やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

サイ・トゥオンブリー回顧展 in 原美術館

2015-07-31 | art
サイ・トゥオンブリーの紙作品に関する大回顧展が
原美術館
で開催中。まとまった展覧会は日本では初
とか。パチパチ。8/30まで。

2011年に亡くなられた時、お悔やみを書いたけど、
まとまって彼の作品を見たのは、ヒューストンのメ
ニル美術館にあるサイ・トゥオンブリー・ギャラリ
以来。


『Petals of Fire(炎の花弁)』1989年 144×128cm

印象派が遠近法表現を壊したところは、トゥオンブ
リーは踏襲するけど、線から離れ、色彩と形に新境
地を切り開いた点は与しない。

一貫して線と点にこだわり、アクションペインティ
ングをしたり、指で画材を塗りたくたったり。試作
段階では成立しないものもあったかもしれないけど、
作品は破綻していないものばかり。


『Untitled(無題)』1961/63年 50×71cm

一度見るとなぜか身体にしみわたるというか、絵が生
きている様で、活力に満ちた気分になれる体験を久し
ぶりに味わえる。


2001年にヴェネチア・ビエンナーレで発表された「
レパント」が見てみたいな。金獅子賞に輝くんだけど
その時73歳なんだからすごい。同じ時期に作られたこ
の作品も主題が似ていていいんだなぁ。


「Untitled(無題)」2001年 124×99 cm 

絵のデータは彼の財団のサイトより。

日本初回顧展「ヘレン・シャルフベック」

2015-07-26 | art
ヘレン・シャルフベック(1862~1946)の日本初の回
顧展が上野・藝大美術館で開催。絵や会場構成など詳し
いことは、サイトに譲るね。

知らない画家だし絵も殆ど見覚えがなかったけど、とて
も印象深かった。作風というか画風がドラマチックに変
化していくから。それは当時の絵画の革新の影響もある
し、彼女自身の生きざまの変転と軌を一にしているから。



《回復期》1888年26歳のときの作品。パリ万博にも出品
し、銅メダルを獲得し国際的な名声を得る。婚約破棄の痛
手から立ち直りつつある心情が子供に投影されたというの
が通説。当時多かった病床画の影響もあるそうだ。


《扉》1884年 22歳の作品。抽象画の様だ。

フィンランドは1917年ロシアからの独立を宣言するが、
ロシア、スウェーデン、ドイツなどど領土戦争をする。
世情の激変は彼女に影響あたえたに違いないけど、絵や
本展からは読み取れない。

彼女の関心事は絵と親しい人間との関係性。恋心を抱い
た19歳年下の男性が別の女性と婚約されてしまい絶望。
立ち直るために二ヶ月の通院しながら描いた作品が《ロ
マの女》



1919年の作品だから、60歳に近いことに驚かされる。



2012年が生誕120周年だったので、過去最大の回顧展が
ヘルシンキ・アテネウム国立美術館で開催されたそうだ
し、「フィンランドで最も愛されている芸術家の一人」
だそうだ。

隣国スウェーデンのムンク(1863〜1944)とは生まれ
も亡くなったのもほぼ同じ。同時代の画家への言及が多
いシャルフベックだが、ムンクをどう思っていたんだろ
う、交流はあったんだろうか。


《正面を向いた自画像Ⅰ》1945年 亡くなる前年の作

本展は7/26までで、その後各地を巡回する。

森岡書店「ミャンマーのすてきな手仕事をめぐる旅」展

2015-07-16 | カルチャー
茅場町で「盛岡書店」を営んではる森岡督行さん
2号店を銀座1丁目にオープンしはったので初訪問。

今度は1冊の本をとりあげ、その本から広がる世界を
楽しんでいただく、といったコンセプトだとか。本
好きにはたまらないし、作家にとっても得難い場所
ではないだろうか。

現在開催中といっても7/19までだったんだけど、春
日一枝さんの新刊「ミャンマーのすてきな手仕事をめ
ぐる旅」(グラフィック社)が取り上げられ、ミャン
マーの手仕事による布や雑貨が紹介。



