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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

豊洲直結

2008-08-14 | その他あれこれ
・40歳になった。本日は当方も夏休みである。家族で豊洲へ。園ママ情報により西武池袋線の保谷駅から豊洲へは一本でいけることが分かり、そちらのルートから。便を選べば、全く乗り換えなしということでこれは楽!

・豊洲では子ども達がポケモン映画を見ている間に、その隙に昼食を食べたり、少々買い物など。誕生日ということで、リュックサックを買ってもらう。前のリュックは8年間半使用したのだが、ついに内部がぼろぼろになってきたので調査用にして、デイリーユースとしてLLビーンの新たなリュックを購入。内部にパソコンを入れるポケットがあり便利そう。



・豊洲からはお台場方面にも観光船が出ており、桟橋付近で潮風を受けながらベンチでくつろぐ。今日は少し曇天だったので、しばらくのんびりと過ごした。まだまだ暑い日が続きそうだが、空は少しずつ秋の気配になっている(と信じたい・・・)。

タマバエ幼虫

2008-08-13 | フィールドから
・昨日は何年かぶりの夏風邪。珍しく胃にきてしまい、まるで立ち上がれなかった。夏風邪はきつい。皆さんもご自愛ください。



・久しぶりに田無に来たYさんとともにアオキ人工授粉後の結実調査。ほとんどは1個か2個が脱落しているだけだったのだが、No6だけはごっそりと脱落している。母樹の開花ステージの違いだろうか・・・。田無ではまともなアオキの実がほとんど見られないという話だったのだが、既に変形している実が多いように思える。タマバエに寄生された数をカウントするよりも、寄生されていない実をカウントした方が早い。



・変形した実をつぎつぎと割ってみるが、なかなか虫らしい痕跡が見えない。あきらめかけたところで、変色した部分を実態顕微鏡で見ると、なにやらうごめく透明の物体が・・・。おおっ、これこそタマバエの幼虫ではないだろうか・・・。何だか、”千と千尋の神隠し”でコハクリュウから出てきた虫みたいである。


イルカショー

2008-08-10 | その他あれこれ
・久しぶりに子どものバスケットがないということで、家族揃ってで出かけることになった。家族会議の結果、外は暑いので品川のエプソン水族館に行くことになった。品川駅は”エキナカ”が充実しており、改札を出る前からちょっとしたショッピングモールとなっている。スイーツ関係も充実している。



・水族館はプリンスホテルの集合施設の先にあった。規模はそれほど大きくないので、既に人でごったがえしている。入り口ほど近くのトンネル水槽のところでは、イトマキエイやノコギリザメに餌付けのショーをやっており、解説付きで結構楽しめた。



・アシカのショーは満席だったので、イルカのショーを見に行く。40分以上も前から人が集まっているのがすごい。いよいよショー本番というところになって、イルカ応援団なるチンドン屋風(失礼!)の4人組がやってきて、盛り上げてくれる。



・イルカショーは何度か見たことがあるが、この水族館のショーは、内容が充実しているだけでなく、例のチンドン屋風の応援団が盛り上げてくれることもあって、実にリズムがよかった。トレーナーの人たちが水槽に入って、イルカと一緒に泳いだり、飛んだり、サーフィンしたり・・・というシーンは迫力満点であった。



・一番大きなオキゴンドウイルカ(名前はイシュト)が少し気まぐれだったのも愛嬌で、前の方の席の人たちには”いつもより多めに水がかかっております”といった感じ。それにしても、イルカを見ていると和むねえ・・・。

飛び込み

2008-08-09 | その他あれこれ
・北京オリンピック開幕。想像以上に開会式は面白かった。ところで、先日の朝日新聞に紹介されていた森絵都の”DIVE!"を読んだ。映画化されるらしいので、知っている人もいいだろうが、この本は珍しく”飛び込み”を題材にしたスポーツ青春小説である。

・スポーツものには元来目がないほうなのだが、主人公たちのキャラクターに惹かれて一気に読んでしまった。北京オリンピックでは”飛び込み”が人気らしい。そもそもルールが分からなかったのだが、この本を読んで初めて理解した。今回は"飛び込み”にぜひ注目してみよう。


地がき論文、再投稿

2008-08-08 | その他あれこれ
・地がき論文修正作業の最終調整。最後になって、自分の所属を変更してないことに気づいたり・・・。何度もプリントアウトして、再チェック。いよいよ投稿するという段になって、以前のメールからログインしようとするとIDとパスワードが一致しない。最近、色々なIDとパスワードがあるので、ごちゃごちゃになっているのかと思ったら、オンライン投稿のWebページが変更になっていた。

・いったんログインできれば、CJFRの投稿作業は比較的らくである。Coverletterも添付して、本文とともに再投稿。応用的な内容ではあるが、新規性もあるので、悪くないはずである。頼むぜと願うようにクリック。

