あんまの新あそび日記

平凡ではない50代リーマンです
育児に奮闘しマネーの勉強を続け
家庭生活全般の事を書き綴っております

ちゃりんこ

2006年08月27日 | スポーツ健康
先日の猛暑酷暑ウルトラウォーキングに引き続き、新たな冒険を企画した。

『猛暑32キロ金町往復大冒険!!』である。

ウーンこれはきつそうだ。
23キロ歩いた時は水分が足りなくなりホントにやばかった。
今回は『財布』を持って行く事にしよう。
 ウンそうしよう。自販機を使える事は素晴らしいネ。
今回はカミサンもいるので設定をマイルドにする事にして・・・
チャリンコを使用してはいかがでしょう?
 ウンそうしよう。10キロをヘロヘロ歩きすると2時間かかるしネ。

とまぁ、果てしなく弱気に自問自答を繰り返していた。

気が付いたら
『猛暑32キロ金町往復大冒険!!』→『32キロ金町プチサイクリング』
主旨が少々変更されてきたが気にしない事にした。

しかしまぁ結果は同じであった。
自宅に戻る頃にはヘロヘロになっていた。

本日の反省『猛暑での運動は控えよう』
本日の収穫『我が家の近所には梨園が多いね』
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山のトレーニング

2006年08月23日 | 
北アに行く前になるが、ジョギングをした。
『最近はトレーニングもしていないし、こりゃ身体に刺激を与えないとイカン!』
と思ったのだ。

目指すは以前住んでいた街のお寺だ。
分かりやすく言うと中山競馬場の近辺から浦安付近と思ってもらえば差し支えないだろう。余計分かりにくいね。

webで調査したらば片道11.5Km 往復で23Kmだ。
まぁ『荷物も背負ってないし、山で10時間歩くより楽だね♪』なぁんて気軽に考えてスタートした。

平日の朝8:30頃、俺は快調に走った。15分位で3キロ進んだ。
『ナカナカ良いペースだね。あっけなく終わっちまうかも・・・』
なぁんて思っていたのもつかの間、太陽がジリジリ身体を照りつける。
発汗が凄い。気温は32度。
『これは疲労を貯めないように歩こう。ウン。歩こうじゃないか!』
決してチョット疲れたなぁんて認めずに、一人で納得しながら歩き始めた。
歩いたは良いけど、太陽の光が差しまくりで余計暑いぞ。
とチョットゲンナリする。

市川インター付近のネギミソラーメンあたりでもうヘトヘトになっていた。
颯爽とした走りはおろかフラフラの情けない歩きになっていた。
ネギミソラーメンなんて店名は無いのだが『ラーメンショップさつまっこ』を俺はこう呼んでいるのだ。

自動販売機がやたらと目に付いた。『ウマそうだなぁ』『あー飲みてーなぁ』
と思う。
が!
金を持っていない。
持っているのは家の鍵、タオル、・・・・以上だ。
『これは非常にマズイ状態だね。水分補給が出来ないね。HPがドンドン下がってきてるね』
と考えながら、ひたすらお寺に向かって歩いたのですね。

11:00頃お寺に着いた。お墓に水をあげた後、ゴクゴクヌルイ水を飲んだ。
まぁホイミ程度の回復だ。
金があれば100%電車で帰ったのだが、いかんせん10円も無いので、
まぁたこの炎天下の中11キロ以上も走るのだ。イヤ歩くのだ。バカである。
よくもまぁ学生時代は部活で動いていたなぁ。と過去の自分に感心した。

そこでナゼかひらめいたのである!帰りは頭を使っちまいますよ!ヘッヘッヘ♪

と意気込んで郵便局へ直行。。。。無い。
銀行へ行くぜ。。。。無い。
市役所へ行くぜ。。。無い。
無いのだ。冷水機が無い!!!!

ガキの頃の知恵で夏は必ずお世話になった冷水機。
冷たくて美味しい水の冷水機。
どうして無いのだ冷水機。

おーし最後の手段だ!!!!図書館に行くぜ!!