ライターなんだけど、よく喋る。お知り合いから、ボ
クのような初対面の人まで、手振り身振りずっとあれ
これ気さくに話してはる。



少数民族の独立闘争などの影響もあって、旅行者が行
きにくい現状も話されていた。

本は160頁で買い求めたんだけど、写真がふんだんに
入ってて1600円とはすごいですねと話すと、たまたま
来ていた写真担当の・後藤麻由香さんと、安いって褒
められてると喜んではる。



建物は昭和4年竣工の近代建築。東京都の歴史的建造物
に指定されている鈴木ビル。soup stock tokyo代表の
遠山正道さんも参画してはるから、広い場所を想像して
いたら、意外に狭かった。

もちろん茅場町より家賃はだいぶお高いだろうけど。
場所よりも書籍の出版に力を注ぐとみた。雑誌などで
は2号店として紹介されているが、移転だった。



森岡さんによれば茅場店は閉めることにしたとのこと。
事情が変わったんだろう。銀座へいく楽しみが一つ増え
る。写真は春日さんのFBから

写真家山谷佑介・3日間の新作展"Use before"

2015-07-12 | photo
写真家・山谷佑介さんが新作を3日間(7/10~12)
だけ展示するという"Use before"を見に行く。



宮益坂ビルディングという渋谷駅近く、ヒカリエそ
ばの古いビル。iPhoneで撮ったとたん管理人がでて
きて撮影NGと言われる。

1953年竣工。東京都による公営分譲マンションの第
一号。当時はお金持ちしか買えなかったそうだ。渋
谷駅再開発によって建て壊しが決定。古きよきもの
がまたひとつ壊される。


1956年の宮益坂。まだ背が低い。中央右手の大きなビル。

目指す部屋はたしか501号室なんだけど、案内も
表札もない。。えいっとドアを開くとそこがギャ
ラリーだった。



古いポラロイドフィルムを手に入れ、パンクバン
ドを組んでる仲間を撮ったもの。劣化が進んたフ
ィルムがさぞ面白かったんだろう。誕生日がスタ
ンプされているので、やっと同じ人物だとわかる
程度w

400枚入手したそうで、約半分を使って撮ってい
る。これから大阪に巡回するので、残りのポラで
大阪を撮る予定。

本展に関する100冊限定のZINEが発刊されたので
買い求める。彼のZINEは初ゲット。出版レーベル
GOLIGAのサイドプロジェクト"A0"から。



山谷さんはこの場所を仲間と借りて事務所兼ギャ
ラリーにする予定とか。建て壊しまでの期間限定
なのでお安いとか。いいとこ見つけてはる。



1階エントランスからあがる階段壁ギャラリーに
も本作品が展示されていた。

誕生日のこと命日のこと

2015-07-08 | その他
七夕が誕生日。お祝いメッセージをたくさんいただき
ありがとうございます。海外からは知らない方々から
も(facebookの友だち申請レベル)メッセージが届く。
日本からは知ってる方が多く文化差を感じる。

あまり誕生日メッセージをまじめに送っていなかった
ので、ちゃんと送ろうって思う。



ちょうど一年前の翌8日、父が老衰で大往生。お葬式や
なんだと大変だったけど、それはなんとか済む話。父の
ことを思い出すことが多くなり、存在しないということ
を受け入れることがなかなかうまくいかない。

孝行もロクにせず、母親にまかせっぱなしだった。会
いにいくと、とってもいい笑顔で喜んでたから、せめ
てもっと帰っておけばよかった。後の祭りってやつ。


最後のふたり旅。法事で帰り、山口県柳井を一緒に歩く。

自分の欲望としても、もっと話を聞いておけばよかっ
た。年に一度のわりで殴られて怒られた。なにが原因
だったのだろう。子供のころ、彼からボクはどう見え
てたんだろう。

誕生日が7日で父の命日が8日というのは変わらない。
生まれていくことと、死んでいくことが表裏に背中合
わせのイメージとしてポツンと浮いてる感じ。不思議
な感じがする。

京都・詩仙堂

2015-07-05 | 建築
京都の詩仙堂に行く。初訪問。行った気になってたけど
訪ねてみれば、お初やないの。江戸初期の徳川家の家臣
で、家康に仕え、武将として活躍した石川丈山(1583-
1672)の設計。