・夕方、Tくんが訪ねてきてくれたので、彼がカナダで発表するというプレゼンを見せてもらう。ストーリーをすっきりさせれば、面白い発表になりそうだということで、少々コメント。その後、マングローブ論文のモデルの記述について、相談に乗ってもらい方針が固まる。すっかりお世話になってしまった。打ち合わせ終了後、飯田橋で夕食。仕事帰りの人々で店は繁盛。金曜日だし、お盆前ということもあって、解放的な気分だからだろうねえ・・・。

英作文

2008-08-07 | 研究ノート
・東京は朝からぎらぎらと太陽が照り付けている。昨日まで富良野にいたせいもあって、起きた瞬間から蒸暑いというのは辛い。のどが渇くわけだよ、実際。事務所に出勤し、しばらく溜まっていた仕事を片付ける。しっかし、一向にはかどらない。こういうのをサクサクと処理できるようになる日は来るのだろうか・・・。

・地がき論文の英文校閲が戻ってきたので、これをTexに反映させる作業。”≧”をどのようにして出すのか分からず時間を食ってしまった(”$\ge$”とすればよかったのか・・・)。相変わらず,英作文は一向に上達していない。特に、自分で大幅に修正したところは見事なくらいに直されている。

・それでも、Textcheckの直しを反映させていると、自分の悪い癖がよく分かってくる。基本的に、短い文章にするのは悪くないのだが、必要に応じて”, and”や”;”でつないだ方がすっきりすることもある。後は、カンマの使い方とか、余計な修飾を省くことができるようになれば違ってきそうな予感はあるのだが・・・。

・とにもかくにも修正完了。全体として、文章が引き締まった気がする。Major revisonで再び校閲しなくちゃいけないのは大変だが、やっぱり英語がつたないと読む気にならないもんねえ・・・。

標高とネズミ

2008-08-06 | フィールドから
・早いもので富良野最終日である。相変わらずの晴天。午前中に3区(930m)に行き,初日の残り分を調査。こちらの反復は生存数が多く,グイマツF1でも120本を越えている。しかし,ネズミの食害は相変わらず多い。本日は5人体制で調査することになったのだが,胸高位置を木材チョークでつける役目がどんどん進み,しばらく一人余ることになった。当方はいったん調査から離れて,写真撮影などをやらせてもらう。



・せっかくなので,この試験地の外観を撮影しようと思い立つ。しかし,いくつかの樹種が植栽されている様子を撮影するには,試験地から離れるために無立木地帯をしばらくさまようしかない。4区に比べればたいしたことはないが,3区周辺のネマガリもなかなかのものである。少々離れてもネマガリの中に隠れてしまって,一向に全体像が把握できない。ということで周りのネマガリを踏みつけて視界を確保。なんとなくではあるが,いくつかの樹種が植栽されている様子が撮影できた。学会などでタイトルバックとして使える絵になるか・・・。




・3区には,標高別のトドマツ相互移植試験地も併設されている。よく考えてみると,この区はじっくりと観察していなかったので,しげしげと眺めてみる。高標高産の針葉をみると,たしかに自己被陰の度合いが高いような・・・。標高に対する適応のプロセスを調べるには,やはり,葉密度やSLAなどのパラメータを取る必要がある。しかし,この区では球果がなるにはかなりの時間がかかりそうである。



・この標高になると,トドマツの生存率も成長も全体的に悪いわけだが,ふと見てみるとネズミにかじられた痕がある。今まで、3区と4区のトドマツの生存率の低さに目を奪われてきたわけだが、これは寒さの耐性の問題だけではなく、実はネズミによる食害が大きく関与しているような気がしてきた。つまり、いくらなんでも死亡率が高すぎるのではないかと思う。実は、高標高のネマガリの中でネズミの生息密度が極端に高く,ネズミの食害によってトドマツが大部分枯れた,というのが真相ではないかと思えてきた。一方,エゾマツやアカエゾマツはネズミにかじられる確率が低いらしく,それでこれほどまでに生存しているのかも。



・もしかすると自然状態で,トドマツが標高の比較的低いところに多く,エゾマツが高いところに多いのは,ネズミが標高の高いところに多く,トドマツの方がネズミにかじられやすいということだけで説明できちゃったり・・・はしないだろうが,カラマツの交雑育種で行われたような摂食実験などをやってみるのも面白いような気もする。



・最後に再び5名体制で数本が残存しているグイマツ調査を行い,3区は完了。3区全体では1000本に少し満たない本数だったが,全個体にNoテープが打たれているのを見ると,ついにやったかという実感がある。まだまだゴールは先だが,やっぱりフィールドは充実感が違う。

4区

2008-08-05 | フィールドから
・今日は朝から最も高い標高である4区に入る。ここは1100mを越える高標高域で今となってはネマガリダケがすごくて大変だという噂。本数は何本も残っていない樹種が多いのだが、逆に個体から個体までのアプローチが大変ということで覚悟せざるを得ない。車からはしばらく登山道のように整備された道をあるく。ここは樹木園スタッフが整備してくれていたそうで、試験地まで藪漕ぎをしなくてすんだだけでも助かった。途中、シダ植物?に遭遇。奇妙な繁殖体を持っている。



