我が家は38匹の幼虫の殆どが成虫になったので、それなりに死んで行くカブトムシの数も多い。マンションの前の公園の脇が埋葬ポイントになっています。
あぁ。この写真も10日前のものか。日が経つのが早くて困っちゃうね。
月末・月初は案の定休みがなかった訳ですが、職場の皆様の御理解もあり月末処理は問題なく終えることが出来ました。
8月3日。午前0時。
ボクは夜勤だったので、いつも通り巡視を行っていました。
特にお変わりなく。夜は何も無いのが一番だ。
そして0時10分。そう。たったの10分後。
キッチンでアイスコーヒーを作っていると・・・
『ピチャピチャ・・・ピチャピチャ・・・』と音がする。
暗いホールを見るとKさん(お婆さん)がいるではないか。
Kさんは90歳。もう4年近くこのホームに住んでいる。
最近は認知症が酷く、殆ど言葉は理解出来ていない。
大抵、夜中に2~3度トイレに起きてくるのだが、いつもは『キュッ、キュッ!』という靴の音で『あ、Kさんがトイレに起きて来たな。』と分かる。
Kさんの近くに寄って見る。こめかみ辺りから何かが噴出している。
メチャメチャ嫌な予感が・・・慌ててホールの照明を付けると・・・
Kさんの居室からホールまで、まさに血の海であった。
Kさんの真っ白な髪の毛、そしてパジャマも血だらけだった。
ボクは常に冷静だと皆から言われます。実際、この時も冷静でした。
急いで他のフロアの夜勤者に援護を頼み、タオルを押し当て止血。
3分後には救急依頼も済んでいました。
救急隊は到着したものの『認知症』と言うことで複数の病院に断られていました。
認知症の患者さんは、点滴やカテーテルを引き抜いたり、環境が変わると夜通し徘徊などをしてしまうことが大いにしてあるので病院は嫌がるのです。
そんな中、やっと搬送先が決定。
その間ボクは家族に連絡、必要な保険証や現金小口を揃えて準備していました。
そして救急車に乗って病院へ。初めて救急車に乗りました。
病院に着くと医師が『Kさん!どうしたの?何処が痛いですか?』と尋ねる。
おびただしい量の出血をしているにも関わらず、Kさんは意識がしっかりしていて『はぁ?何処も痛くないけれど・・・足が少し痛いです。』と、トンチンカンなことを言っている。転倒して頭をザックリいったことをまるで理解出来ていなかった。
レントゲンとCTを撮り、5針縫う。
その間、ボクは黙々と報告書を下書きし、ケアの改善案を考えていた。
何でこんなに冷静なんだろう。自分でも少し不思議だった。
2時20分。タクシーでホームに帰宅。Kさんは何事も無かったように笑っていた。
女性職員2人はうつろな顔でこう言った。
『戻って来たんですか?!・・・正直、このまま亡くなっちゃうのかと思ってたんだけど・涙。』
それだけ出血の量が凄かったってことなのね。
ボクが留守の間、彼女達が血だらけの居室とホールを綺麗に掃除してくれていた。
しかし、何とも言えない血の臭いが・・・流石にこれは気持ち悪かった。
居室に戻り、Kさんが眠りに就いたのは2時30分。
ボクは記録業務に追われていた。
頭部を強打した後だけに、30分おきに巡視を行い呼吸の確認をしていた。
そして4時の巡視。
あり得ない・・・Kさんは頭に巻かれた包帯とガーゼをむしり取っていた。
この時は流石にキレそうになった。
まだ血が滲んでいる側頭部・・・Kさんは何事もなかったかのように血だらけの包帯を丁寧に畳もうとしている・・・。
以前もあった。
転倒して頭を数針縫ったお婆さんが、縫った傷跡が痒いのを我慢出来ずにボリボリ掻いて再び出血したことが・・・。
病院が認知症の患者を敬遠する気持ちも分かる。
(つづく)
あぁ。この写真も10日前のものか。日が経つのが早くて困っちゃうね。
