はなもくブログ

平成元年、仙台に重層的なヒューマンネットワークをと結成された、異業種交流会「仙台はなもく七三会」の活動を紹介します。

再開後初めての朝会 5月12日

2011-06-24 21:23:41 | 例会案内/報告
 5月12日は再開後初めての朝会でした。東北学院大学地域地域構想学科の柳井雅也教授をお招きして、「東日本大震災の現状と課題」についてのお話をお聞きしました。講演中の写真を撮影し忘れ、終了後の名刺交換時の画像で、申し訳ありません。

 大震災は大学の土樋キャンパスで遭遇、建物被害は大きいが、振幅が小さいことと地盤がよかったのでそうたいしたことはなかった。東京の人は浜通りのイメージでとらえていて、ステレオタイプで見がちだ。阪神淡路大震災とも状況が違うし、誤った政策にならないように提言していきたい。

 経済地理学は実学を空間的に展開していくもの。宮城県の復興基本方針では「壊滅的被害から復興モデルを構築する」として、大津波でも被害にあわないまちづくり、復興はおおむね10年間としている。産業については水産業は強い経営体づくり。農業は大規模な土地利用や効率的な営農方式、被災企業の操業再開支援も進める内容。



 これらについては水産業の集約化は可能か、農業については地産地消など宮城の顔が失われていかないか、東北の持ち味は何かという地場産業の復興をどうするかが課題。また現在は被害が大きいため防災視点が強調されているが、産業振興の視点が弱くなっている。

 まとめとして、上から話が降りてきているため各地の特性を踏まえた議論になっているのか、まちづくりと住居移転や産業振興が分離していないか、震災特区など大胆にプロジェクトを投入しマネジメント視点が弱いのでは(たとえばスマートシティなど)、コミュニティビジネスやPFIなど「民の力」を支援しとりこむ施策が弱いのではと指摘された。

 被災状況など、映像ではわからない“本当の姿”の解説するとともに、復興政策を包括的に問題提起し、商業活性化の視点が抜けているという指摘など、震災後2ケ月で対応に追われているなかでは、目を開かれ考えさせられた内容でした。