漢詩の代表的人物で、儒学・書道・茶道・庭園設計にも
精通していたらしい。隠居して詩仙堂を1641年(58歳)
に建てて終の棲家と定める。

89歳と超長生きされた方で、30年間余生を楽しんだ場所。
正式名称は「凹凸窠」といい、でこぼこした土地に建てた
住居のことらしい。



京都の庭園についてなにかを言える素養はないけど、斜面
地を活かして、建物、庭木、草花がうまく配置されている。
なにより、小川が庭を蛇行しているのがアクセント。


サワガニが歩いているのもおもむきがあるw

流れの音も庭の一部なんだろうし、設置されたししおどしの
音が等間隔に響くのもリズムを感じる。



曲線的な構成があちこちにあるのも楽しい気分にさせる。

祝!舞台「ギア」1000回ロングラン in 京都

2015-07-04 | エンタメ
京都で1000回ロングラン公演を達成した舞台があると
教えてもらった「ギア」を観る。2012年4月にスタート
し、先月6月に達成したところ。



日本においてロングラン公演は希少。ロングランしか
芝居だけで食べていく方策はないというのに。あって
も海外ものなのに日本オリジナルだから観るっきゃな
い。しかも東京でなく京都。

100席というキャパがまたいい。客にとっては贅沢な
空間。ロングランを行うにも無理がなさそう。日本語
というか言葉を使わないから、子供にも外国人にも楽
しめる。



コンピュータコントロールされたプロジェクションマッ
ピング、LED、レーザー光線を始めとした新しい照明映
像演出も、これみよがしではなく、成熟した形で演出さ
れている。京都のお寺さん始めあちこちでやってきてい
るそうだ。

プロデューサーの小原啓渡さんは藤山寛美や都蝶々な
どの巡業公演をはじめ、宝塚歌劇や劇団四季、歌舞伎
公演など、幅広い現場を経験した後、コンテンポラリ
ーダンスの母・Susan Buirgeの舞台監督として約7年
間、パリを中心にヨーロッパで経験を積んだ方。

近年、関西中心に文化芸術を都市の集客や活性化につ
なげる数々のプロジェクトを行ってはる(wikiより)



見どころは、マイム・ブレイクダンス・マジック・ジ
ャグラーのトップクラスの4人によるパフォーマンス
は勿論なんだけど、彼らの慣れない演技になんどとな
く感動する。

主役のドールあわせた5人で動きを一致させるんやか
ら。詳しい内容はサイトで



会場の1928ビルは、昭和3年(1928年)武田五一氏の
設計により、大阪毎日新聞社京都支局ビルとして建築
されたもの。



最上階に設置されたアーチ型形状をもつホールは、昔
より演劇公演や講演会等、広く市民に利用されたそう
だ。昭和3年に、大したもんだなぁと思う。

写真はこちらこちらから。

「木屑という価値」さかいあつし個展・初京都

2015-07-03 | art
東京国立から岡山牛窓へ引っ越した匙屋のさかいあつしさんの
匙展は全国あちこちで開催されてると思うけど、京都は初とか。

もう7/8に終わったけど、京都に出張にいったので行ってみる。
京都メリーゴーランドという絵本中心の本屋+ギャラリー。初
訪問。本店は三重・四日市にあり、絵本カルチャーの中心地の
一つだ。

昭和2年竣工の美しい建物の最上階。鴨川から東山をのぞめる
素晴らしいロケーション。四条河原町の交差点から歩いて3分
だし。こちらなどに建物紹介がある。



本展は用の美からアート寄りの作品展。切りだされた後の木屑
に焦点をあてはる。作業場に当たり前のように転がっている木
屑が「見えてくる」驚きが出発点だとか。

意図した物(事)しか見えていないことへの驚き。
言い換えれば、半分近くの物(事)を普段は見え
ていないのではないかという驚き。



木を選び、匙を掘る過程でうまれる木屑。もしかしたらゴミや
せいぜい燃料としてしか使われていなかったものに光をあてる
アート。



制作の原点である匙も片隅に展示。    

                                                                               

音楽アートイベント「ふたつの小さなお芽出とう」アート篇

2015-06-29 | art
音楽アートイベント「ふたつの小さなお芽出とう」
アートイベント篇。ライブをやってない時間はアーテ
ィストによるショップというか出店や料理人による食
堂カフェやドリンクバーがオープン。