月末・月初は案の定休みがなかった訳ですが、職場の皆様の御理解もあり月末処理は問題なく終えることが出来ました。
8月3日。午前0時。
ボクは夜勤だったので、いつも通り巡視を行っていました。
特にお変わりなく。夜は何も無いのが一番だ。
そして0時10分。そう。たったの10分後。
キッチンでアイスコーヒーを作っていると・・・
『ピチャピチャ・・・ピチャピチャ・・・』と音がする。
暗いホールを見るとKさん(お婆さん)がいるではないか。
Kさんは90歳。もう4年近くこのホームに住んでいる。
最近は認知症が酷く、殆ど言葉は理解出来ていない。
大抵、夜中に2~3度トイレに起きてくるのだが、いつもは『キュッ、キュッ!』という靴の音で『あ、Kさんがトイレに起きて来たな。』と分かる。
Kさんの近くに寄って見る。こめかみ辺りから何かが噴出している。
メチャメチャ嫌な予感が・・・慌ててホールの照明を付けると・・・
Kさんの居室からホールまで、まさに血の海であった。
Kさんの真っ白な髪の毛、そしてパジャマも血だらけだった。
ボクは常に冷静だと皆から言われます。実際、この時も冷静でした。
急いで他のフロアの夜勤者に援護を頼み、タオルを押し当て止血。
3分後には救急依頼も済んでいました。
救急隊は到着したものの『認知症』と言うことで複数の病院に断られていました。
認知症の患者さんは、点滴やカテーテルを引き抜いたり、環境が変わると夜通し徘徊などをしてしまうことが大いにしてあるので病院は嫌がるのです。
そんな中、やっと搬送先が決定。
その間ボクは家族に連絡、必要な保険証や現金小口を揃えて準備していました。
そして救急車に乗って病院へ。初めて救急車に乗りました。
病院に着くと医師が『Kさん!どうしたの?何処が痛いですか?』と尋ねる。
おびただしい量の出血をしているにも関わらず、Kさんは意識がしっかりしていて『はぁ?何処も痛くないけれど・・・足が少し痛いです。』と、トンチンカンなことを言っている。転倒して頭をザックリいったことをまるで理解出来ていなかった。
レントゲンとCTを撮り、5針縫う。
その間、ボクは黙々と報告書を下書きし、ケアの改善案を考えていた。
何でこんなに冷静なんだろう。自分でも少し不思議だった。
2時20分。タクシーでホームに帰宅。Kさんは何事も無かったように笑っていた。
女性職員2人はうつろな顔でこう言った。
『戻って来たんですか?!・・・正直、このまま亡くなっちゃうのかと思ってたんだけど・涙。』
それだけ出血の量が凄かったってことなのね。
ボクが留守の間、彼女達が血だらけの居室とホールを綺麗に掃除してくれていた。
しかし、何とも言えない血の臭いが・・・流石にこれは気持ち悪かった。
居室に戻り、Kさんが眠りに就いたのは2時30分。
ボクは記録業務に追われていた。
頭部を強打した後だけに、30分おきに巡視を行い呼吸の確認をしていた。
そして4時の巡視。
あり得ない・・・Kさんは頭に巻かれた包帯とガーゼをむしり取っていた。
この時は流石にキレそうになった。
まだ血が滲んでいる側頭部・・・Kさんは何事もなかったかのように血だらけの包帯を丁寧に畳もうとしている・・・。
以前もあった。
転倒して頭を数針縫ったお婆さんが、縫った傷跡が痒いのを我慢出来ずにボリボリ掻いて再び出血したことが・・・。
病院が認知症の患者を敬遠する気持ちも分かる。
(つづく)
そういった意味では凄く勉強になりました。
お婆さんは超が付くほど元気で・笑。
職員曰く『頭を打ったから逆にしっかりしちゃったんじゃない?』ってほど元気になられています。
今日、抜糸です☆
臭いが残ってしまうほどの流血経験がないので、想像を超えた大変さがあったんだろうなと思いました。
お婆さんのお怪我が、一日も早く完治しますように。。