『本日休館日』

泣きそうになりました。
するめの様に乾いた身体で家路に着いたのは13:30だった。

甲斐駒の黒戸尾根を日帰りピストンした時とおんなじ位に辛かった。
分かりにくいね(笑)
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白出沢からの下山

2006年08月20日 | 
朝が来ると外はガスっていた。今日は景色を楽しめないか?とやや不安になる。
急いでテントをしまい、出発だ。今日は奥穂へ向かってから白出沢を下る。

前日のキレット超えの影響で色々な事に対してビビッている自分がいた。
北穂から下って涸沢岳に登るルートはナカナカのダイナミックスリリングコースである。
高度感は大キレットと変わらない。飛騨側からの強風も同じような物であった。
足場が濡れていないのでまだ前日よりは、まだマシであったが、いつもの鎖場より大事に大事に気をつけて通過した。
途中、飛騨側を見下ろすと深い深い崖が切れ落ちている。槍平小屋の小さく赤い屋根が見えた。
なんとか涸沢岳に登頂すると、岩場の難所は終わりである。
通常ならここでホッとする所だ。が、まだ心の中で引っかかる事があった。

テクテク歩きで穂高山荘に降りる。ザックをデポして奥穂ピークへ往復した。残念ながら景色は無し。
奥穂を降りてくると、涸沢岳以降、心に引っかかる恐怖&緊張がドンドン大きくなっていた。
何故なら北穂小屋で『白出沢を下るのは相当危険だ』という情報を聞いていたのだ。
涸沢岳から白出沢をずーっと観察していたのだが、誰も降りていかないのですね。つーかドコを降りるんだよ!て言う位の急斜面であった。


山荘の従業員のネーサンに聞いてみた

俺 『白出沢は降りていけますかね?』

即答で返って来た答えはこうだ。

ネーサン 『あーよく降りていく人が居るのですが、相当危ないので止めた方がイイです。イヤ止めて下さい(キッパリ)』
俺 『大キレットより危ないのですか?』
ネーサン 『鎖場のような危険ではなく、雪渓が滑るのと、道に迷う事が危ないようですヨ』
俺 『・・・・・』

危険だ!と言うのはマジ情報であった。しかし、新穂高温泉に止めてある車はどうしましょ。
この状況で次の選択肢があった。

①上高地に降りてタクシーで新穂高まで行く
→ウーン安全だね。でもそんなお金無いよ。
②西穂に向かってロープウェーで降りる
→大キレットで恐怖を感じた俺みたいなヒヨッコが行けるルートではないネ。
③大キレットを戻り南岳から降りる
→そんな体力ないよ。逆にアブネーヨ。
④白出沢をブッチギル
→雪渓で滑ったら数百m転げ落ちるかも・・・

朝からドンヨリ心に引っかかっていたのは①と④のどちらを取るかであった。
迷っている所へネーサンのキツイ一言。50%くらい上高地に降りる気持ちになった。
が!自分で行ってどれくらい危ないか?確かめないと気が済まない。
決断は④
岩のゴロゴロ道を降りるのだが、モノスンゴイ急斜面をジグザグに歩く。スントの高度計がみるみるウチに下がっていく。
下から登ってくる人が見えて、チョットホッとしたが、すれ違う時に愕然とした。
皆、ゾンビ面で苦しそうなのだ。声をかけても返事がツレナイ。
地図で見ると駐車場から9時間かかるコースなんで、そりゃ半端じゃなく辛いはずである。
更に歩いていると、雪渓が見えてきた。不安が大きくなる。
何人かとすれ違った時にヒロミがおばちゃんに声をかけられた。

おばちゃん 『アイゼン持ってますか?無いと雪渓で危ないらしいですよ』と言う。
ヒロミ 『持っていません』
俺 『そんなに危ないんですか?』
おばちゃん 『私もここを降りようと思ったのですが、あの方に危険だ!と止められたのですよ滑ったら下の方まで一気に落ちるかも・・・』
俺 『・・・・そんなに危ないのかぁ』

