石川 博雄(記憶の作り方)Hiroo Ishikawa (How to make the memory)

オイラと妻とチクワ(11歳めす猫)ムギ(9歳おす猫)マメカン(7歳おす猫)二人と三匹のその日暮らしアレコレ

二人

2011-10-01 | 独り言

聞名寺の前に蕎麦屋がある

崖の上に石が乗っかるように立っている

特別美味くはないが 坂を登ってくると ちょうど一服したい場所にある

注文をして 手持ち無沙汰で待っていると若い男女が入ってきた

女はすぐ店の人に頭をさげてお願いをしているようだ

トートバッグを肩から提げていてスケッチブックがのぞいている

男は 全身に芯が入っていないようで ふらふらしている

そして 女は男を押し上げるように2階へ上がっていった

勘定を払うとき

「2階があるのかい?さっきのアベック何なの?」

「いいえ」

「病気かい?」

「絵書きさんで 裏の景色が気に入ったんで2階でスケッチをさせてくれって!女の人が言うもんだから

退院してきたばかりで外ではスケッチは無理だと言うもんだから」

男が持っている雰囲気は画家といわれれば 「そうは画家か!」と思わせるものを持っていた

しかし なんだか余命があまり無いような 長生きしてゆけるのだろうか?・・・

ふと感じた

外に出て裏の景色を眺めてみると

川が流れ 黄金色の田んぼがあり 遠くの山の中腹には墓場がみえた

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