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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

シナノキ in Tokyo

2008-07-17 | その他あれこれ
・富良野では普通に見られるシナノキだが、実は当試験地にも植栽されていた(今まで気がつかなかった)、早速見に行ったところ、最初に”シナノキ”という看板がかかっている個体は、芽の形はシナノキに似ているものの、葉のかたちがハート形とは言い難く、本当にシナノキなんだろうかと疑ってしまうものであった。

・さらに奥に進むと、これはおなじみアオジナ(オオバボダイジュ)である。Tくんの研究でも調べたとおり、見事に萌芽している。かなり立派に成長しており、胸高直径は40cmくらいにはなっている。葉の大きさや形も富良野と同じ感じ。

・その奥の奥には、典型的なアカジナ(シナノキ)が数本まとめて生えている。果樹園側の日当たりのよいところには、おなじみの翼のついた実がびっしりとなっている。北海道では最も普通に見られる広葉樹の一つだが、こんなに暑いところでも立派に成育しているとは・・・。見習わなくちゃ。

・本日、熊本のIさんから篤林家によるナンゴウヒの“いわれ”に関する情報が入った。これで,なぜN14を親と想定した解析をしたかについて,もう少し踏み込んだ言及ができるようになった。さらに,具体的な交配計画に関する情報も頂いたので,こちらも今回のデータに基づいて是非を考察できるようになった。

・結局のところ,今回のヒノキ論文は非常にspecificな話なので,それを無理やりに一般化しようとしていた当初の試み自体に無理があったのであろう。”適材適所”という言葉があるように,やはり得られているデータを冷静に(冷徹に)見据えた上で,論文の投稿先なり、方向性を決めないと余計な手間がかかってしまうわけだ。しかし、いつまで経っても、これがなかなかできないんだよねえ・・・。

ヒノキ論文改訂

2008-07-15 | 研究ノート
・ヒノキ論文の修正作業、続く。関連文献Williams & Savolainen(1996)Forest Scienceをチェック。本論文は針葉樹の育種戦略の中での、自殖や近親交配の意義に言及した比較的珍しい分野の論文である。イントロでは、とうもろこしの育種との対比で、自殖や近親交配のメリットとデメリットが書かれてあり、引用するのには意外と便利。

・F1育種で新しい品種を作ろうとしたとき、どのくらいの血縁度までが許容範囲なのか、という指摘にどう答えるかということなのだが、スギでは全兄弟同士、半兄弟同士の交配によって得られるF2苗のパフォーマンスに関する論文が既に出ている、とTさんから教えてもらう(Kurinobu et al. 1991)。

・この論文では、スギのF2で近交度が0、0.125、0.25になるように交配を行い、近交度とF2苗の樹高の関係を調べている!雌花当たりの実生数は家系間のバラツキが大きく、中には全兄弟交配でも任意交配と変わらないケースもあるようだ。一方、樹高成長は近交度が高くなると樹高が低くなる傾向があり、近交度が0.1上ると約7%の減退が推定されている。

・育種世代が進むにつれて、遺伝的獲得量と近交弱勢のトレードオフが問題になるわけだが、選抜効果を考慮しても、スギの場合には血縁関係の交配は避けるべきという結論となっている。今回のヒノキ論文でも、考察を深める上で重要なものになりそうである。しっかし、人工交配はやっぱりパワフルなツールである。論文を投稿して批判をされると、色々と考えるきっかけになるねえ。

・いつの間にか、19日に迫ったゼミを前に、プレゼン準備。一通り、できたところで練習してみると、どうにも流れが悪い。そもそも最初の結果までの相互移植のイントロが長すぎて、自分でも疲れてしまう。これはいかんということで、思い切って、大幅に流れを修正。いきなり”標高への適応”から入ることにする。ここへ来ての大改造だが、果たしてどうなることか・・・。

アルバム

2008-07-13 | その他あれこれ
・子どもの卒業アルバムが届く。卒業アルバムというものは、新しい友達が来たときに見せては、何かと盛り上がる重要なアイテムである。自分の小学校のアルバムでは、個人写真はみんなガチガチなっていたものだが、最近は実に自然な笑顔を見せている。最近の子が写真慣れしていると見るべきか、あるいは、写真屋が上手だと見るべきか・・・。

・久しぶりに、Y社時代の同期Nが訪ねてきてくれた。現在は技術系の編集関係の仕事をしているらしく、何気に、結構近い業界にいることが判明。ところで、彼は既にサーフィンにはまっており、世界をまたにかけて波乗りしている。ロスや南米などの海岸の写真を見せてくれたもらうと、趣味らしい趣味を持っているのって、やっぱりいいよなあと思ったりする。

