健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ミカンで骨粗鬆症予防

2013-01-13 08:30:57 | 研究
先日、興味深い記事が報道されていました(YOMIURI ONLINE)。ミカンを毎日4個程度食べる閉経後の女性は骨粗鬆症になりにくいというのです。果物や野菜に含まれるカロテノイド色素のうち、特にミカンに多く含まれる「β―クリプトキサンチン」が、健康な骨を維持するのに有効とみられるそうです。この研究は2003年度から、三ヶ日みかんの産地として知られる浜松市の旧三ヶ日町で栄養疫学調査によるものだそうです。2005年、閉経した女性212人に協力してもらい、β―クリプトキサンチンの血中濃度を調査し、ミカンを毎日4個程度食べる「高濃度グループ」、毎日1、2個食べる「中濃度グループ」、毎日は食べない「低濃度グループ」に分け、骨粗しょう症の発症率をそれぞれ調べたそうです。また、4年後の2009年に追跡調査を実施し、新たに骨粗鬆症を発症した人について調べたというものです。その結果、高濃度グループは低濃度グループに比べ、骨粗鬆症の発症リスクが92%低かったというもの。中濃度のグループでは統計的に有意な結果は見られなかったことから、ミカンを毎日継続して4個程度食べることで、骨粗鬆症を予防できる可能性があるそうです。「β―カロテン」など他の5種類のカロテノイド色素も調査したそうですが、骨粗鬆症と関連があるとみられる色素はなかったそうです。β―クリプトキサンチンはビワや柿にも含まれるそうですが、血中濃度を上げる要因としては、年間を通じてまとまった量を入手しやすいミカンを毎日食べること以外には考えにくいとも。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする