久しぶりに街で知人と食事をして、「さて2次会はどうしようか」ということになった。別にどこかに行かなければならないというわけでは無いが、コロナ下の2年の間にどうなっているか心配なスナックがあった。
前回に訪れたのは約2年半前。いつもならば年末か年始の飲み会の後には2次会か3次会で立ち寄っていたはずの店だが、まるまる2年半まったく立ち寄っても無い。緊急事態宣言や蔓延防止期間の間もずっと閉めていたし、解除後も夜に一度通り掛ったが明かりはついていなかった。以前、店に電話しても、電話番号が使われていないというアナウンスだけ。
2次会は?というので、その店にもう一度電話してみたが、やはり電話は通じない。仕方ないので、帰りがてらその店の前を通って見ることにした。ちょうど、食事の店からの帰り道にそのスナックがある。開いてなければ2次会は無し、と話しながらその前まで行くと、その店の看板に電気が付いている。そのスナックは細い路地を入った所にあって、車の通る道の電柱に店の看板が掲げてあるのだ。
それに灯りが付いているということは?と、路地から奥を覗き込んだ。やはり店はやっているようだ。中年すぎの女性が一人でやっている店で、彼女とは約3年振りの再会となった。元々、客が少ない店なので、コロナ禍の減収を機会に店を閉じたのだろうか?と思っていた。夜に街で飲み会があった後、帰りに一人でその余韻を冷ます場所が残っているかどうか気になっていたのだ。
これでやっと、また安心して飲み会に参加できることになる。そんなことを思いながら、久しぶりのウイスキーを味わって帰宅。これでまた、コロナ下で失いかけていた暮らしの部品の一つを取り戻したような気分だ。