17世紀のオランダの画家フェルメールの「手紙を読む青衣の女」を模写しました。
画集「フェルメール」の解説によると、
当時のオランダでは、通信網の整備によってできた手紙というツールは、
今のインターネットの登場にも匹敵する出来事だったようです。
彼はその「手紙」をテーマにした絵を6点ほど描いているようですが、
私はこの絵が大好きで前々から模写してみたいと思っていました。
自分なりの絵の解釈ですが、身重の(とおぼしき)女性が、
おそらく夫であろう人からの手紙を読む、その表情がたまりません。
絵の背景は当時のオランダ2州の地図とのことで、
夫はそのどこかで働き、妻を案じて便りをしたのでしょう。
模写するにあたり、最初はこの絵全体でなく、
身重の彼女と地図だけに絞って描こうかと思いました。
しかしこの部屋、この家具こそが
二人の部屋、すなわちこの絵の“場”なのだと思い直し、
全体を描くことにしました。
最も腐心したのは、言うまでもなく彼女の顔。
この曰く言い難い表情は、難しい!であります。
[補記]
安倍首相が辞意を表明しました。
トランプ米国大統領はじめ世界各国の首脳から、
首相の指導力と功績を讃え、その辞任を惜しむ声が届いているとのことです。
日本の憲政史上、歴代首相の中で、
世界にむけて日本という国の存在感や影響力を
彼ほどに示した首相はいないでしょう。
それも難病とされる病気と闘いながらです。並の人間に出来ることではありません。
本当にご苦労様でした、ありがとうございました、と
国民の一人として心からお礼を申し上げるものです。
ただ、辞任会見で首相ご自身が述べておられるように、
「拉致問題」は自分の手で解決できず痛恨の極みであり、
「ロシアとの平和条約」、「憲法改正」については志半ばとなり、
断腸の思いであると。
首相ご自身も残念でしょうが、
三つのテーマそれぞれの直接の関係者や関心を持つ者にとっても、
安倍首相なら実現してくれるだろうとの期待が大きかったが故に、
また辞職の理由が健康上のこととされるだけに、
何か言葉にならない無念さで一杯の者も多いことと思われます。
我が国にデーンとした背骨を通す・・・そのため憲法の改正をと念じていた
不肖私めもその内の一人であります。
ものごと、何がどう動くのかわからないものです。
思えば、5年前に安全保障関連法が成立しました。
憲法改正ではなく解釈改憲によってでしたが、
これにより抑止力が高まったことは間違いない事実でしょう。
また首相が大統領と特別の信頼関係を築き得たこと、
これも同盟としての大きな絆になりました。
これらはいずれも素晴らしいことだったと思います。
しかし一方で、これらのことが憲法改正という視点から見れば、
その緊要度を下げてしまったのではないかと懸念するものです。
そもそも我が国の憲法を安保上これを見れば、甘えの構造どっぷりで、
この憲法本体を正すことには、
皮肉にも真逆のベクトルが作用したのではないかと。
これから世界は大きく動きそうです。
米国の大統領選も間もなくです。
トランプ大統領の再選なるか、それとも政権交代か。
台頭する対中国戦略が大きなテーマになることは間違いなく・・・。
米国とて、甘え一杯の日本をいつ突き放すか分かりません。
その本性が見えてきた中国共産党。
長期的にはアメリカを抑えて世界制覇を狙うのでしょう。
日本にも、経済を餌に、手を変え品を変えて、じわりじわりと、
中国の意に添うように、アプローチしてくることでしょう。
それも相当な“ワル”をしながら、です。
半島情勢もどう動くか分かりません。
南北関係いかんによっては安全保障環境が一変するかもしれません。
面妖な隣国との付き合いはこれからも続きます。
そして日本も総裁選、新しい指導者が選ばれます。
世界の荒波での舵取り、よろしきを得たリーダーシップを期待するものです。
「国のあり様」は本来国民が決めるものだと思います。
安倍首相の時は、一強体制の反作用とでもいえましょうか、
野党が固まってしまい、国民的議論までいけませんでした。
次の指導者には、是非とも野党も含めた議論を呼びかけてほしいと思います。
聖徳太子の十七条憲法第1条後段にある「論(あげつら)う」の原点
に立ち返っての国民的議論を期待するものです。
[追記]
拙ブログは、当分の間(9月一杯)休ませていただいております。
流石ですね。そっくりだと思います。夫の近況、自分を気遣ってくれる夫への感謝、出産へ不安、次は何時会えるのだろう等々諸々の事を思いながらの表情・情景はしっかり表現されていると思います。
安倍首相には、本当にお疲れさまでした。流動的な世界情勢の中で、全てを終えて下番するなんてことはあり得ません。体調の不調と政権交代を考えた時、無念さはあるものの今が被害を最小限にするのにベストと考えてのことでしょう。
次の指導者は大変な時期での上番となりますが、頑張って欲しいと願うばかりです。
尊敬し誇りに思っていた安倍首相の健康事情による辞任は日本国にとって痛恨事だと思います。
ほとんどの国で評価され実績があり存在感がありながら自分の国のメディアで貶められてきた悲劇の宰相、残念です。
道半ばの安倍路線を受け継ぐ政権が日本国の自立と存在感を継続してくれることを願うのみです。