熱気

2008-07-12 | その他あれこれ
・熊本のIさんに久しぶりに連絡を取る。お互いに子どもが大きくなっていることに愕然としてしまった。何はともあれ元気そうで、最近は家庭菜園にはまっているらしい。ヒノキ論文について少々相談をした後、審査結果や改定原稿などを送る。最終的な育種目標は、やはり現場でしか見えてこないということで、コメントを頂く予定。



・試験地に忘れ物を取りにいくついでに、家族を引き連れて案内。途中のアスファルトの道は下からの熱気がすごい。しかし、試験地内の樹林地の日陰ではかなり涼しい。ふと交配をしたアオキをみると、果実がだいぶ膨らんでいる。これが冬までにあのサイズになるのであろうか・・・。

・午後から駅前のスーパーへ買い物に。夕方になるとだいぶ熱気もおさまる。本屋でそれぞれに欲しい本を買う。今回はめぼしい小説がなかったので、Movie・ピアを購入。夏までに観たい映画160本が載っているので、気になる映画をチェックしよう。

トモダチ

2008-07-11 | その他あれこれ
・早起きしてヒノキ論文の修正と編集委員への手紙を作成。とりあえず、方向性を示すことはできたと思われるので、共著者の皆さんに連絡。その後、少しずつ、日本語の部分を英語にしていく。

・ここ2日間は弥生なので、行きと帰りで車内読書を楽しんでいる。今週は、重松清著の”君の友達”。この本は、子どもが国語の授業で一部を読んで面白かったということで、以前に本屋で買っておいたもの。後半は涙なしには読めない。清涼な読後感とともに、「友達」とは何かということについて考えさせられる。主人公の設定は中学生だったり、小学生だったりするのだけれど、大人が読んでもいい小説である。

・今更、当方が語るほどのものではないが、子どもの世界というのは、見た目ほど無邪気なものではなくて、結構、残酷だったりする。小説の中でも取り上げられているテーマなんだけど、閉じられた世界の中で、”友達”を普通に維持するのは案外と難しかったりするのかもしれない。特に最近は、以前にもまして、大変なのかも。物語は主人公である「キミ」が主役である女の子からその周りにいる人たちに、一つ一つ移っていくという構成になっている。

・この小説の面白い(?)ところは、「”元気で負けない主人公”が周囲のいじめにも負けずに頑張って、周りを変えていく・・・」みたいな話じゃないところだろうか。メインの主人公もかなり屈折してるし、その周りの子達も、お調子ものだったり、ずるかったり、普通の子ども達である。いずれの話にも、結構悲惨な状況に陥ったりするんだけれど、どこか救いがあって心が温まるところがある。

確率計算

2008-07-09 | 研究ノート
・ヒノキ論文をすぐにも改訂したいと思いつつ、指摘にどう答えるべきかというところで悩む。やたらと遺伝子型が一致するクローン同士があり、親子関係とはいえ、普通、こんなに遺伝子型が一致することはないだろう、というのを言いたかったわけだ。確かに、前回のバージョンでは片手落ちの計算となっていたようである。

・Tさんとメール、電話でやりとり。あーでもない、こーでもないと議論しつつ、レビューアーの指摘に従って、近交度を用いた計算を行うことで、ようやく一筋の光が見えたような気が・・。しかし、この計算はそれなりに複雑で、”気合”だけでは限界があることが発覚。結局、Tさんにプログラム作成をお願いすることになってしまう。

・こちらも一部についてはエクセルで手計算。IF式などを使い、多少なりともスムーズにできるように改良。とりあえず、1座違いの場合でようやくプログラムと手計算の値が合うようになった。なるほど、近交度が高い場合には、このように遺伝子型が一致してしまうことがありうるのか・・・。ほほう、なるほど。

・しかし、グラフを描いてみると、なにやら形がおかしい気が。手計算の値と比較しつつ、再び、Tさんに質問したところ、プログラムを修正していただいた。今度は非常にきれいな値となり、納得の図が描けるようになった。いやはや、結局、Tさんにお願いしっぱなしで全く申し訳ない。このぐらいはRでプログラミングできるようにならないといかんのだが、自分では手も足も出ずといった感じであった(少しだけ、トライはしてみたのだが・・・)。

・得られた結果を元に論文用の作図。改訂した図やデータに基づいて、修正原稿を作成。まずは、新しい計算の部分を日本語で記載。計算パートを日本語で論文調に記述してみると、少しずつ整理されてくる(ような気になる)。同時に、他の修正部分も並行して修正作業。ずっと眺めていると、不思議なもので、納得の解釈ができるようになりつつある・・・。

