コロナ感染第6波も何とか「収まりそう?」と思いたくなったこの時期に、何だか分からん「5000円給付」の話が持ち上がった。年金受給者だけに、一律5000円を配るという話だ。決まれば、実際に給付される時期が参議院選挙公示直前となるらしく、「選挙対策、選挙直前に高齢者の人気取りのための政策だ」と批判されている。
実際、一人5000円の給付がどれくらいの「家計の支援」と成り得るのか、実感がない。「0よりはまし?」という程度か?。「賃金の引上げ」という政策を掲げる政府の下で、年金受給者には賃金上昇が見込めないからというのを「理由とする」らしい。だが、「一人5000円を給付するために、一人当たり2500円近い経費が掛かる」と聞くと、「給付したという名目」だけが目当てかと思うのも当然。
一人5000円を一律に配るだけで700億円も掛かるのだとか、700億を使うならば、それを「本当に行き詰まっている人達」への支援に集中することは出来ないものか?と感じる。「年金受給者」にもいろいろある。ある程度何とかなっている高齢者にも一律に配るより、「明日の生活にも困る」人達に廻して欲しい。もちろん、困っている年金受給者は多くいると思うが、「賃金引上げの恩恵が見込めない人達」もたくさんいる。
あるいはそれを、将来の生活に希望を見つけられないような低賃金や不安定な立場で働いている若者たちの環境改善に振り向けて欲しい。あるいは、返還無用の「奨学金」を創設するとか、若者たちの教育支援に。あるいは、「研究立国」という掛け声だけで実質の伴わない「研究環境の引き上げ」に、世界の先進国の中で「かなりみすぼらしい状態にある」日本の大学への投資に。「目の前の僅かな給付金」より、「この国は将来に投資している国」と実感できる使い方を見せてくれる方が、高齢者にとっても嬉しいと思うのだが。