以前、
、「ハワイで最も新しいHONUAウクレレ工房訪問」という記事を書きました。
このときには作者のmacさんの工房は立ち上がったばかりで、macさんの「できるだけ手に入れやすい価格でハワイ製のコア・ウクレレを提供したい」という目標にあわせたスタンダード・ウクレレHS-1を世に出したばかりでした。
その後、有名なハワイ紹介の日本語サイト「モーハワイ☆コム」からの提案により、ワンランク上の材料を使用したモデルHS-1Dを開発しましたが、両者のスペックを比較してみました。
この表からお分かりのように、標準モデルでは使いきれない高級な材料(赤字表記)を随所に採用することで標準モデルとの差別化をするとともに、音質や使い勝手を一層向上させてあるのがこのHS-1Dなのです。
外観から分かるようにマスターグレードのカーリー(虎杢)コアやエボニー(黒檀)のフレットボードという高価な素材を採用するとともに
世界最高の評価を得ているゴトーのプラネタリーギヤ(遊星歯車)内蔵のストレートギヤペグを採用することで大変使いやすいモデルになっています。
もちろん標準モデルに採用しているグローバーのギヤペグもいくつかの他社が中国製ギヤペグを使っていることを考えると十分高級な部品なのですが。
トップ(表板)とサイド(側版)にマスターグレードのカーリーコア材を使っている様子です。
指板は貴重な材料のエボニー(黒檀)を、ポジション・マークにはアバロニ(鮑)を採用しています。弦はワースのクリヤー・フロロカーボンです。
ブリッジとサドル部分です。サドルにはしっかりとセットバック(イントネーション:高音域でのピッチずれを補正するもの)も施されています。
もうひとつmacさんのこだわりが弦にありました。
これはHS-1DとHS-1に共通なのですが、日本のワースクリエーションが開発したフロロカーボン弦を採用していることがそれなのです。
もともとワースの高橋さんが世界で初めてフロロカーボン弦をウクレレに採用するに当たって、工業製品としてはきわめて少量の需要なためメーカー各社からは良い顔をされない中で開発を続けた結果完成した弦ですので、大変信頼性が有ります。
そしてワースの弦は当初コアロハに採用されたことで評価を高めたのですが、コストが合わなかったのか供給量が不十分だったのかは不明ではありますが、現在のコアロハ・ウクレレには別なソースからのフロロカーボン弦が採用されています。
ちなみに、ウクレレ弦の世界では中国製のウクレレのほとんどに採用されているAquilaのNylgutが数量的にはおそらくトップで、続いて各社のナイロン弦そしてこのフロロカーボン弦という順位で普及しているようですが、Nylgutやナイロンではなくフロロカーボンを採用したところにmacさんの音に対するこだわりを強く感じます。
上記「モーハワイ☆コム」のサイトにはこのmacさんの工房探訪記が「さすがプロ」と感じさせる写真とともにアップされています。
そして縁あってこのモーハワイ☆コム向けのHS-1Dに触れる機会がありましたのでオフィスを訪問いたしました。
そしてmacさんへのインタビューをすることになったのですが、オフィスでは電話の音が入るおそれがある、とのことでカピオラニ公園まで繰り出しました。
そして撮影場所を設定して
インタビューを実施しました。台本を見ない「ブッツケ収録」ではありましたが、まぁまぁといったところでしょうか。
モーハワイ☆コムではこのHS-1Dを受注販売するとのことですので、上記のサイトをご覧くださいね。
macさんはスタンダードモデルに続いてスタンダードのロングネック、さらにコンサートまで開発しているようですので、最終的なテナーモデルが誕生するのもそれほど遠くない時期と思います。今後のmacさんの製品に期待しています。
ご紹介のウクレレの価格・・・円安になったので114000円程度、安いですね。1本買おうかな。
面識はないのですがmacさんとはUGHの会場では毎回必ずお見かけする方として認識していました。
今年のUGH(ウクレレギルドオブハワイ)が楽しみです。
それにもましてmacさんの製品に掛ける情熱が溢れている音色や弾き易さが素晴らしいです。
でもUGHに知人が多いですし、勉強にもなるので今年も行くのではないでしょうか。
ほかにもGストリングのデレク・シミズやイイヴィのチャーリー・フクバもいますがいずれも三世~四世です。
これに対してmacさんは10年以内という短い移住期間ですので一世かな?
彼のような一世のルーシアー(楽器職人)としてはマツイ・ウクレレのクニヒロ・マツイも居ます。(日本の松井ウクレレとは異なります)
ほかにもたくさん居ると思いますが、いずれも製作量が少ないのであまり眼に触れる機会はありません。
わたしは履く草鞋をもっていません。いわゆる「シロートハダシ」といったところでしょうか?
ホヌアウクレレ。
もちろん可能な仕様と不可能な仕様があると思いますのでそのあたりを、そして価格や納期などもご相談いただくとよいのではないでしょうか?