「先生の話し方好きです!」
立教大学「自然と人間の共生」の後期最終講義。
学生からのリアクションペーパーに記されていたコメントだ。
この講義は、南信州泰阜村のように、自然と向き合って生き抜いてきた人々の暮らしの営みや文化を紹介することを通して、自然と人間の関係性を考えることが目標の講義である。
そのためには、人間と人間の関係や、人間と社会の関係もあわせて考えることが求められる。
時には泰阜村から猟師が、時には福島県飯舘村から被災者が、授業に来てくれた。
今後彼らが生きる社会では、「関係性」を深く考察するチカラが必ず必要になる。
そして、「関係性」を丁寧にたどるチカラも。
学生諸君がこのチカラを獲得できるように、私は渾身の力で彼らに語りかけた。
90分の講義のために、毎週毎週往復10時間をかけて東京まで通った。
そこまでして講義をしに来ることに、興味を持った学生がたくさん履修してくれた。
その数、約200名。
ほんの少しだけ、最後のリアクションペーパーを写真で紹介したい。
14回の授業の感想である。
▼4年生になっても、講義の意味を忘れずがんばれよ!
▼発見や視点、大事にな!
▼ココロに響いたものを、今度は自分の人生に具体的にいかせよ!
▼やっぱり、自然と共生するってことは、人間にとって大事なことを学べるんだよ。
▼韓国でもはやってるの? すげ~
▼そんなに工夫したかなあ? でも、よかった! こちらこそありがとう!
▼そうそう、ちょっとだけでもいいからテマヒマかけて暮らそうぜ!
▼挑戦することで人間は成長する。がんばろう!
▼Be gentleman(紳士たれ)!
▼誠実を胸に刻んだなあ。ここから始まるぞ!
東日本大震災直後から始まったこの授業。
以来5年間、毎週毎週東京に通い続けている。
毎週毎週は正直きつかった。でも、身体の不調で休講にしたことはない。
丈夫な身体に産み育ててくれたおふくろと、挑戦を支えてくれた泰阜村のひとびとに、感謝、感謝、感謝なのだ!
私は決して話が上手なほうではない。
むしろ下手の部類だろう。
でも、私には「伝えたい」という強い想いがある。
そして、「伝えたいもの」「伝えなくてはならないもの」がある。
それをどうにかして、なんとしてでも、若者の心に送り届けるのが、大学での私の使命なのだ。
好きになってくれたのならよかった。
これからも丁寧に、伝えつづけようと想う。
学生諸君、がんばれよ!
代表 辻だいち