健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

火星に生命育む環境

2013-12-11 08:30:11 | 宇宙
火星が、かつては生命を育むことができる環境にあったことが、火星探査機「キュリオシティ」の調査で改めて確認できたと発表がありました(NHK NEWS WEB)。去年8月に火星に着陸したNASAの火星探査機「キュリオシティ」は、内蔵されたさまざまな装置を使って周辺の環境を解析したり採取した岩石の分析を進めたりしていることは皆さんもご存知かと思います。最新の調査結果によると、「キュリオシティ」が着陸した付近では、かつて湖が数万年間にわたって存在したとみられるほか、そこには炭素や水素、酸素、それにリンなど、生命に必要な元素が豊富に存在したことが確認され、さらに酸の度合いもほぼ中性で塩分も少なかったとみられることが明らかになったそうです。同じような調査結果はことし3月にも発表されているそうですが、今回の詳細な分析によって、火星がかつては生命を育むことができる環境にあったことが改めて確認できたとしているようです。今回は、採取された岩石の年代を特定したり、火星の地表で浴びる放射線量を調べたりした論文など火星に関する6つの論文がまとめて発表され、火星に生命体が存在した可能性を探るうえで重要な成果として注目されることになりそうだということです。
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幼少期の光が概日リズム障害を回復

2013-12-10 08:30:02 | 研究
遺伝性概日リズム障害が幼少期の連続照明で回復することが明らかになったという発表がありました(QLife Pro)。睡眠・覚醒などの1日を1単位として繰り返される現象を概日リズムと呼び、体内時計がこれを作り出しています。体内時計中枢は脳内にあるが、概日リズムを作り出している時計遺伝子のひとつであるCryptochrome(Cry)が欠損すると、授乳期の体内時計で見られた概日リズムが離乳頃には消失することが分かっています。この研究は、環境遺伝子の影響を受けて脳が発育をするメカニズムに着目し、遺伝性概日リズム障害に光環境がどのように作用するかを調べたもので、生後発達に伴う光環境が遺伝子変異による概日リズムの破綻にどのように影響するかが検証したそうです。Cryを欠損させたマウスを出生直後から連続照明下に曝露し、さらに離乳後3週間まで連続照明下で飼育を行った後に恒常暗に移行したそうです。離乳後から赤外線センサーで行動量を測定したところ、行動リズムが回復したことが明らかになったというのです。また、成長後の連続照明は、概日リズム障害を抑制しなかったとも。
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子供の足

2013-12-09 08:30:55 | 研究
世界的に現代の子どもたちは親世代よりも走るのが遅く、その原因は子どもたちの体重増加にあるという研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。28か国から集めたランニングと健康に関する50の研究を分析し、1964年から2010年までの若者2500万人分のデータを網羅しているそうです。1975年ごろを境に、どの国の子どもたちでも心血管系の健康状態が下降線をたどっているというのです。また、例外なく10年ごとに持久力が約5%低下していき、親の世代と比べて心血管系の健康状態が約15%劣化しているとも。さらに、1マイル(1.6キロ)走のタイムも、30年前の子どもたちと比較して1分30秒ほど遅いそうです。心血管系での持久力低下と、各国の体脂肪平均および肥満の計測結果との間には関連性が見られ、30%から60%もの持久走力の低下は、脂肪の増加で説明できるそうです。子供のころから運動が必要ということですね。
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がんの引き金酵素の形を特定

2013-12-08 08:30:48 | 研究
がんの引き金になる酵素の立体的な形が確認されたというニュースが先日報道されていました(朝日新聞デジタル)。この酵素の働きを抑える新しい抗がん剤の開発につながるそうです。がん全体の2、3割で、細胞の増殖に関わるラスというたんぱく質が異常になっているそうです。ですが、ラスたんぱく質自体を標的にした薬は、体内にたくさんある似たようなたんぱく質も攻撃してしまうため、副作用が強くて使えないそうです。そこで、ラスが働くのに必要な酵素Rce1に着目し、特殊な操作でこの酵素をきれいな結晶にし、X線でその正確な形を調べ、ラスがくっつくくぼみの場所や大きさなどを突き止めたというのです。このくぼみにはまる化合物をつくれば、ラスの働きが抑えられ、がんの増殖も止められる可能性があるというのです。ラスの異常は、膵臓がんの90%、大腸がんの40%にかかわっているとされ、これらのがんを治療する薬の開発に発展する可能性のある研究成果だそうです。
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脳と脊髄の神経結合の強化

2013-12-07 08:30:16 | 研究
サルの頭部に電子回路でできた装置をつなぎ、大脳が命令を出した直後に電気信号を脊髄へ送る実験で、大脳と脊髄の神経結合を人工的に強化することに成功したそうです(MSN産経ニュース)。この成果は、脳梗塞や脊髄損傷で手足を自由に動かせなくなったまひ患者でも、残った神経を強化することで、より強い力を出せるようになる可能性を示すものですね。リハビリなどへの応用が期待されます。
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雄の子孫に危険を「警告」する遺伝メカニズム

