健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

史上最低気温

2013-12-21 08:30:37 | 日記
米国航空宇宙局(NASA)は、人工衛星による地表面の温度データを分析した結果、南極で2010年に氷点下93・2度が観測されていたことが判明したと発表したそうです(47 NEWS)。これまで記録された地球上の最低気温は1983年に南極にある旧ソ連のボストーク基地で観測された氷点下89・2度で、これを下回るものだそうです。NASAなどの研究者が複数の衛星の赤外線センサーによる32年分の地表の温度データを分析し、南半球の冬に当たる10年8月10日の晴れた夜、南極東部の高原で氷点下93・2度を記録したと判明したそうです。氷点下93.2℃の気温とはどんな感じなのでしょうね。
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乗り物酔い止め薬が骨を伸ばす

2013-12-20 08:30:39 | 研究
低身長を呈する難病「軟骨無形成症」に対する根本的治療薬の開発を目的とした既存薬1186種類をスクリーニングした結果、乗り物酔い止め薬として50年以上使用されてきた「メクロジン」に骨伸長促進作用があることを発見したという発表がありました(Livedoor News)。軟骨無形成症は、骨の成長抑制因子である「繊維芽増殖因子受容体3(fibroblast growth factor receptor 3:FGFR3)」が過剰に活性化されることにより発症し、低身長だけでなく脊柱管狭窄症や大後頭孔狭窄などの重篤な合併症を引き起こすことが知られています。軟骨無形成症におけるFGFR3の活性を抑える根本的な治療は現在のところなく、低身長に対する対症的な治療としては内科的な「インスリン様成長因子1(insulin-like growth factor-l:IGF-1)」の骨端軟骨に対する伸張作用を生かした成長ホルモン治療か、外科的な骨延長術が行われているそうです。しかし、軟骨無形成症では一般的にはIGF-1の活性低下はないため、成長ホルモン治療では期待される効果を得ることは難しかったほか、外科的な施術の場合、骨を切り取って再生を促し徐々に伸ばしていくため、長期間を要し、かつ合併症の併発など、負担が大きいという課題があったそうです。こうした状況に対し、近年の研究では、FGFR3シグナルを阻害する複数の低分子化合物を同定することに成功したそうですが、これらの化合物の毒物学的プロファイルは今のところほとんど不明であるため、ヒト投与時の毒性が懸念されているそうです。また、「C型ナトリウム利尿ペプチド(C-Type natriuretic peptide:CNP)」やCNPアナログがモデル動物に対して有効性が示されているものの、ヒトへの投与方法は未だに確立されていないとも。これらの課題に対して、既存薬の新たな効能探索による適用拡大を目指し、既存薬の網羅的なスクリーニングを実施したそうです。その結果、メクロジンの同定に至ったそうです。実際に、軟骨無形成症の複数の細胞モデルを用いた実験において、メクロジンはCNPと同等にFGFR3の活性を抑制できることが確認されたほか、胎生期のマウスの脛骨を用いたモデルにおいても、骨伸張抑制効果を阻害し、骨伸張能を維持することが確認されたそうです。これらの成果を受けて研究グループでは、健常なヒトの骨伸張にもFGFR3の関与示されていることから、メクロジンは軟骨無形成症だけでなく、低身長を呈する各種疾患に対して有効となる可能性があるとしています。ただ、軟骨無形成症に対する低身長治療薬としてメクロジンを使用する場合、成長期における長期用途が必要になるそうです。メクロジンは酔い止め薬として使われてきたことから、単回投与における安全性は確立しているものの、長期連続投与における安全性を改めて確認する必要があるそです。
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新たなエイズ治療法の可能性

2013-12-19 08:30:33 | 研究
「GANP(ギャンプ)分子」が、エイズウイルスの感染能力を失わせる酵素「A(ア)PO(ポ)BEC(ベック)3G」をエイズウイルスの中に運び込むことが確認されたそうです(YOMIURI ONLINE)。アポベック3Gはこれまで、エイズウイルスの遺伝情報に作用し、感染能力を失わせることが知られていたそうです。エイズウイルスに感染した白血球の一種「Tリンパ細胞」で、ギャンプ分子がどのように働いているかを研究し、ギャンプ分子と結合したアポベック3Gがエイズウイルス内に入り、ウイルスの遺伝子を変異させて感染能力を抑制したことを確認したというもの。このことは、エイズに感染しても、感染能力を失ったウイルスを生体内で作ることができることを示していることになるそうで、新たな治療法の開発につながる可能性があるということです。
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健康・医療戦略

2013-12-18 08:30:52 | 研究
政府の健康・医療戦略推進本部の専門調査会は、認知症やうつ病などを根本的に治療する薬の開発に向けて、2020年ごろまでに人に投与して安全性を確かめる治験を始めるなどとした、健康・医療産業の振興についての基本的な考え方をまとめたそうです。専門調査会は先日、経済の成長戦略の1つとして健康・医療産業の振興を図るための政府の総合戦略について、基本的な考え方をまとめ、世界をリードする医療の提供を実現し、国民の健康寿命を伸ばすとともに、健康・医療分野の産業力を向上させ、国の経済成長に貢献するとしています。そのうえで具体的には、2020年ごろまでの目標として、認知症やうつ病などを根本的に治療する薬の開発に向けて、人に投与して安全性を確かめる治験を始めること、医療機器の輸出額を倍増し1兆円規模とすること、そして、再生医療の分野ではiPS細胞の技術を活用した新しい治療薬の臨床応用などを挙げているそうです。さらに、2030年ごろまでには、インフルエンザに対する万能ワクチンなど、新たなワクチンを開発するとも。認知機能やうつ病治療ですね。
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食物アレルギーの子どもが増加している

