
スチール・ギター奏者ライオンさんのブログでこの「楽器」が紹介されたのでご存じのかたも多いかと思いますが、この「楽器」をはじめとしたたくさんの「作品」がDVDやBlu-Rayそしてyoutubeで発表されていますので、ここでもご紹介いたします。
まずはこの「楽器」の動画「Resonant Chamber」をごらんください。
コンピューターで各アクチュエーター(作動素子)をコントロールしたとしても到底実現できそうにもない演奏ですが、もちろんこれはコンピューター・グラフィックス(CG)とMIDI(音楽用のディジタル音源)を駆使した作品なのです。
作者はニューヨーク在住のウェイン・ライトル氏で、
かれはもともと音楽家・作曲家だったのですが、コーネル大学在学中にCG技術を学び最初の作品More Bells and Whistlesを1990年に発表いたしました。
まだDVDが登場する前の作品のため、画質も悪いのですが、すでに現在の各種作品のもととなるアイディアが見受けられます。そしてこの作品はたくさんの賞を獲得した、当時としては画期的な作品だったのです。
その後1995年に友人と一緒にAnimusicという会社を設立し、その年に発表した最初の作品Beyond The Wallsが注目を集め、大ヒットをいたしました。
Animusic社は現在までAnimusic Special EditionとAnimusic2という2枚のDVDと
Animusic2に収録された全作品8タイトルとSpecial Editionから1タイトルいずれもHD(高画質)バージョンの作品を収録したブルーレイを発売しています。
そして引き続きAnimusic3を開発中で2013年の11月に発売予定とのことです。
さいわいなことに全ての作品がyoutubeで公開されていますのでそれだけを観る分にはパッケージメディアを購入する必要はないのですが、DVDやブルーレイにはそれ以外にもマルチアングルや楽器ごと?の演奏場面があったり
作品が生まれるまでの資料類や開発者によるそれぞれの作品製作の背景や動機の紹介もあるのでこの分野に興味をお持ちのかたのは大変参考になるかと思います。
上記のボディー写真(イラスト?)で連想するのは、2008年の手作り楽器コンテストに優勝した若い会社員加畑和敏氏(写真中央)の作品「ビオラ・ディ・トゥッティ」です。
ベース・ウクレレ・ギターの3台を複合させた楽器で、3人で演奏する必要がありますがまぎれもなく「本物の楽器」なのです。この奇妙な形状が興味を集め、各地での演奏にお呼びが掛かっているようですが、移動だけでも大変ではないかと同情いたします。
これに対してAnimusicのほうはコンピューター上で作成できますので場所はとらないのですが、完成までにはかなりの時間がかかりそうですね。
2枚のDVDをご紹介しましょう。最初のアルバムはもともと2001年に「Animusic1」としてDVD,VHSそしてCD(音のみ)でリリースされたのですが、それの内容を充実させた「Special Edition」が2004年にリリースされました。
このアルバムのインサート両面をご紹介します。
トップの作品は「Future Retro」。怪しげな(!)トリプルネックの弦楽器を中心としたCGです。
楽器を本物らしく見せてはいるのですが、フレット間隔が対数的に高音ほど狭くなっていないのはご愛嬌なのか確信犯なのかは不明ですが、これひとつとってもCGであることが分かりますね。
2曲めは
ジャケットの表紙にも使われている1弦ベース形ロボットの演奏にあわせて、たくさんのドラム・シンバルを宙に浮いたスティックが叩くとともにラッパがメロディーを奏でるという「Stick Figures」です。
このあたりはちょっと本物の楽器からは離れた感じでは有りますが、よくまとまっていますね。
3曲めは一転して穏やかな雰囲気の「Aqua Harp」です。
単に水に浸かっているだけのハープかと思わせておいて、この楽器もたくさんの楽器の組み合わせであることがだんだんと明らかになってきます。
4曲めは「Drum Machine」です。
いかにも実際にありそうな「ドラム・マシン」で、メカメカしいところが面白いですね。
次の曲は「Pipe Dream」です。
パイプから次々に放出?される玉が弦やドラムに当たってはメロディーを奏でているうちに、鉄琴や木琴そしてチャイムまで鳴らすという面白い構成です。
次の曲は「Acoustic Curves」です。
ピアノのような打弦楽器にはじまりドラムス、鉄琴そしてチャイムまで登場して賑やかに演奏します。
Animusic1最後の曲は「Harmonic Voltage」です。
高電圧を発生しているように見える施設からメロディーが流れ、ドラムスが響くという近未来的な映像です。
以上がAnimusic1の全コンテンツですがボーナストラックとして上記でご紹介しましたこの会社としての最初の作品「Beyond The Walls」も入っています。
続いてAnimusic2に移りましょう。
インサートの両面はそれぞれこんな感じです。
このアルバムの収録曲はすべてHDとノーマルの両画面をもっていますのでHDをキャプチャーしました。
最初の曲は「Starship Groove」です。
宇宙を航行するスターシップの上で人がたロボットがドラムやメロディー・パッドなどを演奏しているもので、ドラムスティックがライト・セーバーのように光っているのも面白いですね。
2曲めは「Pogo Sticks」です。
