わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【こどもを「ひとねる」、「あんじゃね」な仕組み】 ~いや、ホントに心地よい村だ~

2017年03月07日 | ひとねる=自律のひとづくり
今年度最後の「あんじゃね支援学校」を開催した。

「あんじゃね支援学校」。

これは、泰阜村のおとなたちが一堂に会して、村のこどもたちの学びと育ちを「あ~でもない、こ~でもない」と喧々諤々、楽しく議論する場である。

そして、そうやってこどもたちの学びと育ちを支えることを通して、おとなたち自身が学ぶ場である。

「あんじゃね」とは「大丈夫だ、心配するな」という意味の方言。

こどもが学び育つ安心な環境を創ろうと、副村長から青年団まで約20人前後が、分野を超えて毎回集まる。





2007年にこの組織ができあがったからもう10年以上か。

NPOグリーンウッドが運営しているわけではない。

ましてや泰阜村行政が運営しているわけでもない。

住民自治の自律した組織である。

座長(校長)は、「わしゃ、生まれ変わったら教師になりたい」とつぶやいたあの木下藤恒さんだ。

村最奥の集落で、養殖漁業組合を営むおじいま(おじい様の意味の方言)だ。

私の師匠。

よって、事務局は私たちNPOグリーンウッドである。



全国を回ると、こういった住民自律の組織体・会議体を設けることが難しい、という地域が多いことがわかる。

どの地域のひとびとに聞いても「そういった組織体は必要、創りたい!」と答えが返ってくる。

しかし、その必要性は叫ばれても、実際に作るとなると頓挫するのだとか。

自治体の規模とか、集落の自立度とか、中心的な団体の存在とか、教育への熱量とか、予算の確保とか、結局は「誰がやるか」の覚悟の欠如とか・・・

そういった意味でも泰阜村は奇跡的なのかもしれない。



今回もまた素敵な議論が交わされた。

というか、村のおとなたちに驚きの変化があった。

村の皆さんの口から発せられたキーワードを紹介する。



こどものこと、学び、育ちを、こんなに考えることはなかった

みんなで協力、支え合う、すごいな。

こどもに対する「想い」は同じ

何年か関わっているが、広がりが出てきている。

村の教育力がすごい

とても大事な経験(自分で大事だなと想ってきたこと)をやっている。自分もそうだった。

年々、深まっている

宿題などの習慣がつくのはすごいこと

自分で考えて勉強、遊ぶ=自主性。みんなで遊ぶ=協力する

親の立場から、こどもに選択肢があるのがよい

大人がおぜん立てしすぎない。こどもが主体的に興味を持てるように

これだけ大勢の大人がこどもを見守ること大事。

保育園から高校まですばらしい。小さいころから地域の皆さんで手がける。







実に印象的な言葉が並ぶ。

最後に、泰阜村の副村長:横前明氏がこの場に関わっての感想を述べてくれた。


10年が経ち、この場の議論が、深く、広くなってきていることを感じる。
とりわけ「こどもが主体」「こどもを信じる」という、ここのところをやってくれていること、ぶれていないことが素晴らしい。
自主性、主体性が大事だと痛感している。
この支援学の場はなかなかできないものだ。
この場をさらに強くすることが、小さい村のあり方。
ひとねる大学は、学生との関わりの中で、村もまた育っていく。
幼児から大学生までひとなっていく村。
「教育」という切り口で勝負。地域全体でひとねる。
人間としての力を培う村でありたい。
※「ひとねる」とは「育てる」という意味の方言。「ひとなる」は「人成る」と書き、育つという意味。



この場に関わる村の皆さんから「自主性」とか「主体性」とかという言葉がバンバン出てくるようになった。

これは驚きである。

この場に関わる大人もまた、育っている。

それを感じているのが、同じ村民の副村長だということだろう。






こどもを「ひとねる」(育てる)、「あんじゃね」(安心な)仕組み。

この村の大人たちは、自律的にそんな仕組みを作っている。

こどもの未来を考え抜くこの強烈なまでにやさしいまなざしが、きっと素敵な未来を創る。

そう確信した。


代表 辻だいち

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