2019年 ゛やばいお仕事 ゛ 一味唐辛子作り
唐辛子類は、2、3種栽培しました。シシトウ・鷹の爪・伏見甘長、日光トウガラシなど、播き時を間違わなければ、ほぼ100%生育できる強い野菜です。1本の苗より多くの数を収穫出来るので、楽しくもありますが、料理素材としての使い方は限られますので、そんなに素人が栽培するものでもありません? 数多く出来る赤い実は、色合いも映えるので、1、2本だけ鉢植えにしても、鑑賞には堪えうります。
「鷹の爪」を一味唐辛子に加工したことがあります。多収ではありますが、実が4~5cm前後と小さく細い(その時作ったもの)ので、手間対効果の割には、あまりのものは出来ませんでした。「日光トウガラシ」は、比較的大きめ(鷹の爪と比べて)のものが収穫出来やすいので、2016年栽培、2017年8月に製品加工して、自家用に1年半ばかりAが食卓で使っていました。Aは結構辛いものが好きなので、唐辛子・胡椒は食事の時に多用する方です。初めての製品加工の時に、莢(さや)丸ごとミルにかけて、粉砕しました。辛さはより辛くなりましたが、舌触り感が悪く、また、手引書にも良いことは書かれていなかったので、以後、手間を掛けても、種を除去し、莢の果皮のみを使っています。昨年末に自家用のものが底を尽きましたので、今年、本格的に栽培しました。
5月19日、「日光トウガラシ」をいつものホームセンターで4月27日に6本購入し、翌日、一回り大きめの鉢に「鉢上げ」した苗を、この日に定植しました。
(「日光トウガラシ」購入苗 6本)
(「日光トウガラシ」購入苗を5月19日定植 A )
6月21日、2017年に自家採種した種を4月29日に播種、生長した苗8本を、この日に定植しました。
(「日光トウガラシ」2017年の自家採種の種を8ポットに播種)
(「日光トウガラシ」播種苗8本を6月21日定植 A )
購入苗は7月中旬頃より、自家採種苗は、それより半月遅れから収穫しました。形・大きさの出来具合で、2種類に分かれました。竹ざるに空けて、乾燥ネットや天日干しで、1ヶ月半ほど乾燥させます。採種や加工のしやすさ、長期保存を考えて、カラカラに乾燥させますが、この1ヶ月半は、結構、気を遣います。乾燥し始めた唐辛子は、成分のカプサイシンが(専用の収納場所を持たない家の)屋内に飛び始め、風通しによっては、結構目に刺激を与えます。Aが早朝に乾燥ネットを軒下に吊るし、日が落ちる頃に、風通しの悪い部屋隅に仕舞います。
(「日光トウガラシ」日向で自然乾燥)
(軒下の乾燥ネットで吊し乾燥)
9月25日、どなたに教わるで無く、自己流の ゛一味唐辛子作り ゛は、この日から始まります。タイトルの ゛やばいお仕事 ゛とは、辛味の根源 ゛カプサイシン ゛との果てしないバトルなのです。
今回の ゛やばいお仕事 ゛は、2回目になります。前回のブログにも書きましたが、今回の作業準備・方法も変わるところはありません。基本は、粘膜部分・地肌は極力表さず、唐辛子に触れる部分を最小にして、作業域での空気の動きを無くすることです。今回は事情により、作業場所は自室になります。それだけ、作業後の影響を極力抑えることにも気を遣いました。神経を集中しますので、永く作業は出来ません。気の向いた時、何かの気分転換に、一寸の合間に……を念頭に何回も作業しますので、作業台は部屋の一角に置いたままにしました。
「一味唐辛子作り」で、最初で一番時間がかかり根気のいる作業が、種取りです。始めに茎と萼(がく)を取り去り、はさみで乾いた果皮を割り、割り箸を加工したもので胎座(たいざ)ごと種を掻き出します。種を付着した胎座が最も辛いものですが、種を好みませんので、一緒に取り去ってしまいます。゛出来具合で2種類 ゛と言いましたが、真っ直ぐで大きめの唐辛子は作業しやすく、折れ曲がり皺が寄った小さいものは作業しにくく、どうしても時間がかかります。唐辛子作りで、この作業の労力と時間が9割以上で、殆どと言って良いくらいです。
(9月25日自室で唐辛子の種取り作業 A )
(「唐辛子の構造」(「ザ・激辛日記!!」より))
9月29日、Kの要望で製品を作ってみました。400ccほどの容器に軽く乾燥果皮の唐辛子を詰め込み、ミル器で粉砕します。チャック付きポリエチレンパックB8(64×98mm)に半分くらいのものが、2袋出来上がりました。市販のものは15g入りの容器ですので、正確には分かりませんが、2袋で市販品の容量(15g)は満たしているようです。結構、辛味は強く、そこそこ満足のゆくものでした。市販品は1瓶250~350円で売っていますが、自家採種の種の播種から育苗、定植・収穫・加工、製品化までに丸5ヶ月かかりました。労力対効果のコスパ的には反比例となる、誠に、無駄を体験する事になりました。
しかし、家庭菜園の神髄 ゛正にここに有り ゛を、地で行く喜びです。
閉ざされた襖の向こうでKが言いました。「…さんと、…さんに差し上げたいので、4袋ね!」
涙がこぼれ落ちるくらい嬉しいお言葉でした(/_;)
(ミル容器に400g?の乾燥果皮唐辛子を詰める A )
(ミル器で粉砕処理 A )
(粉が飛ばないように袋詰め A )
(やっと製品化 ここまで丸5ヶ月 A )