・4区到着。アカエゾマツはしっかりと成林している!ということで、下側のプロットのアカエゾから測定開始。昨日からの続きなので、お互いに要領が分かっている。このため、調査はさくさくと進んだ。ケヤマハンノキ、シラカバなどは20本程度が残っている。これらについては、ネマガリダケの海に島のように浮かぶ個体を見つけては、そこまで到達して測定、といった感じ。上から下に進む場合にはネマガリを踏むようにふわふわと歩けばいいのだが、逆目(下から上)の場合、ネマガリは人を押し戻すように行く手を阻む。



・4区ではグイマツF1も40本程度、エゾマツも同様で、トドマツは完全消滅である。とにもかくにも、ここはアカエゾマツの天下だ。考えてみれば、アカエゾマツは大麓山の山頂にもあるので、結果は至ってリーズナブルなのだが、こうして結果をつきつけられると素直に関心してしまう。それにしても、これほどの大規模な試験地を設定し、ここまで苗木を運んで植えた先輩たちの苦労を思うと、とにかくこの試験地を世に出さないわけにはいきませんなあ・・・。冬に気合を入れて、書かねば・・・。

・午前中に、プロットの一番奥のグイマツ5個体をなんとか終えて昼食。その後も順調に調査は進み、ついに3時半ごろに4区全ての測定を終了。2区(730m)まで降りていくと、1班も作業を完了しようとしているところ。こちらは樹高の高さと本数の多さに改めて驚かされる。それにしても、730(2区)と930m(3区)や1100m(4区)の顕著な違いはなんなのだろうか・・・。気温なのか、積雪なのか・・・とにかく樹木の生残に関わる極めて重要な要因がドラスチックに変化しているはずである。

・だからこそ、トドマツも連続分布していながら分化するのだろうけれど、これほどまでの変化を内包している大麓山を演習林内に持っているというのは大変な強みである。標高による変異は決して新しいテーマではないが、地球温暖化が急速に問題になっている今日、脆弱な亜高山帯の生態を考える上では重要な研究テーマになりうると思う今日この頃である。

標高別試験地

2008-08-04 | フィールドから
・昨晩から富良野入りしている。昨日までの豪雨がウソのように朝から快晴。北演は先客万来といった感じで,皆さんバタバタと忙しそうである(それをさらに加速させているのは当方のせい・・・)。今日から、2班に分かれて、標高別試験地の測定。これは1960年ごろに10数種(自生種と導入種)を4標高域(530,730,930,1100m)に植栽した大規模な試験地である。

・この試験地については、当然、富良野にいるときから気にはなっていたのだが、基本の植栽本数が7行×32列×2反復×4標高域×10数種という膨大なのものなので、どうにも手を出せずにいたものである。今回、技術スタッフの全面的な協力を得て、今回の測定の運びとなった。

・トドマツは想像以上に生存率が低い。これは種子産地のせいだろうか・・・。これらの標高別試験地の種子産地は各種1箇所となっているので、低標高から高標高に移植すると枯れるというトドマツの標高別相互移植試験地の結果を追認することになっているのかもしれない(設定はこちらが先だけど・・・)。

・一方,隣のクロエゾは120本近くが生存し、930mでもなんら問題なく生存している。自生標高域を考えれば当たり前かもしれないが,実にきれいな結果である。シラカバ,ケヤマハンノキなどは30本程度しか生存しておらず,ストローブなどに至っては完全に消滅している。当初の目的である高標高や寒冷地に適する樹種を選ぶという目的は見事に達成できている、といえそうだ。それはいいのだが,120本もあると,DBHだけといっても測定には意外なほどに時間がかかる。



・午後からは多少はペースが上り、600本程度を完了。しかし、先は長い。今回の測定で分かったことがもう一つ。カラマツ(ニホンカラマツ)はほとんど消滅しているのだが、グイマツ×カラマツのF1雑種は高い生存率を示している。一方、グイマツ自体は、その中間の生存率である。雑種がネズミに強いというのは話には聞いていたものの、こうしてみると交雑育種とは大したもんだという実感がある。



・ところで、グイマツF1はネズミにかじられていないのかというとそうでもなく、古い食害はかなり激しいものもある。しかし、食われても死んでいない!ところがすごい。ある程度食べてから、”やっぱりまずい”という感じで、全周を食われなかったのが生存している原因なのだろうか。

原稿修正

2008-08-02 | 研究ノート
・久しぶりの更新。いやはや原稿修正が立て込んで、大変なことになっていた。とりあえず、ヒノキ論文の修正原稿を予告どおり、31日に送付。YさんとUくんのファイナル原稿チェックと地がき論文の修正作業。明日からの富良野行きを前に何とかそれぞれに次のステップへ進むことができた。こんなにタイミングが重なることも珍しいわけだけど・・・。

・Rさんからマングローブ論文の審査結果が送られてきた。信じられないことに、Minor revision!Mol Ecolでもリジェクトしないことがあるのか・・・。やっぱりマングローブ初ということと、特に種子散布実態と定着過程の面白さが評価されたらしい。いやあ、ついにリジェクト街道を抜けたような感じかも・・・。ほめられるとやっぱりやる気になりますなあ・・・。