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MATTのひとりごと

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本格的なフラDVDが出ました。

2006年05月16日 | DVD,CD

従来リリースされていた「フラのビデオ」の大半が「観光ビデオ」であったり「レッスン・ビデオ」でしたが、この6月にビクターからリリースされた「スピリッツ・オブ・メレ・フラ -ハワイ-」というDVDはまったく新しい試みとして、それぞれのフラのもつ内容やメッセージまでをもイメージとして加えた画期的な作品です。

実はこの企画は1年以上まえにもちあがり、昨年(2005年)2月にハワイ島各地での撮影がおこなわれました。私もその撮影に同行し、かずかずの「撮影秘話」も体験しています。この際に私が脇から撮影した各種のパノラマ写真(サンライズ・オリ)および(ハレマウマウでのチャント)や3D写真(カーヴィカ)(パーパーリナ・ラヒラヒ)(アイア・ラ・オ・ペレ・イ・ハヴァイイ)(ウア・リケ・ノー・ア・リケ)(アカカの滝)等の写真で、このプロジェクトの一部分でも感じていただけましたら幸いです。(パノラマ写真が縮小表示されましたら「拡大ボタン」で拡大してごらんください。)

以下はこのDVDのライナー・ノーツからの引用です。発売されましたら是非このDVDビデオをお楽しみください。

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スピリッツ・オブ・メレ・フラ -ハワイ-

ビクターVIBP-54 (2006年6月16日発売)
[片面一層、4:3画面、オール・リージョン、三ヶ国語字幕:日本語、ハワイ語、英語、字幕なし、の選択可能]

以前ビクター・エンタテインメントからリリースされたCD「メレ・フラ・ベスト・コレクション」はハワイでリリースされている3枚の「メレ・フラ」CDシリーズから20曲を選りすぐったアルバムですが、主としてこの元となったシリーズの音源をバックにハワイ島在住のフラの踊り手たちが踊るという企画のDVDがここに完成いたしました。

このDVDは「メレ・フラ」CDシリーズおよび単行本「Musical Images of Hawaii」を手がけたカズエ・クレバヤシさんとミチコ・ウラタさんという二人のプロデューサーによって企画され、実際にそれぞれの曲のイメージを実現するようにとハワイ島各地での撮影がおこなわれ、筆者も同行いたしました。

もともと「メレ・フラ」というシリーズは「フラの音楽」というだけでなく、演奏そのものも単なる「フラの伴奏」の域を超えた良質の内容を持っていて、踊り手の皆さんもクム・フラ(権威あるフラ指導者)のナニ・リム・ヤップを筆頭にいずれも見事な踊りを披露してもらえました。

さらに、ヒストリアンでもあるダニエル・アカカ・ジュニアはこのDVDのためにわざわざオリ(詠唱)を書き上げ、有名なクム・フラであるジョン・カイミカウアにチェックを依頼するという、力のいれようでしたし、ナニ・リム・ヤップは妹のローナ・リムの踊りのためにキーラウエア山の噴火口(ハレマウマウ)まで出かけて息子と一緒にチャントを演奏するというこれまた大変な力のいれようでした。

こういった熱心な協力によって撮影されたビデオ画像をもとに、写真家のカズエさんが1年という長期間をかけて素晴らしいDVDにまとめあげましたが、このDVDの出現によって従来のレッスン・ビデオや観光ビデオとは一線を隔したジャンルのビデオが生まれたと言えるのではないでしょうか。

ミュージシャン紹介

このDVDにはたくさんのミュージシャンが登場しますが、ここでは主としてフラの踊り手の皆さんに焦点をあててご紹介いたします。

ダニエル・アカカ・ジュニア
ハワイ選出の上院議員ダニエル・アカカ・シニアの長男で、弟は若手スチール・ギター奏者のアレン・アカカ。ダニエル自身も歌手や楽器奏者であるが、ハワイの歴史に造詣の深いヒストリアンとしても有名です。

ナニ・リム・ヤップ
ハワイ島の名門リム・ファミリーの次女。長女のレイアロハともどもクム・フラとしてメリー・モナーク・フラ・コンペティションの常勝ハーラウ(フラ教室)であるナー・レイ・オ・カホロクーを主宰するとともに、音楽集団としてのリム・ファミリーの歌手としても活躍しています。

ローナ・リム
リム・ファミリーの四女で、姉達の創設したハーラウをサポートするとともに、歌手、ベーシストとしてリム・ファミリーでも活躍しています。

マナオラ・ヤップ
エドワード・ヤップとナニ・リム・ヤップ夫妻の長男。幼少の頃から母親の指導のもとでフラを学び、6歳のときにケイキ・フラ(子供のフラ)の催しで優勝しました。

カニアラ・フォノ・マソエ
ハワイ人とサモア人そして日本人の血を引くミュージシャン一家に生まれ、小さい頃から踊りと歌、そして楽器演奏を学んできました。17歳のときに権威のあるファルセット・コンテストに優勝し、記念CDには彼の歌が4曲収められています。

