健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

タンパク質分解異常とALS

2013-01-24 08:30:24 | 研究
神経難病の一つ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症に、タンパク質の分解異常が関与することを示す研究成果が発表されたそうです(わかやま新報)。ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリーに掲載されたそうです。ALSやパーキンソン病などの神経細胞が変性する疾患では、 異常なタンパク質の蓄積がこれまでに確認されており、細胞内のタンパク質分解機構の機能障害が病因との仮説が挙げられていたそうです。今回の研究では、主なタンパク質分解経路である「ユビキチン・プロテアソーム系」と「オートファジー・リソソーム系」をそれぞれ阻害する遺伝子操作を行ったマウスを開発し、「ユビキチン・プロテアソーム系」を阻害したマウスでのみ、体の震えや運動機能の低下などのALSと類似した症状、神経細胞の変性が認められたというのです。したがって、「ユビキチン・プロテアソーム系」の障害が、遺伝的要因を伴わない孤発性のALSの発症に関係することが証明されたというものです。今後はこの遺伝子改変マウスを研究に用いることで、 病因の解明や治療法の開発の促進が期待されるそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする