何年か前に、我が家の「家計簿」をエクセルで作った。市販の紙の家計簿やパソコンの家計簿ソフトを試してみては上手く行かず、出来合いの家計簿の利用は「とうの昔に」諦めていた。しかし将来を考えると何らかの家計の把握は必要ということになり、「手抜きで良いから、大雑把にでも出費状況を把握できれば良い」と、相談しながら項目を設定した。手間を掛けて一品目ずつ入力することはやめ、「何月何日何々スーパーでの買い物」という具合に「細かな把握をしない」というやり方なら続くのでは、ということで何とか続いて来た。
その家計簿入力を始めて数年経ち、過去の年ごとの出費の変化を見て今後を考えようと思い付き、各年ごとの総収入と総支出の変化を見るために表を設計した。そして、当然ながら入力のために過去の家計簿データを見直すことになる。そして、思いのほか支出の多い年やそれほどでもない年があることに気付き、それぞれ何故そうなったかを考えながら、項目ごとに見直す作業へと。
そこで見つけたのは、何と「毎年決まって出て行くはずの費用」の一部に漏れである。それを発見した瞬間、不安ながらも一定の信用を置いていた「我が家の家計簿」への信頼が根本から崩れてしまった。毎年、年度が終わるたびに一応はチェックしていたはずなのに。そうすれば、ある程度まとまった金額になる項目なので入力漏れには気付くはず、と思っていた「自信」も脆くも崩れ去る。
要するに、「ミスが見つかったのだから再点検し修正すればよい」という話ではある。だが、「気付き易い項目だから見つかったものの、一回限りの忘れてしまった件は修正のしようがない」と突っ込めば気は重い。「家計簿なんてそんなものかも知れない」「何も無いよりは「大雑把な把握はできているのではないか?、それなら悪くはない」と慰めてみる。「家計簿」による我が家の経済状況の点検は、結局「我が家の事務能力」の点検となってしまった。今後は「点検項目」を作成し、半期ごとくらいに定期点検を心掛ける、という「答弁」でこの場は済ませておこうか。