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「タカの渡り観察」終了

2023-10-05 | 日記
例年の「ハチクマ観測」を10月1日で終了した。1日数羽から2・30羽が渡る日はまだまだ続くが、強い日光の下で4~6時間も空を見続けるのはせいぜい2週間が限度だ。
 多くの人々は、この季節にいくつかの鷹が西に向かって渡って行くことを知らない。鷹が渡ると自分が聞いたのは30年くらい前だが、この目でそれを見たのは12・3年ほど前の事。その時に知ったが、30年前にラジオで聞いたのはサシバという鷹で、主に四国から九州・奄美諸島・沖縄方面へと渡る。そう言えば、その実況を聞きながら「なんだ中国地方では見れないのか」と思った記憶もある。
 12・3年前に野鳥観察施設で「この辺りではハチクマが渡る」と聞き、昼休みに近くの山に登ったのが「鷹見」の始まり。1回目は空振りで、3回目に山頂をかすめるように飛び去った1羽を見た。気付くと山麓を次々に10羽くらいが西へ向かって飛び、続いてそこから上空に向かって7・8羽の鷹がタカ柱を作るのを目撃した。「本当に、この辺りを渡るタカが居た」という感動と同時に、「これまで何故それを知らなかったのか」という後悔も。
 やがて、そこで知り合った野鳥愛好家たちと「ハチクマの渡り観察」に付き合うようになって十数年になる。その後、より多くの鷹が見られる場所に観察場所を変え、毎年9月の末には毎日山に上がって東からやって来るタカを探して双眼鏡を構える。合計3000羽近くを数えるが、望遠レンズを向けて写真を撮れる距離に近づくのはせいぜい10から20羽。多くは種類と数を確認するのが精一杯の遠くを、あるいははるか高い空を飛んでいく。
 上空高く飛ぶハチクマは、空に浮かぶ雲の端から現れ、青空を横切って一直線に飛んでいく。双眼鏡で捉えてから西へ消え去るまで一度も羽搏きもせず、一路西へと空を流れる様子は、まるで飛行機のよう。おそらく2・3日後には五島列島の西の端から東シナ海を渡り、そして大陸沿岸を南下して1月頃にはインドネシアまで行くというハチクマ、その数千キロの渡りを思わせる姿だ。
 数は少ないが、他にもサシバ、ノスリ、ハイタカ、ツミ、チゴハヤブサなど、いろんなタカの仲間が渡って行くのを見ていると、「さぞかし気持ちいいだろうな」と羨ましくなる。炎天下で真っ黒に日焼けしながらも、いつしか辞められない年中行事になってしまった。
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