ここで一気にブルーな気持ちになった。上高地に下りるかな。と80%傾いた。
俺は、あの方を見上げた。

俺 『雪渓は、どの位の長さですか?1キロ位続きますかね?』
あの方 『そんなには無いけど、500m位はありますよ。気をつけて行きなさい。キックしながらステップしてゆっくり降りて下さいね』
俺 『分かりました。ゆっくりと蹴りながら足場を作って降ります!』

なぁんて言ったもの途方も無く不安になった。
『雪で滑ったら数百メートル滑り落ちる』て事が非常に怖かった。
少なくとも今までの山行で一番ビビッタ時であった。
しかし心の中でこう思った。

『人に言われただけ判断してはイカン。自分の目で確かめて判断しよう!』

と自分の信念を貫きたいと思ったのだ。
更に更に下っていくと何人かにすれ違う。一人のおじさんと挨拶をした。
おじさんは辛そうであったが、フレンドリーに話しかけてくれた。

おじさん 『小屋からここまでどれくらい時間かかりました?』
俺 『30分位ですかね。しかしここのコースを登るのは苦しいでしょう?』
おじさん 『そうだね。ここの急登はすごいネ。この先、雪渓があるけど、気をつけてね』
俺 『やっぱ、雪渓が危ないですかね?』
おじさん 『ウーン。危ないけど、雪が柔らかいから下の方まで滑る事はないと思うよ。ステップを踏んで時間かけて降りると良いよ』
俺 『そうですか。ありがとうございます!!!』

このおじさんに俺は、スンゴイ勇気をもらった。

雪渓の上端に到着した。ざっと3~400m位あるだろうか。思ったより短かそうだ。

とにかくゆっくりと時間をかけて、ステップをガシガシと踏みながら下る事にした。
最初の数分は恐怖があった。
『滑らないように滑らないように!!!』と祈りながら降りる。
が、ズズズーーーーっと滑るのですね。
『滑らないように滑らないように』てぇのが余計危険なんだ。
逆に滑ってしまえ!とストックをピッケル代わりに偽グリセードを行ってみた。
したらば、ズズズー---っと15m位進んだ。ストックのブレーキもなんとか作動したぜ。
ストックのブレーキ制動が利けばこれは下まで行けるぞ!と希望が出た。
ヒロミもトライしてみたが、上手に滑れている。おーヨシヨシ!希望が出てきた。
滑ったり、キックしたりで、150m位進むと、自信も出てきた。これは死なずに降りれるぞ!
しかし考えが甘かった。丁度雪渓の半分位の所まで進んだのだが、ここから斜度が急になっている。
チョイと実験がてらにシリセードをした。これがヤバかった。
滑り方がズズズーではなく、スイースイーーーーーンという感じで速度が違うのだ。よーしここは得意のストックブレーキだぁ!
ガシ!ギュギュギューーーと斜面に突き刺すが止まらないのですね。脚をブレーキに使うのは、それこそ危険だ。
しかしそうこう言ってもスピードが増して行く。ヤバい!ヤバいぞ!!仕方ないのでカカトでチョンチョンと斜面を蹴った。
スピードが落ちたぞ!もう一度カカトをチョンチョン、ガシガシー!と斜面を蹴ってやっとこさで停止できた。
上部を見るとヒロミが50m位上に居た。。。。

『ここではシリセード,グリセードは止めた方がイイ!ゆっくり降りよう!』
50mの距離を稼いだが、そこからは慎重に慎重にキックステップで降りた。途中、雪を避けてガレ場を進んだが、崩落が激しくて歩くのを中止した。
再び雪渓に戻り、ラスト30m位を必死でステップした時!ヒロミが滑ったのだ。俺の後ろから20m程滑り停止した。雪渓下部で雪が少なく危ない所だ。
俺は焦ってヒロミの所まで滑って向かった。ケツに石が当たったのでナカナカ進まなかったが、ヒロミの怪我が無い事を確認してストックを差し出して岩場に誘導した。これはかなり肝を冷やした。
最後にアクシデントがあったが、なんとか雪渓をクリヤした。この山行での難所を大きな怪我無く通過でき心底嬉しかった。
『止めた方が良い!』と忠告してくれた人や励ましてくれた人に『無事通過できました』と報告したかった。

