MATTのひとりごと

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33年ぶりに・・・

2012年11月03日 | 曲集・出版物

私が2008年に上梓いたしました「ハワイアン音楽快読本」で「Hawaiian Music And Musicians」を推奨図書として紹介した中で「改訂版着手の情報から久しいが、いまだに完成しない模様」とかきましたが、(実際の印刷物は黒一色印刷です・・・・)

実はその数年前から改訂版のチェックおよびコメントを「協力者」のひとりとして実施していました。

1979年に出版されたこの図書は、上記で紹介したようにハードカバーで22.5センチ×19センチ、573ページの堂々たる単行本で、タイトルのようにハワイ音楽とその演奏家についての百科事典ともいえる本でした。

編者はハワイ音楽の権威であったジョージSカナヘレ博士でしたが、新しいハワイ音楽と演奏家が続々と誕生する一方、亡くなる演奏家も数多くあったので本来でしたら10年に一度程度のペースでの改訂が必要だと思われましたが、内容があまりにも多岐に亘っていたためそれぞれの協力者からの情報をまとめるだけでも大仕事となったことや、更には引き受ける出版社がなかったことなどの事情で改訂がはかどらなかった上に博士自身も高齢(今の私より若い!・・・ということはもしかすると私も高齢者か?)となったために、2,000年に当時のホノルル・スター・ブレテン紙(現在のスター・アドバタイザー紙)でハワイ音楽や演劇の記事を担当していたジョン・バーガー氏にこの本の編集を託しました。そしてその数ヵ月後に博士が他界したために、それから12年間と言うものバーガー氏が中心となって編集に当たりました。


そして今回完成した「増補改訂版」は幅がわずかに小さいサイズの22.5センチ×15センチ、1038ページのペーパーバックではありますが、上質の紙を使用し、活字も小さくしたため2倍以上の記事量があり、さらに新規の記事も100項目以上も追加されたことで「ハワイ音楽百科事典」としての存在が一層際立っています。

初版本ではカナヘレ博士の編集には22名の協力者がいて、日本の情報はすべて故早津敏彦氏が引き受けていました。

しかし、早津氏が他界されたことで氏に代わる協力者が必要となったためでしょうか、私を含めて14名にも及ぶ日本人の協力者が編集に参加しましたが、「Contributors」としては後藤邦之氏、山内雄喜氏、小山慎一郎氏そして私の4名の名前が記録されていました。
たまたま小山氏と私の苗字のイニシャルが同じ「K」であったために全体として200名近い「Contributors」の紹介では同じページに掲載されていました。


そして私たちの前後の名前を見ていただけると分かるように、このページだけでもハワイ音楽のビッグネームがたくさん紹介されているので、ちょっと申し訳ない感じもいたします。

バーガー氏は従来日本人の名前表記方法が欧米に迎合して自国での表記と逆になっていることに違和感を覚え、ほかの東南アジア諸国の人々の表記法と合わせて苗字を先に記載するようにしています。このことについては「Japanese Pronounciation, Spelling, And Cultural Notes」という項目をわざわざ設けて彼の見解を述べています。たしかに韓国人でも中国人でもベトナム人でも必ず苗字が先に書かれていますので納得できます。
(一体、だれが最初に日本人名の「逆表記」をしたのでしょうね?)

本を開くとちょうど中央部分にひときわ白い紙質のアート紙部分が64ページぶんあり、そこには写真やイラストが集中的に印刷されていますが、なぜかこの部分にはページ番号が打たれていないのです。索引などでページを参照させる場合に困ると思うのですが、なぜでしょうね。


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最近ザ・バスのルートや時刻が大幅に変更になったので、最新の資料を入手しようと思いアラモアナセンターのサテライトシティーホールに行ったのですが、行った時間が遅かったので資料は入手できませんでした。
でもその隣にある書店のウィンドーに11月3日にこの本の編者ジョン・バーガー氏のサイン会がある、と看板が出ていたのを発見!しましたので、当日は仕事を休んで出かけることにしました。

サイン会は定刻になっても数人しか集まらないと言う寂しいものでしたが、そのおかげでバーガー氏とはたっぷりとお話ができてラッキーでした。
まず、上記の「Contributors」のページをコピーしたものをお目に掛けて「初めまして!」の挨拶をしたところ、「ご協力大変ありがとうございました、お陰さまでやっとまとまりました!」と丁重な挨拶をいただきました。


そして本の内容で気の付いたことは無かったか、との質問をいただいたので、実は小山さんの住所は「東京」ではなく「池田市」であること、さらに三橋信夫氏の名前が「Nabuo」になっている、等々コメントを差し上げたところ、ひとつひとつ丁寧にメモをとり「この本のサイトで訂正します。」といって貰えました。果たしてどれだけのかたがサイトにアクセスするかは不明ですが、その姿勢だけでも素晴らしいと思います。(下の写真は彼がメモをとっているところです。)


そして小山さんの本と私の本にサインをしてくれましたが、


小山さんのほうには住所の訂正まで入れてくれました。

もちろん苗字を先に書いてくれたのですが、慣れないためでしょうかちょっと違和感を感じてしまいました・・・・汗
最後に記念撮影を握手で別れましたが、なかなか立派なかたという印象を受けました。