2013-12-06 08:30:03 | 研究
興味深い記事を見つけました。雄の子孫に危険を「警告」する遺伝メカニズムがあるというのです(AFPBB NEWS)。特定の匂いを恐れるように訓練された雄の実験用マウスは、精子内のあるメカニズムを介して、その匂いに関連して受けた衝撃を後に生まれる雄の子孫に伝えることができるとするというものです。動物は祖先の心的外傷(トラウマ)の記憶を「継承」し、あたかも自分がその出来事を体験したかのような反応を示すという説があったそうです。これは後成遺伝学(エピジェネティクス)研究の最新の発見だそうです。エピジェネティクスでは、遺伝子の基礎情報であるDNAの塩基配列に何の変化がなくても、遺伝子が異なる振る舞いを始める要因として、環境要因が挙げられています。今回の結果は、この事実を見事に証明していますね。どの程度DNAが修飾されていたかは不明です。
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国際学力調査

2013-12-05 08:30:48 | 日記
経済協力開発機構(OECD)が、2012年に65カ国・地域の15歳約51万人を対象に実施した学習到達度調査(PISA〈ピザ〉)の結果を公表したそうです(朝日新聞デジタル)。日本の平均点は、「読解力」「数学的リテラシー(応用力)」「科学的リテラシー」の全3分野で、現在と同じ調査方法になって以降、最高だったそうです。国・地域別順位も2回続けて上昇し、学力の向上傾向が鮮明になったそうです。PISAは00年から3年ごとに実施され、今回が5回目。調査方法は、読解力は当初から変わらず、数学は03年、科学は06年から現在と同じだそうです。国・地域別順位では上海が前回に続き、3分野全てで1位だったとも。日本は無作為抽出の約6400人が受験。平均点は読解力538点(4位・前回比18点増)、数学536点(7位・同7点増)、科学547点(4位・同8点増)。7~8段階の習熟度別では、全3分野で上位層(レベル5以上)が増え、下位層(レベル1以下)が減ったということです。文部科学省は、学習指導要領の改訂や少人数指導の普及など「脱ゆとり」の施策が好成績の要因とみているそうです。
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H7N9型

2013-12-04 08:30:25 | 日記
香港でH7N9型の鳥インフルエンザウイルスの人への感染が初めて確認されたそうです(NHK NEWS WEB)。感染が確認されたのはインドネシア国籍の36歳の家政婦の女性で、病院で手当てを受けているそうですが、症状は重いということです。女性は11月17日に、香港に隣接する中国南部の広東省深*センの市場で生きたニワトリを購入し、自分で調理して食べたところ、香港に戻ったあと、せきなどの症状が出て入院していたということです。また、女性と接触のあった複数の人も、感染していないかどうか香港の病院で検査を受けているということです。H7N9型の鳥インフルエンザウイルスの人への感染は、中国本土や台湾でことしに入って140人余りに上っていますが、香港で確認されたのはこれが初めてだそうです。当局は、中国本土からの生きたニワトリの輸入を中止したり、ニワトリの飼育施設を消毒したりするなど、緊急の措置を取ると発表し、感染が拡大しないよう警戒を強めることにしているとのことです。日本にやってくるのも時間の問題でしょうか。不安ですね。
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スポーツ見るだけで健康促進

2013-12-03 08:30:26 | 研究
スポーツを観戦するだけで、健康を促進させることができるかもしれないとの研究結果が先日発表されたそうです(AFPBB NEWS)。他の人が運動する様子を見ると、まるで自分自身が運動をしているかのように、心拍数などの生理的指標が上昇することが分かったということだからというのですが・・・・・。別の誰かが走っている映像を見た人の心拍数や呼吸、皮膚血流量、発汗量はいずれも上昇し、見終わるとすべて通常値に戻ったというのがその根拠。調査を実施した研究者らは、運動の様子を見るだけで筋交感神経活動が活性化されることが、初めて確認されたというのです。この研究では、他人が運動をする様子を見るだけで身体は少量の運動をしたことになるとの結論が出たそうでうが、注意しなければならないのは実際の運動に匹敵するものではないということです。
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バイリンガルと認知症

2013-12-02 08:30:35 | 研究
バイリンガルの認知症患者は、1ヶ国語しか話さない患者に比べて、発症が平均4.5年遅いことがわかったそうです(MSNトピックス)。2ヶ国語を話すことに保護的な効果があることは知られていたそうです。また、研究対象となった患者数の多さに注目が集まっているそうです。大学病院のメモリークリニックの患者648人のうち、391人もの患者がバイリンガルだったというのです。さて、「2ヶ国語を話せる能力」は、具体的に何がいいのか、興味深いですね。バイリンガルは常に、脳内で1つの言語を活性化させ、別の言語を抑えておく必要があるそうです。そのことが、実行機能のさらなる発展につながるそうです。注意力を必要とするタスクは認知力を高め、注意制御、抑制、紛争解決に最良の効果をもたらすと言われているそうです。興味深いことに、3ヶ国語を話す患者には、神経学的な効果が認められないそうです。認知症を遅らせるには、母国語以外に1つの言語を話せるだけで十分だというのです。
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