この先はガラガラの岩場を通過し沢を巻いて樹林帯を急降下した。樹林帯が終わると滝の横の水場に出た。毎年思うのだが、アルプスでは水が貴重であり、水場で飲む水は抜群にウマい。すっかりゴワゴワになった頭をジャブジャブ洗った。
都会に帰ると思う。蛇口をひねるとジャーっと出る水に『贅沢な環境だな』とね。
その先はチョットした急峻なルートを通過して、重太郎橋を渡った。この先は緩やかに下る樹林帯だ。危険は無いが、二人とも疲労が蓄積してナカナカ辛い歩きであった。いい加減樹林帯の歩きが飽きてきた頃、水場と小屋を発見した。ついに白出沢出会に到着したのだ。これで無事に車に帰れる!と心底ホッとした。夜のビールまで我慢したかったが、水場でグビグビ水を飲んだ。最高にウマい水であった。

ラストの1.5時間は林道歩きだ。緊張が解けたせいか、脚の豆が急に痛くなった。駐車場に着くと親指の豆が潰れており名誉の負傷となったのであった。

今回の登山は非常に印象に残り、得る物が多かった。
念願の危険ルートの踏破出来た事、雪渓の怖さを知れた事、北穂からの絶景を楽しめた事、
ナゼ上記のような事を得る事が出来たのか?
それは二人で協力しながら、目の前の困難から逃げずに立ち向かえたからだと思う。
一人だったら達成出来なかったかもしれない。
ヒロミを始めとして、山で出会った色々な人に『ありがとう』と言いたい。

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キレット越え

2006年08月18日 | 
南岳小屋への登り
歩き始めて数分で雪渓のある沢に出る。リボンに沿って渡るとその先は長い長い急登であった。
テントを背負ったザックは1年振りの為、登る時のパワーが弱くなっている。
辛い登りで何度も何度も立ち止まる。高度計の高さは増えて行かない。
すれ違う人に『この先は長いですか?』と答えが分かっているのに聞いてしまう。

『まだこれからが急だよ』

と聞いてガックリくるのだ。
しかしまあ歩いて行くと変化もある。後ろを振り返ると笠ヶ岳がデカイ。
2年前に苦戦したクリヤ谷も見える。樹林帯が終わり木道を通過すると岩場に出た。
だいぶ稜線が近づいてきたようだ。しかし自分の脚が前に進まない。
トレーニングをサボっている事が、見事なまでにスパンと結果として跳ね返ってくるのだ。
なんとか頑張って南岳小屋に到着。3.5時間位かかった。

しかし、ここでホッとしていてはイカンのだ。
北穂・奥穂に行くには大キレットと言う難所を通過せにゃイカンのだ。
両脇が数百メートル切れ落ちている細い道を歩いたり壁をよじ登ったりを繰り返す。
途中でエスケープルートがない為、『コエーからやっぱやめた!』と出来ない。
近年でも何度となく死亡事故が起きている。
とまぁ書いたが、登山をする者はなんだか知らんがこのルートに憧れるのだ。
俺も4年前、蝶ヶ岳から見た時に『絶対にいつか行きたい!行ってやる!』と誓ったのだ。
だもんだから、両神山、二子山、妙義山、で鎖の練習もした。ある程度、鎖場の自信はあるのだ。
まぁ練習から相当時間が経ってしまい、日ごろの運動も減り、体重も増え、色々なマイナス材料もあるのだね。話しがずれてきました。
まぁとにかく気合を入れて大キレットに向ったのだ。