ケオニ・ジェニー
メリー・モナーク・フラ・コンペティションの創設者のひとりであるジョージ・ナオペにフラを師事しました。表情豊かな踊りは見る人を魅了します。

ミケラ・ラーソン
フラ・ダンサーとしてはもちろん、ハワイの伝統的な鼻笛(オヘ)の奏者としても実力者です。彼女が演奏するオヘの映像はカーヴィカのなかで見ることができます。そして「メレ・フラ・シリーズ」や「Musical Images of Hawaii」の表紙でポーズを決めているのも彼女なのです。

カレイウラ・カネアオ
今回のバックをつとめたご主人のウォーレンおよび二人の子供とグループを作って、コナを中心に活躍しているダンサーです。

ピイラニ・カアヴァロア
1986年度メリー・モナーク・フラ・コンペティションのミス・アロハ・フラ部門1st. Runner Upを飾った実力派のダンサーであり、高校の教師としてハワイ語を教えているというハワイ語のエキスパートでもあります。

エンジェル・ブラウン
映像にはほとんど登場しませんが、かわいらしいケイキ・フラのダンサーです。

曲目紹介

1.サンライズ・オリ
オープニングはこのアルバムのためにダニエルが書き下ろした「日の出のオリ」です。画面もマウナ・ケア山から現れる太陽と、その光が照らす大地、そして活動を始める鳥の鳴き声等々、大地のそしてハワイの永遠を念じたオリのイメージにふさわしい情景がダニエルの姿と一体となって描写されています。古代のオリは何も身に纏わずに詠われたのだそうで、できるだけそれに近づけようとダニエルはマイレ・レイやハク・レイのような飾りをつけずに演じています。

2.アイア・ラ・オ・ペレ・イ・ハヴァイイ
オリの次はチャントに乗せたフラ・カヒコ(古典フラ)が2曲登場します。最初のフラ・カヒコは火の神であるペレが住むといわれているキーラウエア火山の噴火口「ハレマウマウ」の前でナニと息子のマナオラがチャントを演奏し、これに合わせてローナが踊る「ペレに捧げるフラ」です。後半にはマナオラ自身が踊るフラとナニのハーラウ・メンバーによるフラも加えられています。

3.カーヴィカ
カーヴィカはカラーカウア王のファースト・ネーム「デイヴィッド」のハワイ語での呼び方です。カラーカウア王は長いこと禁止されていたフラを復興させた恩人でもあるので、彼を讃えるチャントがいろいろとつくられていて、このカーヴィカのそのひとつです。ここではケオニ・アトキンスンのチャントにミケラのオヘが加わり、ヒロのカラーカウア公園のなかでカニアラがフラ・カヒコを踊ります。

4.ウア・リケ・ノー・ア・リケ
ここからフラ・アウアナ(現代フラ)となります。最初の曲はハワイ島ヒロの雨、鳥、花等の自然ひとつひとつと恋人を対比させたラブ・ソングです。ヒロの海岸からヒロ郊外の花園「ナニ・マウ・ガーデン」の小川のほとりに画面が変わったところで母親のメアリー・アン・リムの歌をバックにナニが踊ります。

5.ノホ・パイパイ
ノホは「椅子」、パイパイは「揺れ動く」すなわち「揺り椅子」という意味を持つジョニー・アルメイダの代表的な作品です。お互いに知らない同士の男女が一緒に揺り椅子に座る、という内容ですが、裏の意味も持った歌なのです。ここではケオニによる活発な、しかもコミカルな踊りが楽しめます。

6.アカカ・フォールス
さきほどのカーヴィカでオヘを演奏したミケラがアカカの滝の前で踊ります。この曲はアカカという青年がこの滝から落ちて亡くなったことを二人の女性が悲しんだという内容ですが、ここでは1番と最終バース(すなわち1番の繰り返し部分)だけが歌われています。実際にアカカの滝の前で撮影したことにより、流れ落ちる滝の迫力までが伝わってきます。

7.パーパーリナ・ラヒラヒ
パーパーリナは「頬」、ラヒラヒは「優美な」の意味で、この曲は海のシブキにしっとりと濡れた可愛い頬を持つ恋人を歌っています。画面からもお分かりのようにカレイウラ自身も海のシブキを浴びながらの踊りで、大変足場の悪い溶岩の上にもかかわらずご主人のウォーレンの歌に合わせて軽快に踊っています。

8.マハロ・エ・ヒロ・ハナカヒ
この曲はハナカヒ(昔のヒロの領主)の治めたヒロに滞在した際に受けた暖かい歓迎に対して感謝(マハロ)を表するという内容を持っています。この画面の撮影はヒロ湾に面したヒロ・ナニロア・ホテルの中庭で行われました。背景に写っている照明からもお分かりのように日没寸前の撮影にもかかわらず、素晴らしい踊りを見事に記録しています。