カラス来襲

2008-07-07 | 研究ノート
・ヒノキ論文の審査結果が、5月末には送られていたにもかかわらず、それに気がつかないままに放置していたことが発覚(しかも、催促メールにも気がつかなかった・・・)。この論文については、審査結果が送られてくるのを心待ちにしていたので、当方にとっては晴天の霹靂であった。朝からドタバタと連絡とお願いをし、編集委員の方のご高配で、修正原稿の送付はしばらく待っていただけることになった。

・今となっては推測の域を出ないのだが、G-mailの自動振り分け機能を過信していたのが原因らしい。一応、迷惑メールもチェックしてから捨てていたつもりだったのだが、その中に埋もれたままに捨てられたということなのであろう。Tさんいわく、「重要なメールを実はいくつも見逃していて、みんな怒っているんじゃない?」。これは半分冗談だったけど、本当に気をつけないといけない。メールソフトも再検討した方がいいようだ。

・苗畑にてマツの剪定。七夕に剪定するというのが福岡時代にベテランのYさんから習ったことである。これで来春には多数の萌芽シュートが出てくれるはずなのだが・・・。ぱつんぱつんと切っていると、なんだか散髪をしているような気になった。

・帰りがけに自転車で走っていると、上のほうから妙にギャーギャーとカラスの声がすると思ったら、二回も襲われてしまった。低空飛行をして頭にぶつかる寸前(というか多少衝突している)であった。巣でもあるんだろうか・・・。ここまでカラスに襲われるのが怖いとは思わなかった。

蒸風呂

2008-07-06 | その他あれこれ
・ここ2,3日で急に蒸し暑くなった。しかし、”今クーラーをつけたら負け”という妙な強迫観念にかられて、我が家では扇風機で我慢している。6月がことのほか涼しかったのだが、夏本番はこれからである。

・子どもの中学の男子チームが決勝リーグに出ることになったので、見学に行く。”目立たないように観よ”というお達しなので、星飛雄馬の姉よろしく、物陰からそっと見学。我がHチームは頑張ってはいるのだが、いかんせん、背の高さで圧倒されている。最後まで封じ込められた感じで、完敗。中学生男子ともなると、デカイ選手は大人みたいである。

・夕方になると、ようやく涼しくなってきたので、近くの公園で野球の真似事。なかなかバットに当たらない。キャッチボールがまともにできるようになるには少々時間がかかりそうである。

sale

2008-07-05 | その他あれこれ
・午前中、駅前で自転車購入。これで家族全員、自転車持ちになった。当分、自動車は買わない方針で行くことになったので、やはり自転車があるのとないのでは全然範囲が違う。自動車を持たないとガソリンの高騰などにも泰然としていられるし、エコ家族である。

・午後から吉祥寺にて買い物。巷ではセール真っ盛りなので、我らが家族もショッピング。それぞれに買い物をしたり、お中元をしたり・・・。あっという間に時間が過ぎる。



・6時から”魚真”にて夕食。”ノドグロ”入荷の看板に惹かれて予約を入れておいたのだが、6時には既に満席状態。ちなみに”ノドグロ”という魚は萩の嫁さんのお姉さんから時折送ってもらう魚なのだが、焼き魚にすると絶品である。



・賑わいを見せる店はやはりうまい。子ども達は早々にミニネギトロ丼を食べていた。豆腐サラダは梅のじゃこはカリカリになっていて、実にうまかった。全体的にレベルが高い店で、正解。店が当たると嬉しいねえ・・・。

シェフ

2008-07-04 | その他あれこれ
・天気が悪いかと思ったら、午前中から青空になった。蒸し暑い。今のところ、関東近辺は意外と涼しくて助かっているわけだが、これからの夏が・・・。体は北海道仕様になっているからねえ・・・。いやはや、本当に怖い。

・昨晩の宴の後を片付けた後、ゼミの要旨作成。うーむ。とりあえず、カタカタと打ってはみたものの・・・。もうちょいと時間をもらって考えるとしよう。

・弥生までの往復で、小川糸著の「食堂かたつむり」をいきなり読んでしまった。いきなりの設定には少々驚いたが、あっという間に不思議な世界に引き込まれて。最後は目頭が熱くなる。いい小説でした。

・小説の中には、いろんな料理を作るシーンがたくさんあって、料理をつくることが好きになれそうな気分にさせてくれる、そんな小説でもあります(当方は食べる専門だけれど・・・)。