楽器形をしたロボットがギター・ベースそしてドラムスを演奏しながら木製の高速道路?を走りながら途中にあるステージで停まっては演奏しているうちにメンバーが増えて鉄琴なども加わって一緒に高速道路を走ると言う構成です。
次の曲は最初に紹介した「Resonant Chamber」ですが、おそらくこれがこのアルバム中では最高傑作ではないでしょうか。
4曲目は「Cathedral Pictures」です。
この曲だけはあの名曲「展覧会の絵」から頂いています。
タイトル中の「Pictures」このオリジナルを意識させたものでしょう。
次は「Pipe Dream 2」です。
これはNimusic 1に収録された「Pipe Dream」のHDバージョンのようで、内容的には全く同一です。
いずれの画面もパイプの開口部から放出された「玉」が一切床面に散乱せず別の開口部からパイプに戻っているという芸の細かさ?に感心しています。
次の曲は「Fiber Bundles」です。
中央にあるドラムス以外はすべて得体の知れない楽器ですが、それらがファイバーを通して作動するのでしょうね。DVDのレーベルにも使ったほどですから多分彼らの代表作なのでしょう。
次は「Gyro Drums」です。
宙吊りになったジャイロに設置されたドラムスを叩き続けるという設定で、メロディーはありません。作者のウェイン氏はドラムスのアレンジにも長けているように思えます。
さて、最後の曲は「Heavy Light」です。
宇宙のどこかにある未来都市で光による交信がそのまま音楽になるという構成です。
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以上、17曲を鑑賞?いたしましたが、正直言ってこれを全部観るのは「疲れる!!!」という印象です。
・・・とは言っても作者のウェイン氏の音楽的才能とCGの技術そしてMIDIを駆使してCGと同期させる能力は相当なものと感じさせられます。
最近ではAnimusicに刺激されてたくさんの類似作品がyoutubeにも掲載されていますが、そのきっかけをつくったという意味でも彼の功績は大きいでしょう。
・・・・・でも・・・・・・
今、手元にないとした場合にこれらDVDやブルーレイをわざわざ買うか?と言うとちょっと躊躇しますね。両アルバムのリリース当時にはパッケージ・メディア(DVDやVHS)を買うしか方法がなかったのですが、今でしたらyoutubeを観ていれば十分ですし・・・・
Youtube観るのも疲れますが・・
これらを紹介する日記を書かれるたのもさぞや、
お疲れになられたかと。
そして、この日記を読むのもある意味・・疲れというのか、
根気がいりますね(笑)でもホントに不思議な動画で
よく出来ています!!大画面で観たら迫力あるでしょうね
~。映画館で観たくなりました。
日記ではなくて月記!を書くのは1日もあれば十分なのですが、いつものことながらそれの事前準備に2週間ほどかかります。
写真撮影、資料スキャン、DVD画面キャプチャー、そして全てをリサイズし画質調整、youtubeのすべてにブックマークを付ける・・・・等々。
さらに今回はPCがまたまた不調になりブログ作成中に何度も何度もIEが勝手に「終了」してしまうのでそれまでの内容を何度も書き直す、などの苦労がありました。
結構長い記事になったかなと調べたところ、それでもスラックキー・フェスティバルの三分の二でした。
でも、前回テストに成功したyoutubeへのリンクを全面的に採用したので、納得の行く記事になりました。
・・・・・・と自己満足。
しかし、楽器を弾く手や指がなんともグロテスクに見えてしまうのは私だけでしょうか?この映像観ながらでは音楽に浸れそうもありません(笑)。では映像を観ないで聴けばば良い、ということになりますが、それだったらCDでも聴けばいいことになりますね。
しかし、世の中にはファンがいるのでしょう。私はバツです。
レオポルド・ストコフスキーとフィラデルフィア管弦楽団の演奏する本格的な音楽に合わせたディズニーのアニメ映画でしたが、アニメの印象が強すぎてその後もここに収録された音楽を聴くたびにアニメの場面が浮かんできたのには参りました!!
特にデュカの「魔法使いの弟子」ではミッキーマウス扮する(?)「弟子」ももちろんのこと両手にバケツを持った箒のオバケがいつもアタマに浮かんでくるので・・・・
今回のシリーズでも大半の音楽は聴いたあとから消えていくのでアタマに残らないのですが(もちろんトシのせいもありますが)「展覧会の絵」だけはちょっと危険な感じがいたします。
いずれにしてもこの一連の作品はTVアニメのような「低価格作品」ではないことを実感するだけで十分で、この分野を目指す人以外はわざわざ購入することはお勧めしませんね。
ピアノロール式の自動演奏ピアノがあってこれが動かなかったので、何とかできないかといじくりまわしたことがありました。
原因は「ふいご」とモーターにあったのですが、鍵盤をたたくメカなど「なるほど、よく考えられた仕掛けだな!!!」と今でも思っています。
紹介された複合楽器とは異なりますが、なんだか懐かしい思い満杯です。
大きなアミューズメントプレイスに行くとピアノよりもおおがかりな自動演奏装置があってオルガンや金管楽器、そして打楽器などがこれまた紙の窄穴ロールでコントロールされていたそうです。(もちろん私は知りません)
そのうちに紙ロールに代わってフロッピーディスクに記録された信号でピアノの鍵盤に載せたメカをコントロールする方式の自動ピアノになり、つづいてメカを内蔵したピアノに変わり、現在の電子ピアノの自動演奏につながるのでしょうね。私は良く知りませんが・・・・