一生

人生観と死生観

ラムゼイさん、今日は

2008-07-16 13:28:04 | 歴史
7月16日 晴れ
 1904年ノーベル化学賞のウィリアム・ラムゼイの伝記を読み始めた。二回目なので英文も割合楽に読める。この愛すべき人物はとても友達を作るのが上手である。語学については天成の才能を持っていたようで、旅行先の国の言葉をつぎつぎにマスターするのだそうだ。父母が事情により長く結婚できず、40歳近くになってやっと結婚したそうだ。だから一人っ子であった。友達つくりはそのせいでうまくなったとも言えるが、しかし、一人っ子はとかく自己中心になりがちなのにこの人物はその臭いが感じられない。母がしっかりしたキリスト教徒であったため、幼い頃から教会に出席していて、生涯教会員であったようだから、そういう背景が影響しているのかも知れない。ノーベル賞に評価されたのは希ガスの発見、その嚆矢(始まりのことだが、今の若者には分からないかもしれない。とても風格のある言葉だ)となったのは空気中のアルゴンの発見であり、きっかけは物理学者のレイリー卿が提供したのだ。ラムゼイと同時にレイリー卿もノーベル物理学賞を貰っている。ラムゼイの友愛主義が認められたかのような二人の受賞だった。日本人でノーベル賞を貰った田中耕一氏は仲間の研究者をストックホルムに誘ったようだが、こちらの集団主義はまだ国際的に認められているかどうか。いろんなやり方、流儀というものがあり、率直に表現するのも良い。
 ともかくラムゼイの周りには沢山の人が集まり、気持ちの良い交際があったようだ。これからの時間が楽しみである。