2013-12-17 08:30:40 | 研究
食物アレルギーがあると学校に届けられている子どもは45万人余りと全体の4.5%に当たり、9年前の1.7倍に増えていることが文部科学省の調査で明らかになったそうです(NHK NEWS WEB)。こんなに多いのですね。驚きです。一方で、医師の診断書などが提出されているのは20%余りで明確な根拠がないまま対応している可能性も示されたとも。この調査は、去年12月、東京・調布市の小学校で食物アレルギーのある女子児童が給食を食べたあとに死亡した事故を受け、文部科学省が全国の公立の小中学校と高校を対象に9年ぶりに行った結果だそうです。食物アレルギーがあると学校に届けられている子どもは45万3962人と全体の4.5%に当たり、9年前(2.6%)の1.7倍の割合に増えていることが分かったというもの。しかし、このうち医師の診断書などが提出されているのは21%にとどまっていて、明確な根拠がないまま対応している可能性がるとも。医師がしっかり検査をせずにアレルギーの可能性を示唆したことで、保護者が心配して学校に届け出るケースもあるとみられるとい意見もあるようで、専門医育成の必要性も指摘されているようです。昨年度1年間にアレルギーの原因食材を誤って食べてしまう「誤食」が40件起き、このうち8件でアレルギー症状が出て、薬を注射したケースが2件あったそうです。大きな問題ですね。
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透明な角膜

2013-12-16 08:30:41 | 研究
目の角膜の透明性に関わるたんぱく質が発見されたそうです(日本経済新聞)。研究では、成長すると角膜になる「角膜上皮幹細胞」に注目し、たんぱく質「LRIG1」が特異的に存在していることを突き止めたそうです。このたんぱく質を体内でつくれないマウスを作製して機能を調べる実験をしたところ、目の内部で炎症が起きて目の表面にある角膜が白く混濁したというもの。角膜が損傷した患者を対象に、iPS細胞から作った角膜を移植しようとする研究も進んでいますが、今回の成果は、より安全で透明性に優れた角膜を作製するのに生かされるということのようです。
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胆道がん特有の遺伝子変化発見

2013-12-15 08:30:08 | 研究
年間2万人がかかる胆道がんに特有の遺伝子の変化が発見され、この変化をターゲットにした新たな抗がん剤の臨床試験が来年夏にも始まるということが報道されました(NHK NEWS WEB)。胆道がんは年間およそ2万人がかかりますが、治療が難しく、5年生存率は20%余りにとどまっています。研究は、胆道がんの患者66人から提供されたがんの組織を詳しく分析し、「FGFR2」と呼ばれる遺伝子の一部が大きく変化していることを突き止めたというものです。抗がん剤の開発に使える胆道がん特有の遺伝子の変化が見つかったのは初めてで、研究グループでは、この変化をターゲットにした新たな抗がん剤の臨床試験を来年夏にも始めることにしているそうです。この遺伝子をターゲットにした新しい治療法や薬の開発が期待されます。
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詩の朗読と認知症

2013-12-14 08:30:42 | 研究
詩を聞くことには、記憶やコミュニケーション能力、基礎的技能の喪失などの認知症の症状を一時的に改善させる効果があるとされているそうです(AFPBB NEWS)。よく知られている詩の一節のリズムやペースが、記憶や語感を呼び起こす引き金になることがあるとのことです。ですが、認知症の進行が止まることはないとも。
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遺伝性心臓肥大のリスク

2013-12-13 08:30:29 | 研究
遺伝性の心臓肥大の患者は、高血圧だけが原因の患者に比べて心不全や不整脈が発生しやすいことが確認されたそうです(富山新聞)。心臓肥大は心臓の筋肉が厚くなる病気です。主に高血圧によって引き起こされるほか、心筋そのものの異常による場合があり、その多くが遺伝性の「肥大型心筋症」とみられるそうです。研究では、10~80代の患者256人の遺伝子解析と1年後の状態を調査し、突然死や心不全、不整脈の発生率を比較したそうです。その結果、遺伝性の患者の発生率は約15 %だったのに対し、高血圧だけの患者は約5%にとどまったというのです。研究には全国の7大学・施設が参加。心臓肥大患者に対する遺伝子解析の重要性を示す研究であり、病状の予測に役立つことが期待される。
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細胞から細菌を排除するための鍵分子

2013-12-12 08:30:24 | 研究
シグナル伝達分子8-ニトロサイクリックGMPが、細胞内からの細菌排除を促進する鍵分子であることが明らかにされたそうです(QLife Pro)。身体は、細胞内に侵入した異物を選んで取り除くという仕組みを持っているのはご存知かと思います。そのための目印は、何らかの分子が担うと考えられていたそうです。今回の研究で、一酸化窒素の分解で生成する8-ニトロサイクリックGMPという分子が、細菌の表面に結合して、選択的オートファジーで分解するための目印となっていることが発見されたそうです。さらに、この分子を細胞外から補うことによって、細菌の排除が促進されることも分かったとも。つまり、細菌を直接殺す抗菌薬を用いなくても、細菌に目印をつける過程を補助することで、人間が本来持っている免疫機能によって細菌を排除できるということになるそうです。細菌感染が起きると、人間の細胞は防御のために一酸化窒素をつくるそうです。これまでは、一酸化窒素が直接細菌を攻撃してダメージを与え、殺菌すると考えられていたそうです。細菌が排除されるオートファジーでは、同様の目印としてユビキチン鎖というタンパク質からなる標識が知られていました。今回の研究により、細菌表面にまず8-ニトロcGMPが結合して、その後ユビキチン鎖が付加されることも判明したそうです。つまり、8-ニトロサイクリックGMPは、排除するべき異物の目印のうちで最も初期に活躍する分子であるということが分かったということです。
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