ウッドデッキの床板が傷んでしまっているのに気付き、暇に任せて取り敢えずペンキを塗った。十数年前に設置後、3年くらいはペンキを塗り直したが、デッキに物が増えて動かすのが面倒になったことと使用頻度が下がったことで十年近くそのままにしてしまった。時々外から見て板の劣化には気付いていたが、きちんと点検してなかった。せめて3年に一度くらい塗り直していたらここまで傷みはしなかったろう。作ってくれた大工さんの「ペンキは毎年塗り直してくださいね」という言葉の重さを知った。
おっとり刀でホームセンターでペンキを仕入れ、久しぶりに刷毛を使う。不思議なことに、以前は面倒に思えた作業に少々の遣り甲斐を感じる。ペンキを塗ることが楽しいとまで行かないが、塗り終えると何か達成感を感じたりする。仕事に追われ気持ちに余裕が無かった頃にはそんなことを感じたこともない。新型コロナ対策で外出自粛やリモートワークで自宅にいる時間が多くなりDIYに手を付ける人が増えたそうだが、何となく共感できる気がする。
自分自身の家なのだから、その管理・保全に僅かでも自身の手が役立つことに相応の達成感が湧いて当然である。これまでそれを感じる余裕も無かったとすれば、日本人は如何に非人間的人生を選択して来たものか・・などと考えたりした。家で過ごす時間が増える中でほんの2・3日続けてペンキを塗っただけのことだが、少しは人並みの生活感を取り戻した気がした。