してる人たちの大半は90歳を越えており、それを思えば舘ひろし=73歳、柴田恭兵=72歳なんて、まだまだ若い!



普通なら「70代でこのカッコ良さは奇跡だ!」って書くところだけど、介護職員である私の感想はひと味違いますw まあ、自分よりひと回り以上も歳上の人たちがハードアクションをこなしてるのはやっぱり凄いけど、カッコ良さに関しては持って生まれた才能でしょう。だからスターになれるワケで。



さて、本題ですが……作品を観た感想は、5月19日の記事『M10 大下勇次モデル』に頂いた「驕りと怯え」さんのコメントと、ほとんど同じ。

手抜きするつもりは無いけど……いや、正直言って完全に手抜きだけどw、ネタバレを避けながら作品の魅力を的確に伝えて下さった「驕りと怯え」さんのコメントを、まずはコピペさせて頂きます。

☆☆☆☆☆☆☆

『帰ってきたあぶない刑事』観てきました。私の感想を一言でまとめますと「面白かった!また観たいよ」です。

上から目線の言い方になりますが、監督をはじめ制作スタッフを若返らせたことが──どうせなら脚本家もそうして欲しかったかもですが──功を奏し、“根っこに浪花節がある昭和の刑事ドラマ”が令和の時代に合わせて見事にブラッシュアップされてたと思います。もしかしたら一本の映画としての完成度は歴代劇場版で一番かもしれません。

正直言って私は今までのあぶデカ映画にノイズ──いい加減さや違和感や無駄──を多く感じてたのですが、嬉しいことに今回はそれがほとんどなかったです。

・全体的に話運びがスムーズで「あれ、ここもたついてません?」ってところが一箇所か二箇所くらいしかなかった。

・今回初めて登場するゲストキャラに余計な人がいなくて、従来のメンバーにそれぞれ見せ場があった。仲村トオルさんは格好良かったし、浅野温子さん──彼女を出さないわけにもいかないが誰も何も言えないんでしょうな──の狂態にもストーリー上の意味が一応はありました。

それにもちろん主演の館ひろしさん達は素晴らしかったです(初めて柴田恭兵さんのアップを見たときはビックリしましたが)。お二人の年齢を考えますと、あのスタイルの良さと色気、身のこなしは本当に驚異でしょう。

スクリーン映えする“画”もたくさんあり(横浜ってあんなに夜景がキレイな街だったンだ)、アクションシーンもそれぞれ不自然さがなくキッチリ盛り上げてくれ、何より嬉しかったのはBGMの選曲! ここでこの曲が来ますか〜って何度かウルっときました。

おそらくは子供の頃にTVシリーズを見て育ったのだろう若い作り手達のあぶデカへの愛情とリスペクトが伝わってくる素敵な映画でした。本当に観て良かったと思います。

☆☆☆☆☆☆☆

以上の素晴らしいコメントが、CATVの放映を待てばいいと思ってた私を「居ても立ってもいられなく」させたワケです。驕りと怯えさん、有難うございます。おっしゃる通りでした!

その時のレスにも書きましたが、かつて番組を観て育った人たちの方が、当時のスタッフよりも「ファンが本当に求めてるもの」をよく解ってるんですよね。特撮ヒーロー物がそうであるのと同じように。



BGMの選曲については、恐らくこのシーンや最初の銃撃戦あたりのことを仰ってるんでしょう。そこはもうハッキリ書いちゃいますが、前作『さらば あぶない刑事』では(主題歌&挿入歌を除いて)いっさい使われなかったTVシリーズのBGMが今回、再録音されて使われてる! そりゃ昔からのファンは痺れますよ!

で、これもネタバレになるけど、エンディングの主題歌が『冷たい太陽』じゃなく『翼を拡げて』だったのも良かった!(私はそっちの方が好きなんです)

だから『さらば〜』と『帰ってきた〜』が対になってる感じがして、もし続きをやるなら(ヒットしてるから多分やるでしょう)映画じゃなくTVシリーズにして欲しいって一瞬思ったけど、ビデオ撮りの『あぶない刑事』はあり得ないからやっぱ映画ですね。

いずれにせよ、今回のヒロイン=土屋太鳳さんは必ず再登場させて欲しい!



