
昨年NUAメンバーを中心に15台ものカーラ製のウクレレベース(U-BASS)を一括購入しましたが、8月のNUA例会で「初めてのベース講座」という講義があったので、心機一転して、しまってあった?ベースを取り出してチューニングしようとしたところトラブルが発生した方もおられるのではないでしょうか。
そのトラブルとは「調弦しようとペグ(弦巻きのツマミ)をどんどん回していってもさっぱりピッチ(音高)が上がらず、突然メカニズムが破損してしまう」というものでトップの写真はその一例であるNUA会員のHさんのベースでのトラブルの写真です。
このベースに張られている弦はなかなか切れないのですが、ただ、際限なく伸び続けるという性質(?)を持っていますので、髪の毛の手入れではないですが時々切ってやる必要があるのです。
なにしろ弦が太いので弦巻のポスト(実際にはプーリー状で上下にフランジ:鍔:が付いています)に数回巻きついただけでもう巻きつく余地がなくなります。(下写真左側のポスト)
そしてそのまま巻いていくとまず下側のフランジに乗り上げます。
ここまではまだ何とかなるのですが、乗り上げ後にもさらに巻いていくとフランジを乗り越えて弦巻を固定しているナットにからみついてしまうのです。(下の写真右側のポスト)
こうなるといくらペグ(つまみ)を巻き上げ方向に回転させても弦のピッチは金輪際変化しなくなります。
U-Bass所有者がこれに気付かずどんどんペグをまわしていくと、最後にはギヤの取り付けネジをネジ切ってしまうおそれがあります。したがってこの写真のようになる前に弦を緩めて
思い切り弦を引っ張りながら再度巻き上げることでポストの範囲におさまるように巻けるとともに正しいピッチが得られます。はみ出した弦はもちろん切ってください。
ところで以前ご紹介しましたが、この種の小型ベースの先駆者であったフェンダーの「アシュボリー・ベース」にはシリコン・ゴムの弦が張ってありました。
この弦は切れやすいうえに滑りが悪いので困っていたところ、ワース・クリエーションの高橋さんがポリウレタンの弦でこの問題を解消してくださいました。
カーラのUベースはアシュボリーに比べて弦長がながいため、同じピッチを得るためには弦のゲージとしては一回り細いものが必要となります。
shinfujiさんの「研究」にも紹介されているワース・クリエーションの高橋さんが開発したU-Bassに対応している新しいベース弦「OP-L(ライト)弦」を購入して私のベースに張りましたが、U-BASSにもともと張ってあったロード・トードの「パーホエホエ弦」に比べると表面の滑りがよく、弾きやすいと感じましたので両者を比較してみました。
ふたつの弦をデジタルマイクロメーターで測定した値をご紹介しておきます。数字に幅があるのはおそらく弦の断面が真円になっていないことと、わずかながら直径にバラツキがあることなどに起因しているものと思われます。
ロード・トード 「パーホエホエ弦」(黒色)
1弦(G) 直径2.57-2.61mm(使用前)/ 1.69-1.70 mm(張った状態) 使用前の弦全長595 mm
2弦(D) 3.94-4.00 mm/ 2.78-2.82 mm 597 mm
3弦(A) 4.67-4.72 mm/ 3.86-3.87 mm 610 mm
4弦(E) 5.35-5.41 mm/ 4.53-4.53 mm 615 mm
ワース ベース用ライト「OP-L弦」(オレンジ色)
1弦(G) 2.99-3.02 mm/ 1.77-1.80 mm 698 mm/ 張った残り 432 mm
2弦(D) 3.56-3.59 mm/ 2.47-2.49 mm 695 mm/ 323 mm
3弦(A) 3.95-4.00 mm/ 3.21-3.25 mm 690 mm/ 185 mm
4弦(E) 4.87-4.98 mm/ 4.42-4.47 mm 700 mm/ 147 mm
両者のゲージの比較です。
長さの比較です。
ワースのフロロカーボン弦は「1本で2回分使える長さ」が入っているようですが、この「OP-L」の1弦も「2回使える長さ」を持っていますね。実際に張った弦と残った弦を並べてみると、1弦と2弦はかなり細くなっていて、その分だけ伸びていることがわかります。
ワース弦を張った状態です。パーホエホエ弦と同様に伸びるので調整が必要です。
