![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/0b/5187b8fa49a9ec24f07ac020852d6d54.jpg)
聞名寺の前に蕎麦屋がある
崖の上に石が乗っかるように立っている
特別美味くはないが 坂を登ってくると ちょうど一服したい場所にある
注文をして 手持ち無沙汰で待っていると若い男女が入ってきた
女はすぐ店の人に頭をさげてお願いをしているようだ
トートバッグを肩から提げていてスケッチブックがのぞいている
男は 全身に芯が入っていないようで ふらふらしている
そして 女は男を押し上げるように2階へ上がっていった
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/29/97dac513d69eb6509b5b54ccaa03e2d8.jpg)
勘定を払うとき
「2階があるのかい?さっきのアベック何なの?」
「いいえ」
「病気かい?」
「絵書きさんで 裏の景色が気に入ったんで2階でスケッチをさせてくれって!女の人が言うもんだから
退院してきたばかりで外ではスケッチは無理だと言うもんだから」
男が持っている雰囲気は画家といわれれば 「そうは画家か!」と思わせるものを持っていた
しかし なんだか余命があまり無いような 長生きしてゆけるのだろうか?・・・
ふと感じた
外に出て裏の景色を眺めてみると
川が流れ 黄金色の田んぼがあり 遠くの山の中腹には墓場がみえた