『帰ってきた〜』が『さらば〜』より良かった最大のポイントは、土屋太鳳さんにあると私は思います。『さらば〜』のヒロイン役=菜々緒さんに落ち度は無いけど、演じたキャラクターに魅力が無かった。

そこは今回の脚本を担当された大川俊道さんの功績と思われます。岡芳郎さんとの共作ではあるけど、やんちゃな女の子は大川さんの十八番ですから。

あと、町田課長(仲村トオル)の部下すなわち港署捜査課の刑事として、西野七瀬さんがキャスィングされたのも良かった!



そりゃもう、オリジナルのヒロインである浅野温子さんがあんな事になっちゃいましたからね。そういや木の実ナナさんもついにフェードアウト。言っちゃ悪いけど、お二人共もう出なくていいと思います。今回、温子さんが登場した瞬間に観客が“ドン引き”する空気を確かに感じました。

『さらば〜』のときに柴田恭兵さんが、主要キャラクターたちがまるで『サザエさん』のタラちゃんみたいに成長しないのも『あぶデカ』の面白さだと仰ってて“言い得て妙”だと思ったけど、さすがに温子さんはもう……



ほか、吉瀬美智子、岸谷五朗、杉本哲太、早乙女太一etcといったゲスト陣が登場し、レギュラーキャストは前出4人を除くとベンガルさん、長谷部香苗さんの2人だけになっちゃいました。


PS. またネタバレになるけど、恐らく『インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル』と同じ技術により、'80年代の姿に若返った鷹山&大下も見所のひとつ。今回の復活に『インディ〜』が与えた影響は少なくないかも知れません。




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『さらば あぶない刑事』

2024-05-29 21:45:13 | 日本映画

今週末に『帰ってきた あぶない刑事』を観に行きます。5月19日の記事『M10 大下勇次モデル』に届いた「驕りと怯え」さんからのコメント=さっそく観に行かれての熱すぎる感想を読んで、居ても立っても居られなくなりました。

件の記事に「諸事情あって劇場へ出かけるのは難しい」と書いたのは、平日は仕事でヘトヘトだから当然ムリだし、土日は認知症の母が家にいて放っておくワケにいかないから。映画館がすぐ近くにあれば何とかなるけど、なにせ田舎暮らしなもんで映画1本観に行くだけでも半日がかり。

だけど、裏技がある。母には申し訳ないけど、介護施設でのショートステイを今週だけ延長してもらえば、土日は自由に動ける。当然2日分の料金が上乗せされるリスクも伴うけど、たまには私だってガス抜きがしたい!

そんなワケで、今回はプロローグ。旧ブログ(変態事務局に封印されました)にて2016年2月にアップした、前作『さらば あぶない刑事』の感想記事を(少しばかり修正と注釈を加えて)以下に再掲載します。





やっと観に行けました。公開から1ヵ月近く経っても上映中なのは、けっこうヒットしてる証拠ですよね。

最近のシネコンは客の入りが少ないとすぐ打ち切りますから、地味だけど良質……みたいな作品がクチコミでヒットすることは、まず有り得ない。宣伝面で有利なTV局映画の一人勝ちで、内容の良し悪しは関係ないワケです。破滅です。

この『さらば あぶない刑事』も典型的なTV局映画で、主要キャストの皆さんが過去に無い露出度でプロモーションに励んでおられたので、ヒットして当たり前と言えば当たり前。

だけど、今回はギャグを抑えてハードボイルドな作風に回帰してるって言うし、鷹山(舘ひろし)&大下(柴田恭兵)の定年退職直前の3日間を描いたストーリーってのも面白そうで、内容面にも期待が持てました。

やっぱり自分が若い頃に楽しんだドラマの(今度こそ)完結編だし、映画秘宝のムック「にっぽんの刑事スーパーファイル」発売にも背中を押されました。

思えば、私が愛した「刑事アクション」というジャンルの、日本においてこれが最後の作品になるワケです。いや、日本だけじゃなくて、ハリウッドでもポリスアクション物はかなり減ったように思います。

『さらば あぶない刑事』イコール「さらば 愛しき刑事アクション」。本当の意味での刑事ドラマは、これで完全に絶滅しました。

そういう意味でも感慨深いし、年齢を重ねた鷹山&大下は、実に味わい深くなってます。この映画、良かったですよ! 期待以上でした。観に行った甲斐がありました。



まだ公開中(2016年2月当時)ですからストーリーには触れないでおきますが、とにかく既に還暦を越えてる舘さん&恭兵さんの、昔と変わらない切れ味鋭いアクションを見ただけで、なんだか胸が熱くなるワケです。正直言って涙が出ました。