大キレットでの降雨
南岳小屋の注意を促す看板に目をやり、キレットを下り始める。

急勾配をくだるが、まだ余裕はあるので、傾斜のスリルを楽しめた。目の前に立ちはだかる北穂の壁がデカイ。
思ったよりも近く感じた。
噂の梯子も恐怖を感じる事なく通過できた。鞍部まで降下すると、稜線歩き。
テクテク歩くのだが、両脇を見ると深くふかぁく!切れ落ちている。
信州側はポカポカ陽気で楽しい。が、飛騨側を通ると強風とその音で強風感を煽ってくる。歩いていると、西の方から雷が鳴っているのが聞こえた。笠ヶ岳の方で黒い雲が見える。『まぁ雨は降るかも知れんが、自分等が北穂に着くまでは雲は来ないだろう。』と他人事のように考えていた。しかしまぁそれから10分位だろうか?雷鳴が大きくなり、だんだんガスが昇ってきた。あっという間に北穂を隠してしまい、雨がポツポツ降り出した。
場所は長谷川ピーク前なんで、チョットした広い場所でカッパを着ようと思い先を急ぎたい。ところが、すれ違いの出来ない所に限って対向者と出会うのだ。
対抗者のおじさんも焦っている様で『雨だ!カッパを着るんだ急げ!』なぁんて言っている。おじさんがカッパを着だしたら通れないでしょ!と、こちらも焦ってくる。
絶壁を背にしてなんとかすれ違い、長谷川ピークを超えた。雨が一層強くなり、足場がすべる。急傾斜の断崖絶壁でこの雨には参った。ヒロミは高度感のある岩場に恐怖が無いのだが、雷、虫、にめっぽう弱いのだ。雷鳴が強くなり、冷静ではなくなっている。更に雨で足場が滑るので、パニクッて泣きそうだ。ピークから少し行った所に雨を避ける事が出来る岩場があった。

『よしカッパを着て停滞しよう!』

時間は12:30だ。3時間停滞しても日没には北穂に間に合うだろう。
急いでカッパを着るが、焦っている為、靴が引っかかってナカナカ履けない。
ヒロミも焦っていて『履けないー履けないー!』と言いながら叫んでいた。

岩場の影で停滞していると精神的にかなり参った。
・まず濡れた軍手が冷えて、体全体が寒くなった。
・雷が光ると同時に雷鳴が大音響で響いた。『バリバリバリー!!!』稲光は縦ではなく真横に走った。ヒロミには強がって『大丈夫だ!』と言っていたが内心ビビッていた。初めて雷で恐怖を感じた。
・もし雨が上がったとしても足場が濡れたので、この先の難所通過に時間が掛かるだろう
・足場が悪いって事は、難所通過は怖いんだろうなぁ。


停滞中に北穂の壁を見上げると、雨の中、登っている人が見える。
スンゴク危なく見えるのだ『大丈夫かなぁ。怪我しないでくれヨ』と心配になった。
南岳方面を振り返ると、ビバークを決めたパーティーが黄色いテントを張っていた。
『テント張る程、長雨になるのか?まだ13:00前だしなぁ。』これを見た時には気分的にゲンナリ来た。
が、自分の判断は長雨にならないと思った。雷雲なので1時間もせずに雨は弱まると思ったのだ。
その為、止んだ時にスグ動けるように構えて気持ちを準備していた。
13:30頃か、まだ雷も光るのだが、音が段々遅れて聞こえてくるようになった。

雨が弱くなってきているので進む事を決断した。
ここからは登りが始まる。上を見上げると北穂の壁が目の前に迫っているように見えた。
天気が良い時は、

『これからここを登るのか!楽しみだぁ』
なぁんて思っていたが、今は違う。徐々に恐怖感が自分の中に出てきたのだ。

『足場が悪いし、絶対事故を起こしちゃイカンなぁ。ヤベーなぁ。』なんて不安が不安を大きくする。
テンションが下がるとパワーも出なくなるのだ。スポーツ選手が『応援してもらって力が出た!』とか言っているけど、あれの逆だね。普段なら、なんでもない鎖が必要以上に怖くなり、登っていても疲れやすくなるのだ。

