7.福知山のしっとり濡れた夜景を見て「ここは都会だ。これならホテルくらいありそうだ」と私は漠然と思った。還暦過ぎて野宿は勘弁して欲しい。いや、私は野宿くらい全く大丈夫のつもりだったが、野宿の夜は想像以上に長いという話だ。夜中に「職務質問」なんかされるのも煩わしいから嫌だった。これ以上当てもなく先に進むのも億劫だし、半分「ここらで一泊か・・」という気になりかかったそのとき「快速大阪行」の電光掲示板が目にとまった。19:42発の福知山線である。
「ああ、帰れるなら帰るに越したことはない。しかも直通だし・・」とすぐさま方針変更し、時間はまだ充分あったので駅前の写真を撮りに改札を出た。係りの若い駅員はにこにこ笑ってやけに愛想が良かったが、私の方は気持ちが沈んでいて冗談の一つも言える気分ではなかった。
19:32 福知山5番線発快速大阪行。
どこからどこまでを福知山線と呼ぶのか、途中までは単線で各駅停車であり、先は宝塚線と繋がっている。福知山線と言えばあの痛ましい脱線事故であるが、今回は夜間、進行方向も逆だったので、塚口ー尼崎間のどこが事故現場なのかわからないうちに過ぎてしまった。
19:45-49 市島。入替え待ち。
「一人では決断出来なかった」(家庭訪問した相談員)のなら上司に相談するのが普通だろう。「置手紙をしただけで何もせずに帰る」というのは立派な「決断」ではないか。
車掌に訊いたら大阪着は21:54になるとのことだった。事実そうなった。半日JRに乗って、切符の検札はこのときが最初で最後だった。
19:54-57 黒井。入替え待ち。
子育てが嫌なら嫌で構わないから(!)せめて教会の玄関とか大きな病院の待合室とかに「捨て子」をする選択肢はなかったのか。昔は(主に経済的理由で)そういう「捨て子」はあったのだが・・。
彼女の場合、殺意と言っても一種消極的な(?)ものである。本当に憎くて二人を殺したかったのなら、首を絞めるとか湯船に沈めてしまうとか、もっと直接的で衝動的なな殺害法があっただろう。
3歳の女児がおしゃまで手に余った末のいわゆる「折檻」だったなら、1年7ヶ月の弟まで一緒に閉じ込める必要はなかった。彼女は何でもいいからとにかく二人から逃げたかったのだろうか。「もうこれ以上私に付き纏わないでくれ」「私を頼らないでくれ」とテープを貼って追尾を拒否したのだろうか。
20:01 石生(いそう)。
23歳で二児の母。自分はもっと遊びたい。自分の時間が欲しい。
童謡「赤とんぼ」には「十五で姐やは嫁に行き」という歌詞があるが、私らの世代も含めて、この国の今の人間の精神年齢は低い。
私は藤田敏八監督の名作『赤ちょうちん』(1974年)を思い出す。若い同棲カップルに子供が出来る。幸枝(秋吉久美子)の妊娠を知ったときの政行(高岡健二)の名台詞がある。
ガキがガキ生んでどうすんだよ!?
夫の反対を押し切って幸枝は子供を生み、彼ら親子三人は徐々に社会的に追い詰められ居所を転々とするというストーリーである。当時流行った「赤ちょうちん」という歌とは殆ど無関係な映画の展開だった。
政行は妻と子供を見捨てなかったが、今回の事件の場合、誰か彼女に助力し相談に乗った者はいたのだろうか。また「未必の故意」による殺人罪なら、私はむしろ「泣く子」を放置した行政に適用したい思いがある。
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赤ちょうちん(1974) - goo 映画
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霞が関が次の標的「みんなの党」潰しに動き出した
【政治・経済】
2010年8月5日 『日刊ゲンダイ』掲載
菅政権なんてチョロいもの
●まずは松田公太を
「民主党は、思ったより話の分かる大臣ばかりで助かる」
こう言う役人は多い。要はナメられているのである。政治主導を掲げていた民主党だが、菅政権になって、完全に官僚と手を握ってしまった。
仙谷大臣ら政権中枢を籠絡(ろうらく)した霞が関官僚の標的は、すでに次に移っている。公務員改革を旗印に参院選で大躍進したみんなの党のスキャンダルを一丸となって探しているのだという。
「人気取りで、公務員のクビを切れなどと言うみんなの党を潰せというのが、霞が関の暗黙の了解になっています。参院選でみんなの党から立候補し、初当選したタリーズコーヒージャパン創業者の松田公太氏が、さっそくやられましたね。創業当時のパートナーが松田氏を告発する記事が、週刊誌に掲載されたのです。女性関係の話も流され、松田氏はツイッターやブログで怒りを爆発させています」(霞が関事情通)
●次は渡辺代表のスキャンダル?
7月31日には、「私のプライベートについて書かせていただきます」というタイトルでブログを更新。こう記している。
〈私には1度、離婚歴があります。元妻との間には、小学生になる娘がいます。数か月に渡って話し合った結果、4年前の春に協議離婚をしました。現在は独身ですが、交際中の女性はいます。彼女との間にも、3歳の幼い子供がいます。事情があって入籍はしていませんが、子供の父親が私であることを認知しています〉
複雑な家族関係を明かしたのは、元妻や交際相手の親戚にまで及ぶ取材攻勢にマイってしまったからだ。
〈私が今回、敢えて自分のプライベートなことまで書いたのは、週刊誌の取材に大変迷惑しているからです〉と告白している。
「もちろん、これで終わりではありません。財務省が中心となり、渡辺喜美代表のスキャンダルを探している。近々、カネに関するスキャンダルが表に出るとの情報もあります」(前出の事情通)
組織防衛に必死な役人ども。他人のスキャンダル探しをするヒマがあるなら仕事しろ!