伸びたことで細くなった各弦とオリジナルのゲージの比較です。特に1弦が良く伸びている(すなわち細くなっている)ことが分かります。
弦が滑りやすくすぐに抜けてしまうので弦巻の上端では抜け止めを考えた巻き方が必要です。
もちろんこのあと弦の余りの部分を切っておきます。
なるほど、「ペグポストをねじ切ってしまう」という事があるんですね。
幸い?自分のはフランジの所から上に向かって二重に巻き上がっていっていたので、
こういう事態にはならずに済みましたし
ペグの所で弦がダンゴになっているのはかっこ悪いから短く切っていました。
ナットの溝の滑りが悪いのもチューニングのしづらさに拍車をかけていますね。
shinfujiさんのレポートに倣って溝に細かいヤスリをかけたりしています。
昨日ワースさんに弦を頼みました。
4セットだと「送料無料」になるので共同購入です。
これからはU-BASSにはオレンジ弦がNUAでは流行そうです。
ナットの滑りが悪い状態で巻き上げていくと、ナットが弦に引きずられて接着がはがれてしまうこともありましたので、ナットの溝のヤスリ掛けは有効ですね。
OP-Lの送料はこちらまででも300円でした。
要するに楽器の扱いを知らない人が多いと言う事ですね。
裏の蓋の部分だけが膨れ上がって、そこへ透明のテープを山に様に貼っている方(当バンドの女性ですが)もいました、、、、そのままにしておきました、、、。
講習は可成り楽しく上手くいったと思っています。
しかし、購入してからチューニングを半年関してない人が複数居たとは驚きでした。
きっと、これからは暫く弾くのではと期待しています。
疲れました。。。
講座でウクレレベースは出始めたばかりの楽器なので、まだまだ未知数なところが多いです。
と、言ったのですがその一例ですね。
いい面でも悪い面でもまだ何かありますかね?
まさか自分の楽器を壊してまで写真を撮るほどお金に余裕があるわけではないので、今回送ってくれたHさんに感謝です。
ワースの弦といえども「際限なく伸びる」筈ですから日ごろの手入れが重要になりますね。
今まで一括していろいろな楽器を買うときに「とりあえず手を挙げておく」という人が多いいということに気がつきました。
スチールのときもベースのときも「講習会」のアナウンスが有ってからはじめてケースを開ける人がたくさん居ました。
講習会の席上でスチールのピックを逆にはめている人が何人かいましたが、それまで何の練習もしてこなかったことを自白しているようなものでした。
スチールの例から考えると、たぶん次の「講習会」までこのベースには手をつけない人が大半ではないでしょうか?
でも、慣れれば毎回でも苦にならなくなりますから早く慣れてください!
たしかにウクレレベースは新しいジャンルの商品ですから、いままでの楽器のつもりで扱ってはいけないのですね。
斬新な意匠と命名に話題となりました。いわく「シャチの尻尾」だとか「銛の形」だ、などという説がネットや販売店を駆け巡りましたが、正解は「Flea Market Musicの開発したUke」の意味でした。
続いて2000年のRISA「ウクレレ・スティック(現在はウクレレ・ソリッドと改名)」の開発者Rigk Sauwer(RISAは彼の名前から来ています)をNUAのハワイでのフェアウェルパーティーに招いたときの一括購入。
翌年こんどは「Flea」の登場でまたまた一括購入、そしてご存じスチール・ギターとウクレレ・ベースのこれまた大量購入。
でも最大の出来事はレイラニ・ウクレレの一括注文でした。NUAの二次会での1テーブル全員8名(プラスほかのテーブルからも数名)がオーダーしたときにはびっくりしました。
あんなに高価な楽器を、しかもすべて特注でこれだけの人が申し込むことは今後も起こらないでしょうね。
たぶん集団心理が働いたのでしょうけど、レイラニさん亡き現在としては良いタイミングだったと思っています。
キッカケは「神様ウクレレ」ですね。
いかに素晴らしい楽器でも神様ウクレレが無ければ、
いくら集団心理が働くとはいえ皆さんオーダーには踏み切れなかったでしょう。
そう言った意味では、素晴らしいウクレレに実際に触れる機会を下さったOサン・MATTさん・shu-sanにも感謝です。
某理事(現在は理事長)がそれをどうしてもほしいが持ち合わせが無いとのことで私が融通いたしました。
ということでその兄弟はつかの間ですがわたしの所有物となっていました。