4日前の9月13日(火)に、エディンバラから空路ロンドンに戻り、
霊柩車で午後8時数分過ぎにバッキンガム宮殿に帰還した故エリザベス女王陛下。
翌14日(水)にはウエストミンスター・ホールへと運ばれました。
女王陛下にとってこれで本当に最後となる、バッキンガム宮殿からの出発です。
棺の出発は、午後2時22分というハンパな時間でした。なぜこの時間に決められたのかを、私の知る限りでは王室は公式には発表していません。
まさか、女王陛下が息を引き取られた時刻だった・・・なんてことは、ありませんよね?
ザ・マル大通りを北東へと進む、女王陛下の棺。
棺の上に鎮座するのは、大英帝国王冠です。69年前の戴冠式の際にも被られた王冠。
女王陛下の4人の子供たちと王室のシニア・メンバーの男性陣が、棺の後を歩きます。
軍務を離れたアンドリュー王子(次男)とハリー王子(孫)はスーツ姿。
軍隊式の敬礼の際は二人は、敬礼する代わりにうつむきました。
ウエストミンスター・ホールって聞いたことなかったので、調べてみました。
端っこに立つビッグ・ベンでお馴染みの、英国議会の議事堂として使われている古めかしい豪奢な建物が、ウエストミンスター宮殿。
ウエストミンスター・ホールはその一部で、木造であるにもかかわらず1834年の火災の際に、焼失を免れたのですね。
女王陛下の棺がウエストミンスター・ホールに到着し安置されサービスが終わると、一般公開が始まりました。
9月16日(金)の晩には、エディンバラの聖ジャイルズ大聖堂のときと同様、女王陛下の4人の子供たちが、Vigil of the Princes を行いました。
その際はアンドリュー王子も、特例として軍服を着用することを許されたそうです。
ちなみに棺を常時守っている兵士さんたちは、20分ごとに交代するそうです。そりゃそうですよね、あんな風にうつむいて微動だにせず
立っているなんて、20分が限度ですから。
公開安置された女王陛下の棺に最後のお別れをするため、長蛇の列をつくる人々。
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弔問を希望する一般市民の行列は長蛇の列になることが予想されましたが、準備万端だったのか、大きな不便も混乱もなく進んでいるようです。
飲料水補給所やトイレや救急手当をする医療チームの位置などを含んだ、英国政府による弔問者のための行列情報ページです。
駅や街頭のデジタル掲示板でもチャックできるようですね。
長い待ち時間をものともせずにひたすら待ち続ける人々をサプライズ訪問し感謝する、ウィリアム皇太子とチャールズ国王。
今晩(9月17日土曜日)は午後6時から、ウィリアム皇太子を先頭にした女王陛下の8人の孫たちが、Vigil (棺の守り番?)を約12分間、行いました。
ウィリアム皇太子(40歳)から時計回りに、アン王女の長男ピーター・フィリップス(44歳)、エドワード王子の長男ジェームズ(14歳)、
アンドリュー王子の次女ユージェニー(32歳)、ハリー王子(38歳)、アンドリュー王子の長女ベアトリス(34歳)、
エドワード王子の長女ルイーズ(18歳)、アン王女の長女ザーラ・ティンデール(41歳)。
アンドリュー王子同様ハリー王子も、軍服の着用を許されたようです。
8人て、棺の周りにきれいに配置できて、良い数でしたね。と、ヘンなところに感心。
さて、Lying in state って聞き慣れない言葉ですよね。
国家元首のような重要人物が亡くなったあと、一般市民が敬意を表せるよう、葬儀までの間に、
棺の内部あるいは外部に安置された遺体を、一般公開することのようです。
英国での Lying in state の歴史はわりと浅くて、過去にウエストミンスター・ホールで行われた Lying in state はというと:
1898年 - ウィリアム・グラッドストーン元首相
1910年 - エドワード7世
1936年 - ジョージ5世 (エリザベス女王の祖父)
1952年 - ジョージ6世 (エリザベス女王の父君)
1953年 - メアリー王妃 (エリザベス女王の祖母)
1965年 - ウィンストン・チャーチル元首相
2002年 - エリザベス王太后 (エリザベス女王の母君)
70年前のエリザベス女王の父君の、そして現在進行中のエリザベス女王の、 Lying in state です。
画像の質の違いが、長~い歳月の経過を実感させます。
先ほど、棺の弔問希望者の行列のリアルタイム情報を YouTube でチェックしてみました。
土曜日の午後10時過ぎだったので、行列の最後尾リミット地点であるサザーク・パークまで延びているようです。
あまりにも大人数でさばき切れなくなったため、サザーク・パークの門は、昨日か一昨日、すでに一度閉鎖されています。
待ち時間は最低17時間、外気温は11℃・・・
皆さんどうか、風邪をひきませんように! コロナにも感染しませんように!
さてさて、夜通し頑張っているのは、弔問をしたい一般市民だけではありません。
19日(月)の国葬に向けて、警官や兵隊さんたちも、夜間にリハーサルするんですね。それはそうだわ。
世界一有名な王室の君主が、70年ぶりに崩御されたのですから。全世界の注目が集まるのは必至です。
皆さんお疲れさまです、月曜日は頼みましたよ、頑張ってくださいね!
ちなみにダイアナ妃(1997年)、マーガレット王女(エリザベス女王の妹君/2002年)、エリザベス王太后(2002年)、
サッチャー元首相(2013年)、フィリップ殿下(エリザベス女王の夫君/2021年)などの葬式は、
国葬(State funeral)ではなく儀礼葬(Ceremonial funeral)だったそうです。
国葬は国家元首、あるいはチャーチル元首相のような、国家に非常な貢献のあった余程の重要人物のみに限られるんですね。
2日後の19日(月)にエリザベス女王の葬儀が執り行われるウエストミンスター寺院。
どうか当日が天気に恵まれ、葬儀がつつがなく無事に終わりますように。
* * *
ちなみに19日は特別に、バンク・ホリデーという休日になります。
ビジネスや商店が営業するか否かは、各事業主が判断して決めていいとのこと。
大半の企業も商店も、休業あるいは時短営業するところがほとんど・・・といった感じです。
私もスーパー・テスコからメールをもらいました。
テスコは大半のお店は一日休業しますが、小規模なお店は午後5時から開店するようです。
また葬列の沿道にあるお店のうちの一部は、たぶん見物人のニーズに応えるためでしょう、開店するそうです。
我家の最寄のテスコは休業するようだから、しっかり食料を確保しておかなきゃ。
最長在位期間を達成し歴史をつくった女王陛下の葬儀ですものね。
私は幸い仕事がオフなので、テレビにかじりついて葬儀を見届けようと思います。