そして、敵役の吉川晃司さんがまた素晴らしかった。実にハードで凶悪で格好良くて、作品世界をピシッと引き締めてくれました。面白いアクション映画の絶対条件です。



鷹山の恋人を演じた菜々緒さんも良かった。いくつ歳が離れてるのか知らないけどw、あの若さで、あの舘ひろしの相手役がサマになるんだから相当なもんです。

課長になった透(仲村トオル)も歳を重ね、ボケ役にも深みが出て来たし、最大の問題児である薫(浅野温子)も、今回はシリアスな展開の中で程良い息抜きの役割を果たしてくれたように思います。



我々もあの怪演に慣らされちゃったし、今や大ベテラン女優となった温子さんが相変わらずの狂騒ぶりを見せてくれるのには、むしろホッとしたりもして。

「あぶデカらしくない」とも言えるシリアスな展開の中でただ1人、いつも通りの薫なんですよね。今さらシリアスに(というか普通の人間に)戻ろうとしてもムリだし。

ここまで全てを好意的に受け止め、素直に楽しめるようになったのは、私自身が歳を取ったせいもあるかも知れません。お馴染みのキャストが年齢を重ねた姿に共鳴しちゃうんですよね。

そして『あぶデカ』の長い歴史の裏側に、自分自身が歩んで来た年月の記憶があるワケです。



何しろ、同じキャストで丸30年ですよ! 『太陽にほえろ!』や『西部警察』がいくら復活したところで、メンバーを変えちゃったら全くの別物。何の感慨もありません。

同じキャストで(ブランクはあれど)丸30年っていうのは、ほとんど奇跡です。ちょっと他に例が無いんじゃないですか?

そんなワケで『さらば あぶない刑事』、私は存分に楽しめました。楽しんだし、刑事アクションというジャンルとの惜別に今、ちょっと感傷的な気分も味わってます。



☆2024年5月の追記。

そのあと小栗旬くんが頑張って『BORDER』と『CRISIS』で刑事アクションドラマの進化型を見せてくれたから、決して「絶滅」したワケじゃなさそうだけど、一世を風靡したと言えるのは『あぶない刑事』がやっぱり最後でしょう。

8年ぶりの復活に関しては「驚かなかった」とM10の記事に書きましたが、この『さらば〜』の記事を読み返すと感傷に浸ってる自分がちょっと恥ずかしいですねw

ちなみに『さらば〜』は鷹山&大下がニュージーランドで探偵事務所を開設して幕を下ろしました。つまり正確には、透が予告編で言ってる通り新作で帰ってくるのは“あぶない探偵”です。

コメント (2)
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『あの頃。』

2023-07-11 22:12:23 | 日本映画

2020年に公開された、今泉力哉 監督による日本映画。ベーシストで漫画家の劔樹人による自伝的コミックエッセイを実写化した作品です。

舞台は2003年の大阪。大学院受験に失敗し、他にも色々あって落ち込んでた主人公(松坂桃李)が、当時のスーパーアイドル「あやや」こと松浦亜弥のPV『♡桃色片想い♡』をたまたま観て、衝撃を受けます。



で、すぐさまCDショップに駆け込み……



あややコーナーにかぶりついてたら、ハロプロ(当時のあやや、モー娘。などが所属するアイドル事務所ハロー!プロジェクト)オタクの店員に声をかけられ、ファンサークル「ハロプロあべの支部」のイベントに誘われちゃう。



私が楽しめたのは、ここまで。このテの作品は、登場人物にどれくらい共感できるか次第。

私はアイドルのPVを観て泣いた経験は無いけど、エンタメ作品に激しく衝撃を受け、どっぷりハマっていく気持ちは痛いほどよく解る。

けど、そこから先の展開にはまったく共感できませんでした。

この主人公(つまり原作者自身)は、すぐさま「ハロプロあべの支部」のメンバーたちと仲良くなり、ツルむんですよね。



いつも同じメンバーでツルんで、ふざけ合いながら「追っかけ」をし、打ち上げでまたふざけ合う。

そりゃあ楽しいだろうけど、学生の同好会みたいなもんで、本気でアイドルを応援する気持ちよりも「気の合う仲間とツルんでたい」気持ちの方が強そうに、私の眼には写っちゃう。

それを否定はしないけど、同じオタクでも私とはまったく違う種類のオタクだから、感情移入できない=内容がつまんないって事です。

ましてや、そのメンバーで「恋愛研究会。」なんてバンドを始めたり、同じ女の子を取り合ったりする「青春」描写には禁断の「倍速視聴」で対応せざるを得ませんでした。

決して悪くはない。ただ、自分とは対極にいる(いた)人たちがふざけ合ってる姿を延々と見せられても、心が動かないんです。あくまで私の場合は。

そんな映画をわざわざレビューした理由は、これ。



なんと、握手会のシーンに松浦亜弥さんが登場! まさか『インディアナ・ジョーンズ』最新作の私みたいにデジタル技術で若返った!?