9.カ・ヴァイ・レフア・アアラ・カ・ホヌア
有名なクム・フラのフランク・ヒューイットの作った曲です。ヴァイは「水、雨」、アアラは「香りのよい」、ホヌアは「大地」を意味し、タイトルは「大地を快い香りで満たすレフアの雨」という意味になります。レフアはハワイ島の島花でオヒアという木に咲くのですが、今回の撮影はレフアの咲く時期からずれていたためローナがこの花の咲いている場所までも探してくれました。

10. プープー・ヒヌヒヌ
ハワイ島で活躍しているスラック・キー・ギター奏者ジョン・ケアヴェの歌うプープー(貝)ヒヌヒヌ(輝く)すなわち「輝く貝」という子守唄をバックに踊る少女に海岸、貝、花などのイメージが重なります。写真に登場する赤いムウムウを着たモデルは有名な歌手ジョー・レッカのお嬢さんデリス・フラリ・レッカです。

11.マウナ・ケア・サンセット
このアルバムのフィナーレは夕日の沈むハワイ島西海岸各地の風景にはじまり、雪の女神ポリアフが住むといわれるマウナ・ケア山に積もった雪の風景と、すばる天文台の向こうに沈む太陽が「輝く星」のように見える幻想的な情景で締めくくります。

マット・コバヤシ

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18 コメント

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発売が楽しみ (iisan)
2006-04-27 21:43:16
MATTさんが某会社のフォトBBSで関連の写真を掲出されたのが昨年春でした。これを見たとき素人目ながら本場のフラというのは日本の横綱の土俵入りみたいな荘厳さと宗教的な伝承や重さを感じたものでした。



写真では表現されない動きがDVDでは見られる訳でぜひ本物のフラを見たいものです。



そうとも知らずハレマウマウのチャントの写真の中で宴会なんかしていたのでした。

                                    
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一年以上かかるとは・・・ (MATT)
2006-04-27 22:12:57
予想もしていませんでしたが、じっくりと時間を掛けて仕上げただけのことはある作品です。



わずか2台のビデオカメラで何度も何度も撮影し、いかにもたくさんのカメラで撮影したようにシーンを切り替える技法には驚かされました。さらにこれにスティルの画面がちりばめられてフラのもつ「物語」までも表現するのですから1年掛かるのもうなづけました。
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楽しみです。 (モリパパ)
2006-04-27 22:33:31
 このDVDは絶対買います。個人的にも、リム・ファミリーが好きです。フラの大会でも最近は常に上位で、ハワイを代表する音楽家です。歌も素敵です。実は、お母さんが生きている間に、きれいな花園をバックにリム・ファミリー、ライアテア・ヘルム、ホオケナが歌を歌い、美しい人がフラを踊る姿を見てみたいと思っています。このDVDが成功したら、ぜひ、このような企画でDVDを作ってください。
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ワイドスコープ (emamaea)
2006-04-28 00:41:00
MATTさん、お早うございます。



わたくしのPCは割合あたらしいもので、ワイド画面です。

それで超シネマスコープで写真を楽しみました。

DVDが楽しみですね。
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Unknown (mac)
2006-04-28 09:31:09
最近娘のラナのフラもだんだん良くなってきました、このDVDを観てさらに刺激をうけフラを頑張ってくれればと思います。
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DVD (MATT)
2006-04-28 12:54:58
>モリパパさん、私もリム・ファミリーは大好きで、ヒロの息子の家に逗留したときには、毎晩マウナ・ラニ・ベイ・ホテルのラナイでの彼らの演奏を聴きにいっていたので、「ヒロから毎晩来る・・・」とすっかり有名?になってしまいました。

その後も彼らが来日するとよく遊びに行ってはおかあちゃんの歌にしびれていました。



>emamaeaさん、パノラマでとった写真はまだまだたくさんあるのですが、iisanが書いているようにそれを公開したらなんとハレマウマウで宴会をする合成写真になってしまいました。

ハワイの長い歴史の中で神聖なハレマウマウで宴会をした、なんていうことは決してなかったのですが(涙)



>macさん、ラナちゃんもいまやウクレレじゃなくてフラに打ち込んでいるようですね。ハワイに行ったらぜひ良い先生についてくださいね。
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1年掛けた価値がありそうなDVD! (イィヴィ平野)
2006-04-30 10:52:38
これは楽しみですね!!

大変興味深いDVDです。



日の出かからはじまって日の入りで終わる演出など、よく考えられてますね。



いつ頃発売なのでしょう??

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発売日 (イィヴィ平野)
2006-04-30 10:53:40
あ、6月と書いてありますね。

今から楽しみです。
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このDVDはハワイでも発売しますので・・・ (MATT)
2006-05-01 09:06:51
ライナー・ノーツの英訳が用意されているだけでなく、歌詞が画面下部に字幕で出るのですが、日・英・ハワイ語、そして「表示なし」が選べるようになっていて、踊りの意味が理解しやすくなっているのも嬉しいですね。
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楽しみです ( みつこ)
2006-05-02 09:22:24
ハワイのマナを感じられるフラのビデオ。

発売を楽しみにしています。



(ナイショの話)MATTさんのブログは、いつもは、サクッ!と読んでいるのですが、このブログはじっくりと繰り返して読んじゃいました。
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