なんと雨の中降りてくる二人組みに合う。奥穂から来たらしい。ザックは100Lくらいだろうか。
挨拶がてら話をした。
雨の中でここを下るのは相当恐怖があるようだ。死ぬかと思ったらしい。
だったら停滞しなよ!って思ったのだが、停滞して身体が冷えるほうが危ないと思ったらしい。
まぁ停滞する場所もなかったのだろう。
こんな状況で会話をすると、『辛いのは俺等だけじゃないんだ!』と思い、なんだか勇気が沸いてくる。

最難所である飛騨泣きに着くと緊張がピークとなり、腕や脚に力が出なくなってきた。
相変わらず飛騨側からの強風がビュービュー鳴いている。またこの音が恐怖感を煽るのだ。
ヒロミと二人で声を掛け合い、気合を入れなおす。飴を口に放り込み再出発!
必死でびょうと鎖を掴みながら、濡れた足場に気をつけて通過した。
気合を入れなおしたせいか、恐怖は小さくなった。横にかかっている鎖を通過すると、一旦小休止。
いつのまにか雨は上がっていた。来た方角を振り返るとガスが晴れている。
常念がクッキリ見えている。。。

『ウン!?』

なんだか変な感じだ。ガスが無いドコロか空気が澄み切ってスンゲー遠くまで見渡せるぞ!雨が大気を綺麗にしてくれたようだ。
左を向くと笠ヶ岳がクッキリ雄大だ。順番に右に目を移して行くと、黒部五郎、大きな薬師、尖った形は鷲羽か!ホントに黒い色をしている水晶、ドデカク見える南岳と大食岳、おー剱の形がハッキリ分かるぞ!ありゃ!二つ尖っている形は鹿島槍だ!おおおお奥に白馬の特徴的な形が見える!!!もっと右奥に火打&妙高じゃないか!?
手前に戻って燕と大天井と常念が3連荘で見えるぞ!!
『なんだぁ!この景色は・・・』目の前に広がるスーパー絶景。
俺の貧弱なボキャブラリーでは言葉に表す事が出来ない。とにかく『日本なのか?!』と言う様な景色に感動した。
しばらく呆然と眺めていたら、テンションが上がってきた。

もう『ヤベーなぁ』と言う意識は無い。『ヤルゾ!』と言う気持ちになって登り始めた。
ガシガシと岩を掴みながら登って行く。ドンドン登ると北穂小屋が大きくなってくる。
後ろを振り返ると、絶景のメイン『槍』のお出ましだ。テンションは上がる上がる!

『ヨーシ!イクゼ!』

と気合が入るが、今度は腕、脚、に力が入らない。
南岳からの急登と雨のキレット通過でHP(ドラクエ風)を著しく消費したらしい。
テンションは高いが、ペースはノロノロで北穂小屋への急登を這うように・・・イヤ文字通り這って登った。
急にカラカラと言う音が上からした。なんだ!?と思い上を見るとスイカ大の大きさの石が降ってきたのだ。
『落石だラク!ラク!』ちょうど自分の目の前に落ちてきた所で停止した。これには肝を冷やした。
小屋が近付くと小屋のデッキから数名の人がこちらを見ているのが分かった。
俺は力無く手を振った。デッキの数名が大きく手を振りかえして『ガンバレー!あと少しだぁ』と
声をかけてくれた。こういう応援って結構力が出るのですね。ヘロヘロではあったが、最後の力をでなんとか登りきった。
小屋に着くと知らない人達から『オメデトー』の声をかけてもらった。
スンゲー嬉しかったのだ。スゲー大変であったが、スンゲー感動とスンゲー達成感を味わう事が出来た。
北穂小屋から15分程あるいた場所にテント場がある。