……と思いきや、現役ハロプロアイドルの山﨑夢羽さんが演じてるのでした。似てる! (俗に『ハロプロ顔』というカテゴリーがあるらしい)



けど、アップになるとやっぱり違う。違うけど、仕草や表情をめちゃくちゃ研究&練習されたであろう、そのご努力を、ここんとこの「あやや特集」の締めとして讃えさせて頂きます!

というワケで今回のセクシーショットは山﨑夢羽さんと、主人公と恋仲になりそうでならない後輩を演じられた、中田青渚さん。



それぞれ「やまざき ゆはね」「なかた せいな」と読みます。今どきの子らの名前(の読み方)がホントに難しい! 正直めんどくさい!

けど、お二人とも素晴らしいお尻をされてるので無問題です。👍


 


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『スケバン刑事/コードネーム=麻宮サキ』

2023-06-18 16:35:07 | 日本映画

2006年に公開された、深作健太監督による東映配給の日本映画。言わずと知れた和田慎二原作の人気コミックを実写化したシリーズの、今のところ最終作。

1980年代に斉藤由貴、南野陽子、浅香唯らが扮したスケバン刑事=麻宮サキを、グループではなく単独で爆発的に売れたアイドルとしては史上最後の人であろう「あやや」こと松浦亜弥が演じてます。



そして超合金ヨーヨーでサキと渡り合うライバルで、実は同じ「マッポの手先」だった裏切者=秋山レイカ役に「モーニング娘。」の元メンバーにして当時「美勇伝」のリーダーだった、石川梨華。



「美勇伝」は「モー娘。」や「あやや」らの所属する「アップフロントプロモーション」が当時売出し中だった3人組ユニットで、あとの2人=三好絵梨香と岡田唯も主要キャストとして出演してます。



そして初代「麻宮サキ」と思われるサキの母親として斉藤由貴が特別出演するほか、刑事崩れにして暗闇機関のエージェント=騎村に竹内力、桑田佳祐そっくりな指令役=暗闇警視に長門裕之、敵のラスボスに窪塚俊介、といったキャスト陣が脇を固めてます。



この作品は10年以上前にレンタルDVDで初鑑賞、そしてこないだ東映チャンネルで二度目の鑑賞となりました。

初鑑賞時は「あややが歴代スケバン刑事の中で一番サマになってる」のは良いけど肝心のストーリーが「気絶するほどつまんない」っていう感想でした。

久々に観れば印象が違うこともよくありますから、それを期待しながら今回観直したワケだけど、感想はやはり寸分違わず同じでしたw



歴代に比して「あやや」のスケバン役はサマになってて、演技も上手いもんだから「ギャップ」の面白味が無くなったことも大きいけど、それより何より「深作健太監督のセンスと演出力の無さ」が致命傷レベルだと言わざるを得ません。

皆さんご存知でしょうが、深作健太は親の七光りでいきなりメジャー大作(お父上が大ヒットさせた『バトル・ロワイアル』の続編)を任された二世監督で、確かそのときも演出力の無さを叩かれた筈だけど、コネが何より物を言う芸能界ですから、こうしてセカンドチャンスが貰えるワケです。

初鑑賞時の私は、その世界からドロップアウトして間もない頃でしたから、ひがみの感情も多分にあったと思います。だからこそ、あの世界に対して何の感情も抱かなくなった今なら、もしかすると楽しめるかも?って。

けど、そんな感情はいっさい関係なかった。つまんないものはつまんない。ただそれだけ。

我ら昭和世代とは感覚が違うゲーム世代の監督が、それより若い観客に向けて創った作品だから、オッサンには理解できないんだろ?って、健太は言うかも知れない。けど、キミより若い監督が創った作品でも面白いもんは面白いって、ちゃんと理解も評価も出来ますから!