似顔絵が人気なのか5人のアーティストがやっていた。
その内3人と一緒に映るののほさん。この写真は彼女の
FB
から。

 


写真家の相澤心也さんは大正期の写真機を使って写真館を
開催。写真を撮ってもらった。シャッターがないそうで、
山高帽で隠したレンズをさっと取り外して数秒露光する。

写真雑誌『家族』創刊号をもって編集長中野暁野さんが
京都のイベントからやってくる。一年間ひとつの家族を
写真家たちが追う、という一年雑誌だそうだ。いい。



創刊号では、アーティスト家族が鳥取の大山に引越し、
開墾し、セルフビルドで家も建てた家族を追う。彼女
へのインタビュー記事がこちらに

音楽以外の参加アーティスト達の一覧を引用しとくね;
あいざわいさな(クレヨン似顔絵・プラスチックアクセサリー)
https://www.facebook.com/isana.aizawa?fref=ts
相澤心也(写真館)
https://www.facebook.com/aizawa.shinya?fref=ts
http://www.aizawashinya.com
池田俊彦(似顔絵)
https://www.facebook.com/toshihiko.ikeda.75?fref=ts
http://tvnotjanuary.com
エプロンズ(ケイタリング)
http://aprons3.jugem.jp
おだせいこ(雑貨)
https://www.facebook.com/seiko.oda.5?fref=ts
http://monowano.tumblr.com
udu(テキスタイル雑貨)
https://www.facebook.com/ai.ishikawa.33?fref=ts
http://udu.main.jp
木下ようすけ(雑貨・似顔絵)
https://www.facebook.com/yousuke.kinoshita.75?fref=ts
http://yousukekinoshita.com
近藤佳代(雑貨)
https://www.facebook.com/kndky?fref=ts
http://13gatsu.com
すぎはらけいたろう(雑貨)
https://www.facebook.com/keitaro.sugihara?fref=ts
http://www.keitarosugihara.com
toi(革小物、絵、似顔絵)
https://www.facebook.com/tomomi.sakauchi?fref=ts
http://www.tomomisakauchi.com
nokkuの帽子屋(帽子屋)
https://www.facebook.com/tomokazu.yokoyama.94?fref=ts
http://www.nokku-boushi.com
nontable/ 家族と一年誌『家族』(飲み物・お菓子・雑誌)https://www.facebook.com/akino.nakamura.3?fref=ts
http://nontable.tumblr.com
むくり(アクセサリー)
https://www.facebook.com/sho.baba.96?fref=ts
http://mukuri.exblog.jp
Lima(陶器小物)
https://www.facebook.com/limax.o?fref=ts
渡邉知樹(ペペペ似顔絵店)https://www.facebook.com/pepepe1980?fref=ts
http://sound.jp/gagaga/top.html

豪華メンバー!

音楽アートイベント「ふたつの小さなお芽出とう」ライブ篇

2015-06-28 | music
「ふたつの小さなお芽出とう」という音楽アートイベントが
ロバハウスで行われお手伝い。事前の天気予報が雨から徐々
に晴れにかわり、暑いくらいの晴天に恵まれる。



ひとつ目の小さいお芽出とうは「チロンとドロン」初CD
リリース。彼らの演奏を楽しむ。いつもは3歳以下の子ど
もと親が聴衆なんだけど、今日は小学生も若い人も老人も
集まる。



CDのアートワークをした近藤佳代さんが、ゲスト出演。
子どもたちからの音言葉のリクエストを絵にしていく。



フィナーレは、本番前の「コロリダス」もアーティスト
もステージにあげていく。時間がおしてても、かまわず
ののほさんはひっぱるw



ふたつ目の小さいお芽出とうは「ショピン」が来年結成
10周年を祝うというちょっと気の早い、というツッコま
れることを狙ったような企画。



「コロリダス」が最初ライブを行い賑やかにラテン系でお
祝いを盛り上げる。最後まで陽気な曲で、バラードやしん
みりは無し!



後半が「ショピン」。おなじみの曲をライブで聴けるのは
幸せ。みんなで踊ったり。最後は「コロリダス」もゲスト
も一緒になって大盛り上がり。



そういったライブをやってない時間は、仲間のアーティスト
によるショップや料理人による食堂カフェやドリンクバーが
オープンしてたんだけど、その話は明日に。