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以前出版しました「弾いて見たかったあのスチール・ギター名曲10選」をお求めいただいた方から「12番街のラグとビギン・ザ・ビギンのタブ譜はありますか?」というお問い合わせをいただきましたが、いずれも持ち合わせが有りませんでしたので作成することといたしました。
◎ 12番街のラグ。
この曲のメイン・メロディーは「ドシラド シラドシ ラドシラ ドシラー ドシラド シラドシ ラーーー(ドは高いド)」というフレーズを早いテンポで繰り返すため比較的重量のあるトーン・バーでこの「ドシラ」の繰り返しを高速で反復するのは不得手といってもよさそうで、有名なスチール・ギター奏者の演奏を聴いても音程を正確に弾くことに苦労されている様子が分かります。
そこでこの弱点が比較的目立たないポジションをいろいろと探した結果、2弦の12フレットの「ド」11フレットの「シ」3弦の12フレットの「ラ」を動き回るのが良さそうだと思えたので、このポジションを中心としたアレンジといたしました。
ポジションさえ決まればあとは一気呵成に全体のアレンジが出来上がりましたのでタブ譜を作成した次第です。
QRコードも用意しましたがコンピュータ音によるこの曲のメロディーとカラオケを聴くことができます。
「12番街のラグ」のコード表です。
◎ ラ・ロジータ。
譜面に中途半端のページがありましたので、40年以上前に弾いたことがあったタンゴ曲の「ラ・ロジータ」を思い出しながらタブ譜といたしました。
同じくコンピュータ音によるメロディーとカラオケです。
これが1冊めの「12番街のラグ/ラ・ロジータ」です。
◎ 次はビギン・ザ・ビギンです。
この曲はコール・ポーター普及の名作で「ビギンのリズムで始めよう」という多少言葉遊びの入ったタイトルの曲なのですが、普通のポピュラー曲の2倍以上あるという長い曲なのです。
一時期人気を集めたフリオ・イグレシアスはこの曲の途中にあるメロディーを省いて歌っていたのが大変気になりました。やはり全体を歌ってこそこの曲の存在価値があると思いますので、今回もこの膨大な曲に挑戦した次第です。
1935年に作られたこの曲はタイトルどおり「ビギン」のリズムで演奏されるように作られているのですが、この曲が発表されたすぐあとの1938年に有名なクラリネット奏者アーティー・ショー
のバンドがこの曲をスィングのリズムで演奏したものが大ヒットし、ビギンよりもスィングの方が定着したほどでしたので、今回はビギンのタブ譜とスィングのタブ譜両方を作成いたしました。(譜面としては大差なのですが・・・・汗)
◎ ビギンのリズムによるビギン・ザ・ビギン。
まずはオリジナルのビギン、コンピュータ音によるメロディーとカラオケです。
◎ スィングのリズムによるビギン・ザ・ビギン。
あまり代わり映えはしませんがスィングによるメロディーとカラオケです。
最後に両方のリズムに対するコード表です。
◎ 3作めは「ホノルル・アイ・アム・カミン・バック・アゲイン」です。
6年間滞在していたホノルルから2016年に帰国して以来、何度かホノルルを再訪しましたが、それにふさわしい曲としてこの曲をタブ譜とすることにいたしました。
この曲の作られたのはなんと100年以上前の1922年、しかも今は全く歌われない「ヴァース」がたくさんついている曲で、ネットを探しまくったのですが、この部分のメロディーは見つかりませんでした。
おそらく当時出版されたシート・ミュージックが入手できればわかるとは思いますが・・・・
このシートの出版社の所在地として書かれている「Honolulu, T.H.」の「T.H.」とは「Territorial Hawaii」すなわち信託統治下のハワイという意味で1900年に始まり、1959年のステートフッドすなわち50州への昇格まで続いた時代を示しています。
歌詞の中にある「Pacific Heights」は現在のパンチ・ボウルのあたりを指し、そこから眺めたダウンタウンの明かりを歌っています。現代で言えばワイキキ地区の明かりをタンタラスの丘から眺めたような感じでしょうか。
今回は歌が入ることを想定してキー・オブFとキー・オブGの二つのアレンジを作成いたしました。
まずはキー・オブFの譜面とコンピュータ音によるメロディーです。
続いてキー・オブGの譜面とコンピュータ音によるメロディーです。
最後は前半1コーラスをFで演奏したのちGでのサビに戻る進行でまとめてみました。
これによる五線譜とコード表、コンピュータ音によるメロディーとカラオケ、そしてスチール・ギターのナマ音でのメロディーをお聴きください。
以上、久しぶりのタブ譜三部作のご紹介でした。
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