東京の新型コロナ感染者が1日2ケタを続けている。新たな感染者が少ないに超したことは無いのだが、本当は何人くらいが感染しているのだろう?。最近はニュースで一日のPCR検査数を言わなくなった。調べてみると、東京での検査数は10月中頃から1万件を切り、2千から8千件くらいになっているらしい。
東京の感染者はが少ない日は20人足らずで、それが検査2千件の日の結果だとすると100人に一人の陽性率となる。単純に考えると、8月中のように2万件の検査をしていれば一日に200人前後の感染者を見つけるということになる。一律に陽性率を掛け算するのは、確かに考えが単純すぎる。
だが逆方向から見ると、ほぼ安定して一日10人から20人という感染者が出るということは、どこかに「それ相応の数の感染源」が持続しているということになるのではなかろうか。毎日判明する20人前後の新たな感染者は、どこで感染しているのだろうか?。
確かに、判明した感染者には1つか2つのクラスターが含まれていることもある。しかし、一日の感染者がすべてクラスター関係者だというわけではない。クラスター関連者以外で感染が判明する人は、ほとんどが自発的に検査を受けた人だと考えられるので、何か思い当たる症状とか感染機会とかがあった人だと考えられる。
裏返せば、感染機会や症状に思い当たりのない人々は仮に感染していたとしても自分ではそれに気付いておらず、検査を受けていないということだ。そのような潜在感染者がどれくらいの規模・人数になるのか?、以前からそれを調査するための無作為抽出によるスクリーニング検査を行うべきという意見が専門家からも出ていたが、未だにそれは実施されていない。
感染者の少なくなっている今こそ、そのような公衆衛生的観点からのスクリーニング検査を行って、潜在的なウイルス保有者数と一日の感染者数との相関関係、あるいは感染拡大の疫学的背景を調査・検討しておくべきなのだが、未だに政府・行政はそれをやろうとはしないようだ。言葉では「科学的な対策」と言いながらも、一向に科学的・疫学的な根拠を得るための基本的調査・研究に手を付けようとしない現状では、結局のところ今後も「科学的予測に進歩はなく、場当たり的な対処療法を続けることになりそうだ。