天場から前穂&奥穂

素早くテントを張って休んだ。
よっぽど空腹だったのか、今まで『アルファ米』と『じゃがりこ』がこんなに美味いと思った事は無かった。

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北アルプス登山

2006年08月18日 | 
カミサンのヒロミと8/11~13に北アに行った。
最大目的は大キレット通過である。
4年前、蝶ヶ岳から見た時に『絶対にいつか行きたい!行ってやる!』と誓ったのだ。
2年前の槍では天候上、断念して双六方面に予定変更した経緯があるのだ。
4年越しの念願のルートを踏破デキルか!?楽しみと不安が入り乱れて、新穂高温泉に向かった。

無料駐車場はほぼ満車。駐車スペースの枠が無い。
ここに止められない場合、登山口から更に離れた無料駐車場に止める事になる。
その場合、1時間程歩く時間が延びるのだ。そいつは勘弁である。
入り口横の誰にも迷惑かけない場所に無理矢理駐車した。

準備をして出発!登山口から林道をテクテク歩くのだ。
白出沢の出合いまでの長い林道が終わると、山道になる。
チビ谷、滝谷、を経て槍平に到着。途中の滝谷は水が大量に流れていた。
冷たい水をゴクゴク飲んだ。本当にウマい。

槍平キャンプは天場としては最高じゃないかと思う。
・地面が整地されて平らである。
・水が豊富で小川が流れている

・南岳、北穂南峰(?)が望める

お陰で寝心地は良いし、ビールを小川に放り込んでおくとキンキンに冷える。
小川で石でダムを作って遊んだ(笑)またここの水もウマい。
寝る前、『明日は念願の大キレットだ!』と興奮と緊張でワクワクゾクゾクした。
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ダラダラな日

2006年08月16日 | おうち
登山から帰ってくると、色々な物を片付けるのですね。
テントを干して、靴を洗って、数日背負ったザックは汗で相当臭くなってるのですね。

そんな道具類を洗って干そうではないか!
確かベランダに水道があったぞ!あれで洗って、そのままテントを干しちまえ!
そんなこんなで、テントを広げるとなんだか楽しくなってきた。
BBQ用の椅子を準備する。クーラーボックスにビールを入れてベランダへ。
ビールをカプシッと開けてグビリと飲む。

気分は南国ビーチだ!

実際は千葉県の田舎町だ!

その後はダラダラと飲んだくれて、2006年の夏休みが終わった。
秋はベランダで肉焼こうかな。近所迷惑か(笑)
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北穂の事故

2006年08月14日 | 
8/11から8/13に北アに行ってきた。

ルートは次のとおり。
新穂高温泉→槍平→南岳→北穂→奥穂→白出沢→新穂高温泉
山行の流れは別の機会にしておこうと思う。

2泊目に北穂でキャンプし、朝明けて、奥穂へ向かう時に、北の方角に、ヘリが飛んでいった。
物凄く速い速度で大キレットの長谷川ピークあたりで停滞している。
他の登山者と『なんか事故があったのかね?』と会話した。

山を降りて、ニュースを聞いて驚いた。

http://www.asahi.com/national/update/0813/TKY200608130203.html

どうやら北穂小屋で知り合って同行していたらしい。
軽いショックを受けた。

前日の大キレット通過時に雨が降り、長谷川ピークから北穂への登りが悪戦苦闘した。
自分等の後ろのパーティがビバークしたのが見えたので、北穂着は自分等が最終便であった。
ヘロヘロになって到着した時、北穂小屋の客、数名から歓迎を受けたのだ。
『おめでとー!』『よくやったね!』『見てごらん景色が最高だよ!』
等々の言葉を交わした。祝福の言葉に非常に感動して嬉しかった。

その中に亡くなった方が居たとは分からないけど、あの近辺に居た人に事故が起こったのだ。
同じ登山愛好家として辛い気持ちになる。

ご冥福を祈りたい。
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