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「ああ、帰れるなら帰るに越したことはない。しかも直通だし・・」とすぐさま方針変更し、時間はまだ充分あったので駅前の写真を撮りに改札を出た。係りの若い駅員はにこにこ笑ってやけに愛想が良かったが、私の方は気持ちが沈んでいて冗談の一つも言える気分ではなかった。
19:32 福知山5番線発快速大阪行。
どこからどこまでを福知山線と呼ぶのか、途中までは単線で各駅停車であり、先は宝塚線と繋がっている。福知山線と言えばあの痛ましい脱線事故であるが、今回は夜間、進行方向も逆だったので、塚口ー尼崎間のどこが事故現場なのかわからないうちに過ぎてしまった。
19:45-49 市島。入替え待ち。
「一人では決断出来なかった」(家庭訪問した相談員)のなら上司に相談するのが普通だろう。「置手紙をしただけで何もせずに帰る」というのは立派な「決断」ではないか。
車掌に訊いたら大阪着は21:54になるとのことだった。事実そうなった。半日JRに乗って、切符の検札はこのときが最初で最後だった。
19:54-57 黒井。入替え待ち。
子育てが嫌なら嫌で構わないから(!)せめて教会の玄関とか大きな病院の待合室とかに「捨て子」をする選択肢はなかったのか。昔は(主に経済的理由で)そういう「捨て子」はあったのだが・・。
彼女の場合、殺意と言っても一種消極的な(?)ものである。本当に憎くて二人を殺したかったのなら、首を絞めるとか湯船に沈めてしまうとか、もっと直接的で衝動的なな殺害法があっただろう。
3歳の女児がおしゃまで手に余った末のいわゆる「折檻」だったなら、1年7ヶ月の弟まで一緒に閉じ込める必要はなかった。彼女は何でもいいからとにかく二人から逃げたかったのだろうか。「もうこれ以上私に付き纏わないでくれ」「私を頼らないでくれ」とテープを貼って追尾を拒否したのだろうか。
20:01 石生(いそう)。
23歳で二児の母。自分はもっと遊びたい。自分の時間が欲しい。
童謡「赤とんぼ」には「十五で姐やは嫁に行き」という歌詞があるが、私らの世代も含めて、この国の今の人間の精神年齢は低い。
私は藤田敏八監督の名作『赤ちょうちん』(1974年)を思い出す。若い同棲カップルに子供が出来る。幸枝(秋吉久美子)の妊娠を知ったときの政行(高岡健二)の名台詞がある。
ガキがガキ生んでどうすんだよ!?
夫の反対を押し切って幸枝は子供を生み、彼ら親子三人は徐々に社会的に追い詰められ居所を転々とするというストーリーである。当時流行った「赤ちょうちん」という歌とは殆ど無関係な映画の展開だった。
政行は妻と子供を見捨てなかったが、今回の事件の場合、誰か彼女に助力し相談に乗った者はいたのだろうか。また「未必の故意」による殺人罪なら、私はむしろ「泣く子」を放置した行政に適用したい思いがある。
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赤ちょうちん(1974) - goo 映画
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霞が関が次の標的「みんなの党」潰しに動き出した
【政治・経済】
2010年8月5日 『日刊ゲンダイ』掲載
菅政権なんてチョロいもの
●まずは松田公太を
「民主党は、思ったより話の分かる大臣ばかりで助かる」
こう言う役人は多い。要はナメられているのである。政治主導を掲げていた民主党だが、菅政権になって、完全に官僚と手を握ってしまった。
仙谷大臣ら政権中枢を籠絡(ろうらく)した霞が関官僚の標的は、すでに次に移っている。公務員改革を旗印に参院選で大躍進したみんなの党のスキャンダルを一丸となって探しているのだという。
「人気取りで、公務員のクビを切れなどと言うみんなの党を潰せというのが、霞が関の暗黙の了解になっています。参院選でみんなの党から立候補し、初当選したタリーズコーヒージャパン創業者の松田公太氏が、さっそくやられましたね。創業当時のパートナーが松田氏を告発する記事が、週刊誌に掲載されたのです。女性関係の話も流され、松田氏はツイッターやブログで怒りを爆発させています」(霞が関事情通)
●次は渡辺代表のスキャンダル?
7月31日には、「私のプライベートについて書かせていただきます」というタイトルでブログを更新。こう記している。
〈私には1度、離婚歴があります。元妻との間には、小学生になる娘がいます。数か月に渡って話し合った結果、4年前の春に協議離婚をしました。現在は独身ですが、交際中の女性はいます。彼女との間にも、3歳の幼い子供がいます。事情があって入籍はしていませんが、子供の父親が私であることを認知しています〉
複雑な家族関係を明かしたのは、元妻や交際相手の親戚にまで及ぶ取材攻勢にマイってしまったからだ。
〈私が今回、敢えて自分のプライベートなことまで書いたのは、週刊誌の取材に大変迷惑しているからです〉と告白している。
「もちろん、これで終わりではありません。財務省が中心となり、渡辺喜美代表のスキャンダルを探している。近々、カネに関するスキャンダルが表に出るとの情報もあります」(前出の事情通)
組織防衛に必死な役人ども。他人のスキャンダル探しをするヒマがあるなら仕事しろ!
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