実は私がハワイに移住してすぐに参加したCD「Ukulele Serenade」が、翌年のナー・ホークー賞にノミネートされたのですが、その際にこのバーガー氏がスター・アドバタイザー紙にこのCDの紹介記事を書いてくれていたのです。

サイン会のときにもこのCDの現物を持参して「ここでスチールを弾いていたんですよ!」と伝えたのですが・・・・毎週何枚ものCDを紹介しているので無理も無いのですが覚えていなかったようです(涙)。
でも、お世辞とは言え「スチールはshowcaseだ」と書かれると悪い気はしないものですが・・・・・

まぁこのサイン会は仕事を休んだだけの収穫があったのでヨシとしましょう。

この本はこちらで35ドルプラス税(ハワイの場合では合計36.65ドル:2932円相当)、日本でも税込み3050円ですのでぜひ一家に一冊備えられることをお勧めします。もちろんこちらのアマゾンでしたらもっと安いのですが、こちらでも在庫切れのためサイン会までに届かず、やむなく定価で購入した次第です。そして翌週にはアマゾンからもしっかりと2冊届きました・・・・(号泣)

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10 コメント

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ぽち! (yonaka)
2012-11-15 00:06:41
MATTさん、こんばんは。(おはようございます)
いつもいつも読み応えのある(見応えのある)ブログを楽しませて頂いております。

英語はとても不得意なのですが、日本のアマドンでぽち!っとさせて頂きました。
人気図書のようで品切れとなっておりましたが、届くのがとても楽しみです。

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yonakaさん (MATT)
2012-11-15 02:13:57
ブログねたは山ほどあるのですが、モタモタしているうちにどんどん時期を失してきています。

単行本でもあと数冊重要なものが控えているので、ボチボチ取り組んでいくつもりです。
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歴史は大切ですね。 (モリパパ)
2012-11-15 22:14:00
過去の上に現在がある。
ただ、私の場合、まずはIZ本の再読があり、この本まで眼が回りそうにありません。
最近、音楽の世界には天才が多いと云うのが、名曲を聴きながら思いました。
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いつも (MATT)
2012-11-16 02:06:44
オリジナルに可能な限り近づきたいと思っています。
その時代に生きていたわけではないのでこの本とか先にご紹介しましたノエラニ・マホエの本は私にとって大変貴重な資料です。

「現在流行っている歌や通説」をそのまま受け入れるのではなく、是非これらの資料にも目を通されることをお勧めします。
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漸く・・・ (kyoko)
2012-11-16 12:26:55
MATTさん、こんにちは~!

ハワイの地で着実に根をおろされておられるのですね。
学術書にお名前が掲載されるなんて本当に名誉なことですね。
おめでとうございます!

ハワイアンミュージックの学術書が10月に出版される、との情報はかねてから知らされておりました。
ハワイアン音楽、フラ、ハワイ語まで網羅しているとのこと。とても興味があります。
1962年に早津敏彦氏がハワイアンミュージックのほかに、フラのことにも言及されていて、50年後のフラの現状を予告しておられたとのこと。そして今、早津氏が予告されたとおりのことがフラ界に起こっている・・・
とお聞きしましたので、
早速MATTさんの
”ハワイアン音楽快読本”
のなかの早津氏に関する項をを読み直してみました。不慮の事故でお亡くなりになったとのことですが、本当に残念なことでした。

この学術書、そのうち日本語訳が出てくるといいのですが・・・
MATTさん、日本のハワイアンに関する項だけでもなんとかなりませんでしょうか?
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日本の若いハワイアン・ミュージシャンは (MATT)
2012-11-16 14:49:01
早津さんのお名前や業績はご存じないと思います。

彼はハワイアン音楽が盛り上がった時期はもとより、その後の暗黒時代にも頑張っておられたのですが、やはり生活には苦労されていたのではないでしょうか。

彼はハワイアン音楽やフラだけでなくタヒチ、トンガ、マオリをはじめとしたポリネシア全域の音楽や踊りについても研究していたのですが、一般からは当時(も今も)ハワイアン音楽以外には興味を示されなかったので出版されるようなことはなかったのは心残りだったと思います。
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読みきれるかどうかわかりませんが (モリパパ)
2012-11-16 20:49:08
マカハサンズニーハウがどのように書かれているか興味があります。
私にとっては、ハワイ ルネサンス以降の音楽に興味があるので・・・・。
勘違いかと思いますが、どうもハワイミュージックは訪れた土地、お会いした人への感謝の気持ちを表す音楽が多いように思えます。
ハワイ音楽とは何か時間があれば考えたいと思います。
何か文化論になりそうですね。
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ほとんどのミュージシャンが (MATT)
2012-11-17 02:12:09
1ページ程度の紹介ですが、マカハ・サンズ・オブ・ニイハウはマカハ・サンズを含めて5ページ、さらにIZ単独でも4ページと、かなり力を入れて紹介されています。
ココ兄弟とムーンの三人はは単独では紹介されていません。
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私もポチッ! (もりぞー)
2012-11-17 13:19:51
英語は全然だめですが、せめて興味のある方(々)の所だけでも頑張って読んでみたいと思います。
厚さからいっても枕にもちょうど良さそうで、これで睡眠学習できないかな、ナンテ
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IZ本を読破したもりぞーさんなら (MATT)
2012-11-17 14:40:26
まったく「月曜夜」ですよ!!

この本を枕にして寝れば、もしかするとIZに逢えるかも。
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