健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

遺伝子で若年性認知症の原因病を診断

2013-01-06 08:30:04 | 研究
若年性認知症の原因となる病気の一つで、これまで死後の解剖でしか報告がなかった「軸索腫大を伴う遺伝性びまん性白質脳症」(HDLS)について、遺伝子診断で患者を生前に特定したそうです(信毎web)。確認した患者は5家系6人だそうです。HDLSは世界でも報告例が30前後しかなく、国内では死亡した患者の脳の解剖による報告が数例あるだけだったそうです。診断は、23対あるヒトの染色体のうち、第5染色体にある「コロニー刺激因子1受容体」という遺伝子の変異を調べるそうです。両親のどちらかから変異した遺伝子を受け継げば現れる優性遺伝で、遺伝情報に関わる塩基配列が1カ所置き換わっただけで発症するそうです。厚生労働省研究班の2009年の推計によると、若年性認知症の患者は全国で約3万7800人。原因となる病気は脳血管障害が約40%で、約25%のアルツハイマー病を上回るそうです。これまで血管性認知症と診断されていた若い患者の中に、HDLSが含まれていた可能性が高いそうです。遺伝子診断から病態の解明が進めば、現段階で開発されていない有効な治療法にも道が開ける可能性が一層高まりますね。
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