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ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

「日本美術の鉱脈展」

2025-08-22 23:31:52 | 美術鑑賞
「未来の国宝を探せ! 日本美術の鉱脈展」 2025 6/21-8/31 大阪中之島美術館
〔休館日〕月曜日  〔開館時間〕10:00-17:00 7/18-8/31の金土・祝前日は、19:00まで

 いまだ知られていない作者、作品が埋もれている。その鉱脈を掘り起こし、今後の日本美術史に定着していくことを目標とする展覧会。大風呂敷だが、目の付け所がいいね!何より絵についたコピーがキャッチ―でおもしろかった。ちょっと奇想天外を狙った感はある。

伝岩佐又兵衛「妖怪退治図屏風」

右 円山応挙「梅鯉図屏風」
左 伊藤若冲「竹鶏図屏風」
若冲・応挙の合作屏風 さすがの二人。上手い。

伊藤若冲「釈迦十六羅漢図屏風(デジタル推定再現)」 白黒の写真からカラーに再現。
近づくと升目描きがよくわかる

●式部輝忠、雪村周継が上手い、いい。名前を覚えておこう。若冲みたいにバズるかも。
●「築島物語絵巻」 字が上手いのに絵が下手というコピーそのもの。まだ私の方が絵が上手いと思わせる下手さ。でも、なんかかわいい。

白隠慧鶴「大黒天鼠師槌子図」 味がある

●原田直次郎「素戔嗚尊八岐大蛇退治画稿」 なんで犬の顔が画面に飛び出す???


加藤智大「鉄茶室徹亭」 全部、鉄でできている。豊臣秀吉の黄金の茶室の対照的な美意識を体現したものらしい。

山口晃「携行折畳式喫 茶室」 重い鉄の茶室と反対に軽い茶室。「もし、利休が現代に生きていて、急ごしらえで茶室を作ったら」という発想から作ったとか。


●長次郎「黒楽茶碗 銘俊寛」 重要文化財。中が茶色。いい。

加藤信清{五百羅漢図} 蜘蛛の糸みたいに吊っている?

●加藤信清「阿弥陀三尊像」 字で阿弥陀さまを画いているのだが、字が小さすぎて見えないよう。

安本亀八「相撲生人形」 リアル

●初代宮川香山「褐釉蟹貼付台付鉢」 重要文化財。蟹が本物みたい
●安藤緑山「竹の子に梅」 本物にしか見えない。
●不染鉄「山海図絵(伊豆の追憶)」 富士山を中心に太平洋側と日本海側が描かれているのが不思議だが、違和感なし。なんで?
●牧島如鳩「魚籃観音像」 観音様の横にはマリア様に天使?イワシの大漁祈願のために描かれたもの。福島の漁協に飾られていたが、栃木県の足利市立美術館に寄託。そのため東日本大震災を免れたという。よかった。

人体文様付有孔鍔付土器 重要文化財。本当に縄文時代のもの?ポップなんですが

深鉢形土器(殿林遺跡出土) 重要文化財。文様がお洒落。

●会田誠「火炎縁雑草図」「火炎縁蜚蠊図」 薄緑の美しい雑草図。そして、広い画面に一匹だけゴキブリ。この人は、上手いのに何なんだ???

西尾康之「アルファ・オメガ」 大きくて迫力

岡﨑龍之祐「JOMONJOMON」 なんか格好いい。





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「土田ヒロミ写真展」

2025-08-21 22:33:56 | 美術鑑賞
「土田ヒロミ写真展 ヒロシマ・コレクション-1945年、夏。」 2025.6.28-9.7 中之島香雪美術館
休館日:月曜日  開館時間:10時~17時
懐中時計 長男が父親に贈ったもの。父親は肌身離さず持っていたとか。原爆が落ちた時間をさしている。

 1995年に開館した広島平和記念資料館は、被爆後に残された人々の遺品や破壊の惨状を示す資料を収集・保管・展示している。写真家土田ヒロミは、1982年から約400点もの資料を継続的に撮影してきた。それぞれの写真には、資料にまつわる短い文がついている。
 自然と涙が流れていた。それぞれの未来が断ち切られる無念や悲しみ。痛かったろう。辛かったろう。遺体が見つからなかったことも多かったようだ。あまりにも多くの人が亡くなったが、一人一人に命があったように、物にもそれぞれエピソードがある。
 引っかかったのは、懸命な看護で一命をとりとめたという文。皆、懸命に看護したと思う。助かったのと助からなかったのとの差はなんだったんだろう。そう思うとやりきれない。
 こんな悲劇は二度と起こしてはいけない。見るべき写真展。

ワンピース 
被爆当時来ていたもの。母親が娘のために縫ったもの。

軍靴 「八月三十日死」の文字が辛い。

金庫内で焼けた弁当箱 家庭用の金庫の中でもこんなになってしまう。なんで、弁当箱を金庫に入れたのかな。

眼鏡 頭蓋骨の眼窩に半ば溶けて付着していた。

頭髪 21日頃、母親が死線をさまよう娘の髪を梳くとほとんど抜け落ちる。母は、死を覚悟し、髪を形見として遺そうとした。娘は奇跡的に回復。・・・よかった。

異形の爪 窓から出していた左手が強力な熱線で焼ける。その傷がもとで爪の一部が異常に増殖。この爪が折れた後も黒い爪が生え続ける。変形した爪には血管があり、出血するため爪が切れなかった。

溶けた仏像 爆風で台座が吹き飛び、火災で前面が溶けてなくなっている。

茶釜 母の遺骨を拾って茶釜に入れ、持ち帰った。

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『異形のヒグマ』『女の国会』

2025-08-18 20:26:55 | 
『異形のヒグマ OSO18を創り出したもの』 山森英輔 有元優喜 講談社
 66頭の牛を襲撃し、神出鬼没、姿を見せない「忍者グマ」とも称されたOSO18は、23年夏にあっけなく意外な場所で射殺されていた。著者2人は2年にわたりOSO18の生態を調査、伝説のハンターたちとともにOSO18を追い続けた。ヒグマとの駆除か共生かで揺れる人間社会と、牛を襲うという想定外の行為を繰り返した異形のヒグマがなぜ生まれたのか、これから人間は変貌し続ける大自然とどう向き合えばいいのかを問う 
 OSO18。牛を次々に襲うクマ。なんとも恐ろしい名ではないか。実は、OSO18という名は、最初の被害現場オソツベツと前足跡の幅18cmから命名されたのである。へ?そうなの?
 エゾシカが増え、駆除した死体を置きぱなしにしたことから、肉の味を覚えたのではないか?まだ若く体が小さかったため牛を仕留めきれず、次々に牛を襲ったのではないか?
 そもそも私たちが勝手に恐ろしい大きなクマを想像していたのではないか?人と自然の共生は難しい。
 とにかく、ハンターの推理が見事なので、今度はハンターが書いた本を読んでみたい。

『女の国会』 新川帆立 幻冬舎
 野党第一党の高月馨は窮地に追い込まれた。敵対関係にありつつも、ある法案については共闘関係にあった与党議員・朝沼侑子が自殺したのだ。「自分の派閥のトップも説得できていなかったの? 法案を通すつもり、本当にあったの?」
死の前日の朝沼への叱責が彼女を追い詰めたのではないかと批判が集まり、謝罪と国対副委員長の辞任を迫られてしまう。だが、長年ライバル関係を築いてきた高月には朝沼の死がどうも解せない。朝沼の婚約者で政界のプリンス・三好顕太郎に直談判し、死の真相を調べることに。
 おもしろかった。後半はあっと驚いた。伏線回収も気持ちよかった。
 圧倒的な男社会で奮闘する女性議員。あの手この手の嫌らしいやり口を切り抜ける姿には喝采。  
 実は、大学の同期で集まってランチをした時に「昭和の男」というキーワードが出た。自分中心に世界が回っていると思っている「昭和の男」(って自分たちの配偶者なんだけど)の悪口で盛り上がった。でも、育児にタッチしなかった「昭和の男」と違い、「平成の男」は育児に自然とかかわっている。時代は変わりつつある。
  女子供は格下と思っている「昭和の男」は、厄介だが、がんばる彼女たちにエールをおくりたい。


 
 
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JR灘駅南側広場のアート作品

2025-08-17 18:40:49 | 美術鑑賞
 兵庫県立美術館の帰り、灘駅前。過去の六甲ミーツアートの作品や神戸ゆかりの作家の作品が展示されていた。いいね!
岡田健太郎<白い景体 -White landscape object-> 私のイチオシ

吉田延康<空き瓶 sky bottle -Kobe-> 瓶の中の青が海のようでもあるし、ボトルシップのようでもある

三松拓真<Mothership> 神戸で市電が廃止になり、広島にやってきたんだそう。

金愛子<共生> ギリシア彫刻の服のドレープのよう。左腕?に蝶々がのっている。

さとうりさ<あべちゃん、なんかついてるよ> かわいい
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「藤田嗣治X国吉康雄 二人のパラレル・キャリア-百年目の再会」

2025-08-17 16:56:14 | 美術鑑賞
「藤田嗣治X国吉康雄 二人のパラレル・キャリア-百年目の再会」 2025年6月14日-8月17日 兵庫県立美術館
開館時間:10時-18時 休館日:月曜日


 同時代を生き、藤田はフランスで、国吉はアメリカで活躍した二人。戦時中では、藤田は戦争画を描き、国吉は反戦的な絵を描く。交わるようで交わらない、パラレル(平行)のような二人のキャリアという視点が秀逸だった。

二人の自画像がそれぞれ人となりを表しているみたい
藤田嗣治<自画像> 

国吉康雄<製作中>

左 藤田嗣治<美しいスペイン女> 黒い服で白い肌が際立つ
右 国吉康雄<誰かが私のポスターを破った> いろんな意味にとれる


藤田嗣治<姉妹> アイボリーの肌

藤田嗣治<二人の祈り>二人は藤田夫妻

藤田嗣治<室内> 何気ないけど好き

国吉康雄<鯉のぼり> 鯉が大きい

●国吉康雄<幸福の島> いろいろと意味深
●藤田嗣治<横たわる裸婦と猫><眠れる女> 黒い背景に白い肌の女体が雪山のように見える
●藤田嗣治<猫のいる静物> 鳥を仕留めようと狙う猫。静物より目立っている。
●国吉康雄<西瓜> 熟れすぎた西瓜の赤が血のようにみえる
●国吉康雄<逆さのテーブルとマスク> 所蔵していたアメリカの美術館は、ピカソの習作を購入するために売ったのだとか。微妙なバランスで成り立つ静物。
●藤田嗣治<私の夢> 横たわる女性の周りに猫がいて、涅槃図のよう。
●藤田嗣治<植物のなかの裸婦> 美しい。神話っぽい。
●藤田嗣治<ラ・フォンテーヌ頌> 動物たちが擬人化されて物語の挿絵のよう


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