入院している妹を見舞った後、病院近くの本屋さんに、ぶらり、立ち寄った。
テレビで、何度か聞いた「トイレの神様」というタイトルの本があった。著者は植村花菜、とある。
手にとって、ぱらぱら、めくる。あ、あの女の子だ。ちと、迷った。買おうか、買うまいか。で、買った。
自分のルーツを、詩にした。自分のルーツのメロデイー「テネシーワルツ」の雰囲気で曲ができた、と。
テレビで流れた「トイレの神様」♪をICレコーダーに録音した。何度か聞いた。歌いたくなった、ギターで。
録音した、のを、フレーズごとに聞き、言葉を書き出した。小3の頃から なぜだか・・・♪ 録音を聞いてコトバを拾う。やっと、おばあちゃん ほんまに ありがとう で、詩が終わった。
ふと、数ヶ月前に93で死んだ父のこと、がよぎった。ちょっと、複雑な気持ちだけど、親父 ありがとう、とつぶやいてみた。やっぱり、複雑。この複雑を文章で形にしてみよう。エッセイか小説か。きっと、小説、かな・・。
さ、次はメロデイー。聞いて聞いて、覚える。そして、ギターを抱えて、コードを探す。細かいところは、さておき、大筋、弾き語れるようになった。やれやれ。1週間かかった。
翌週、また、妹を見舞った。
帰途、また、ぶらり、あの本屋に立ち寄る。この間買った「トイレの神様」の隣に、〈くじけないで〉というタイトルの詩集があった。著者は98才、とある。え!98才? 手に取る。ぱらぱら、めくる。
「トイレには、きれいな女神様がいるんやで」のおばあちゃんも、素敵だけど、この98才の柴田トヨさん、素敵だわい!!
で、買った。〈くじけないで〉を。
トヨさんの詩は、こんなです。
こおろぎ
深夜 コタツに入って 詩を書き始めた
私 ほんとうは
と一行書いて 涙があふれた
何処かで こおろぎが鳴いている
泣く人遊んであげない
コロコロ鳴いている こおろぎコロスケ
明日もおいでね
明日は笑顔で
待ってるよ
*一平のつぶやき*
「こおろぎコロスケ」には、参りました!!
次の詩にゆきます。
朝はくる
一人で生きていく と決めた時から
強い女性になったの
でも 大勢の人が 手をさしのべてくれた
素直に甘えることも 勇気だと わかったわ
〈私は不幸せ・・・・・・・〉
溜息をついている貴方
朝はかならず やってくる
朝陽も
射してくるはずよ
*一平のつぶやき*
工藤慎太郎君の、2つで1つ、の歌詞をふと思い出しました。
「 喜びと悲しみは 2つで1つ だから
どうぞ 泣かないで
明日は きっと 晴れる ♪ 」
98才の柴田トヨさん と 28才の工藤慎太郎君。同じことを詠っている。僕は、その真ん中の65才。僕も、一平調で、言葉を搾り出すか♪
空
さびしくなったら 私 空を見るの
家族のような雲
日本地図のような雲
追いかけっこを している雲たちもいる
みんな
何処へ 流れていくのかしら
夕暮れには茜雲 夜には満天の星
あなたにも
空を見上げるゆとりが
必要よ
*一平のつぶやき*
わかるなー。トヨさん。僕も、ボーっと眺めてます。同じ形は、2度とない雲の形。新春ライブで歌った「坂の上の雲」の主題歌・ Stand Alone の曲。 おーーい、雲たち! おーーい!
神様
昔 お国のために と 死にいそいだ
若者たちがいた
今 いじめを苦にして 自殺していく
子供たちがいる
神様 生きる勇気を どうして
与えてあげなかったの
戦争の仕掛け人 いじめる人たちを
貴方の力で
躓かせて
*一平のつぶやき*
・・・・・・・貴方の力で 躓かさせて(つまずかさせて)・・・ ああ、神様、って、トヨさん、背筋がピンと伸びている。貴方のような老人になりたい。
年末年始、僕は、
トイレの神様 と 柴田トヨさんの詩
に出会いました。
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