2005年のナー・ホークー新人賞を獲得した少女ブリットニは第2作「Hear...」でも2006年ナー・ホークーのインストゥルメンタル賞にノミネートされています。このアルバムを日本のレイ・レーベルでリリースすることになりましたので、そのライナー・ノーツをご紹介いたします。
==========================
ブリットニ・パイヴァ「Hear...」解説
天才少女ブリットニのウクレレ・アルバム第2弾
2004年にウクレレ、ギター、ベースを一人で弾きこなしたアルバム「Brittni X3」でデビューした15歳の天才少女ブリットニ・カヘアラニ・パイヴァは、そのアルバムで2005年のナー・ホークー新人賞を獲得いたしました。そしてここでご紹介します第2弾のアルバム「Hear...」では彼女の演奏技術が更にレベルアップし、それまでの3種の楽器に加えてキーボードの演奏とボーカルまでも担当するという多才ぶりを発揮しています。
彼女は1988年9月28日にヒロで誕生しました。ハワイ人のほとんがそうであるように彼女も混血でハワイ、ポルトガル、デンマークそして日本の血を引いています。4歳のときにハワイでも普及している「鈴木メソッド」に入会しクラシック・ピアノを勉強しましたが、11歳のときに祖母が教えてくれたウクレレの虜になり、それ以来ウクレレの勉強に打ち込むとともにギターとベースの演奏法もマスターいたしました。
そして彼女が13歳のときに地元のウクレレ・コンテストに優勝、15歳になるとハマクア・ミュージック・フェスティバルで優勝して1500ドルの奨学金を受けるとともにその年にリリースしたデビュー・アルバムで翌年のナ・ホク新人賞を獲得するという順調な滑り出しを果たしたのです。
曲目紹介
1.テイク・ファイブ
デイブ・ブルーベック・カルテットの大ヒット曲で、ドラムス以外の楽器3台を彼女が担当するという「カルテット(四重奏)」の構成により軽快な演奏を披露してくれます。
2.帰れソレントへ
テイク・ファイブもそうでしたが、このイタリアの名曲も彼女が耳から聴き覚えたメロディーで演奏しているため、オリジナルのメロディーとは多少異なっています。
3.ブルー・スラックス・スラック・キー
スラック・キー奏者のケオキ・カフモクと一緒に作曲したオリジナル曲。たまたま彼女もケオキもブルー・ジーンズをはいていたのでこの曲名となりました。
4.インスピレーション
「或るミュージシャン(ジェイクでしょうか?)がたくさんのオリジナル曲を作っているのに刺激されて」作った彼女のオリジナル曲。
5.コンドルは飛んで行く
ペルーの民族楽器ケーナでの演奏をイメージさせるようにウクレレのアレンジをしてありますが、ここでも彼女独特の解釈をしたメロディーで演奏しています。
6.ユーアー・スティル・ザ・ワン
「貴方は今も変わらず私の大切な人」という曲で、銀婚式、金婚式を迎えたカップルにブリットニが心を込めて贈ります。
7.オピヒ・モエモエ
レオナード・クワンの作曲したスラック・キー・ギターの不朽の名作をブリットニが作者のフレーズを巧みに使いながら演奏します。
8.ウクレレ・ブギー
これも彼女のオリジナル曲。なんとも楽しい作品ですね。
9.アカカ・フォールズ
ヒロ郊外にある有名な滝を歌った曲。原曲どおり3拍子の演奏です。
10.カニ・キー・ホアル
スラック・キー・ギター奏者オジー・コタニの作品。彼女が最初に出会ったスラック・キーの曲とのことです。
11.ラハイナ・ルナ
クイ・リー作の名曲をアップ・テンポで楽しく演奏しています。
12.エ・ロヘア・マイ
旧約聖書から引用した詞をもとに作られたこの曲は、神の声に耳を傾けるように示唆していますが、彼女はこの曲をハワイ語とヘブライ語を交えて唄います。
マット・コバヤシ
(12:00過ぎましたので・・・)
アレンジメントのことですが、先に【オーバーザレインボー】が【サムウェアオーバーザレインボー】でオリジナル譜面を当たらず録音した話があったと思いますが、今回もオリジナルずれがあるようですね。
ハワイアンミュージシャンは大体こんな感じで楽しければOKなんでしょうか?
それとも原譜をさらって見ないディレクターの手抜きなんでしょうか?
ジャズミュージッシャンもアレンジしまくるのは当たり前ですが、普通ファーストコーラスはオリジナルを演奏しますね。
聞いてもいないのにイチャモン云う気は無いのですが、なんか作曲者(または原曲にアイデンティティーがある人々)に敬意が足りないような気がします(そう云うのは頭が固いか?)。
ハワイアンミュージックの今後の為にも少し業界びとは考えたほうがいいように思いました。
以前ジェイクがまだそれほどブレイクしない頃、NUAの会で「クロース・トゥー・ユー」をえんそうしたのですが、この曲の最大のモチーフである低いラから始まる「ラドソ」というメロディーを「シドソ」と弾いているのです。たった1音ではあっても作者の意図とまったく異なるフレーズになるので、彼に「ラドソだよ!」といったところ「だってキャロル(かれの母親)からそう教わったので・・・」という返事でした。そこでカーペンターズ自身の楽譜を見せ「あなたが弾くこの曲をそっくりコピーする人がたくさん現れると思うので、オリジナルに忠実に弾かないといけないよ、もちろんセカンド・コーラスからはどのようにアレンジしてもかまわないが・・・」といったところ納得してくれました。そしてその後リリースされたアルバムではちゃんと訂正していたのは偉かったです。