そもそも、この作品が大コケし、アップフロントプロモーションの時代は終わったような印象を世間に与えてしまった(と私は思う)結果が、何より全てを物語ってます。



クライマックスのアクションシーンで、麻宮サキをセーラー服じゃなくバトルスーツで闘わせたこともバッシングされてたけど、そんなのはごく些末なこと。ストーリーさえ面白けりゃ観客は真逆の反応をした筈です。

東映さんが監督のチョイスをもっと真剣に検討していれば、結果は大きく変わってたかも知れません。そう思わせるだけの力を、松浦亜弥さんや石川梨華さんはちゃんと持ってました。

特に松浦亜弥さんに関しては、今や懐かしグッズになっちゃったムック「刑事マガジン」の2006年号で、お世辞や忖度にはいっさい縁が無さそうな竹内力さんと長門裕之さんが「芝居勘が抜群にいい」「ある意味バケモノ」「俺なんかどうでもいいから、とにかくあややを観てくれ」って絶賛されてますから!



そんな彼女の魅力どころか『スケバン刑事』というBIGネームバリューさえ活かせず、どんな作品でも常に褒めどころを見つけてきた私にさえ「気絶するほどつまんない」と言わしめた深作健太の罪は計り知れないって、久びさ登場の宮藤官九郎さんが言ったとか言わないとか。

自慢したいだけで書きますけど、私はかつて人気絶頂期の松浦亜弥さんと一緒にお仕事させて頂いたメモリーがあるもんで、正直やっぱり、恨みの感情が入ってます。

あややは本当に凄かった! そんな逸材の勝負作を、親の七光りだけの凡才に任せてしまった日本映画界にこそ、深い深い恨みがあるワケです。


 


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『スキマスキ』

2023-05-18 16:22:03 | 日本映画

『女の穴』『ちょっとかわいいアイアンメイデン』の吉田浩太 監督&脚本による、2015年公開の日本映画。『うさぎドロップ』等で知られる宇仁田ゆみさんの人気コミックを実写化した作品です。

なぜか「スキマの先にある何か」に強く惹かれ、いつでもどこでもスキマがあれば覗かずにいられない、アホすぎるチェリーボーイの建築科大学生=ヘイサク(町田啓太)が、向かいのアパートに住む「スキだらけ」な女の子の私生活を、ついつい覗き見しちゃう背徳な日々を送ってる。



そんなヘイサクに、同じ大学に通う心理学科の女学生=文緒(佐々木心音)が声を掛けて来て、親しくなる。向かいのアパートの子と何だか似てるんだけど、まさか?と思いながら飲み会終わりに送って行ったら、やっぱり向かいのアパートに住んでいた!



そう、ヘイサクはアホすぎて今まで気づかなかったけど、自分の部屋から文緒の部屋が見えるということは、文緒の部屋からもヘイサクの部屋が丸見えで、とっくに彼女は覗かれてることに気づいてた!

しかも、文緒は心理学科の研究レポートとして、夜な夜なヘイサクの私生活をカメラで盗撮してたのに、彼はアホすぎて全然気づいてない!



お互い、相手の部屋を覗いてることを隠しつつ惹かれ合うんだけど、バイセクシャルである文緒の元カノ(中村映里子)の介入によって全部バラされちゃう。



それでも「スキ」が止まらない2人は、いよいよチョメチョメに至るのでした。



「あ……なんか、ちょっと入った」

「どこに?」

「……壮大なスキマに」

「ふふふ……さすがスキマフェチ」

「あ、いや……」



「……ヘイサクくんは、このスキマから生まれてきたんだよ。このスキマをこじ開けて、その先に何があるんだろうって……そう思いながら這い出てきたんだよ」



つまり、記憶に残るはずがないその時の光景が、彼をスキマフェチにしちゃったのかも?って話だけど、だからってどうという事はありませんw

出逢いのシチュエーションこそ変わってるけど、『女の穴』『ちょっとかわいいアイアンメイデン』で描かれた倒錯の世界&屈折しまくった恋愛に比べれば、遥かに口あたりのよい青春ラブストーリー。

劇団EXILEの町田啓太くんが主役だし、これは女子向けの映画というかメジャー志向な作品で、吉田浩太監督の広いキャパシティを感じます。



私は屈折してないラブストーリーには興味が無いんだけど、ヒロインの佐々木心音さんがとても魅力的に描かれてるし、もちろん脱いでくれてるし、町田啓太くんもEXILEにしちゃ凄く演技が達者だしで、まったく退屈せずに観られました。

吉田浩太監督は、あの城定秀夫監督にも引けをとらない、ピンク系映画の名手と見て間違いなさそうです。

セクシーショットはもちろん佐々木心音さん。豊満なおっぱいが注目されがちだけど、おしりも抜群に素晴らしいです!


 


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