本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

少しだけ参院選の結果を読む♪

2010-07-12 18:37:25 | 社会
1.私が管内閣不支持を基本とするに至ったのは唯一霞ヶ関丸投げの「沖縄売渡し」政策によると言っていいのであるが、一人区を始めとした日本全国の保守層をあっけなく先祖帰りさせてしまった原因は遺憾ながら沖縄問題ではなく、やはり右顧左眄・出したり引っ込めたりの独善的消費税発言である。
「なに、10%? 言い出しっぺの自民党と同じじゃないか。だったら自民の方がなんぼかいい」と彼らが考えるのにどんな無理・障害があるだろうか。ありゃしない。支持再移行のゆり戻しは「渡りに舟」の様相で全くスムースに行なわれたのである。
 マニフェストを悉く反故にして前回吹いた「無党派層の風」はそっくり「みんなの党」へ「禅譲」し、更には一旦は自分に向いた保守層の支持もまたそっくり従来の自民党に返上してしまって、いったいどうやってセンキョに勝てるというのか。
 小沢の複数区に二人立てた戦術が無謀で今回の敗因であると、一部メデイアと新執行部は言うのであるが、今回二人立てて共倒れに終わった選挙区など存在しないのである。
 管が当初掲げた「現有54議席確保」という目標は、既に「戦況我に利あらず」と知った上での望み叶わぬ目標設定であるが、ここに枝野幹事長が管総理に「殿、衆参同日選挙をすれば参院の過半数と衆院270議席は確保出来ますぞ。ぶひひ」と机上の空論だけを根拠に「衆参同日センキョ」を進言したという話がある。
 野田国対がかつて偽メールにいきり立つ永田議員をけしかけて、結果自爆から骨も拾わぬ「自死」へと追い込んだように、彼らにはどうも野党時代から後先考えぬ「行け行けどんどん」の体質が抜け切れていないように見受けられる。「(小沢自由党に)庇を貸して母屋を奪われた」前科のある彼らには、もともと冷徹に現状を分析し先を見通す「眼力」~つまりは「老獪な政治力」というものが決定的に欠けているのである。これでは小沢に嫌われ愛想を尽かされるのもまた当然と言える。
 彼ら民主党に古くから籍を置いていた連中というのは、どうも「お~い、兄貴ぃ!」という「兄貴分探し」の体質がすっかり根付いてしまっているように私には見える。自分から局面を打開していくだけの知力も気概も持ち合わせていないのである。だから自民に言い寄られればすぐに自民に靡いて結局短期間での自民復活を見事にアシストしてしまうし、小沢が来れば小沢にいいように操られてしまうのである。今回「てっぺん志向」の管が満を持して出陣したが、「これじゃあ何のために俺が辞めたかわからないよ」と鳩に怒られる始末だ。
 彼らはつまり人の上に立つだけのそれなりの才覚というものがないのである。早いとこ現執行部を退陣させないと民主政権は終わってしまうかも知れない。

2.ただ民主党支持者乃至は好意的な人たちの中には「だから言わないこっちゃない」「それみたことか」と忸怩たる複雑な思いを抱く人もいるだろうが、私はそれはちょっと違うかも知れないぜと言っておきたいのである。
 管に消費税を口走らせることに成功し「してやったり」の財務官僚はもとより民主政権が不安定になることは願ったり叶ったりの展開であるし、管ら執行部自体がそもそも多少の敗北は「織り込み済」だった筈である。
 厚生大臣だったときカイワレをむしゃむしゃ食ったイラカンを筆頭に、彼らは皆何が嫌だと言って、小沢がいやでいやでたまらず「自・社・さ」政権に走った連中である。言ってみれば、「小沢と自民とどちらを選ぶか?」と問われれば一も二もなく自民を選ぶ度し難い連中なのである。ただ現有衆院308(-1)議席を蹴ってまで自民との連携に走る「大義名分」はどこにもないから、むしろ「参院選大敗北」から法案が全く通らない「衆参逆捩れ」に至った今日の事態の方が「動く」理由が出現して彼らには有難かったのではないか。
 無論彼らは自分から民主党を割るだけの度量も才覚もないから、小沢派が切れて、小沢派の方から「分裂」を言い出して欲しいというのが本音のように私には思われる。

3.いずれにせよ、沖縄県で候補者も立てられなかった民主党など敗れて当然というのが私の偽らざる感想である。何度でも繰り返すが「小鳩つぶし」はアメリカによる内政干渉に等しく、外務省官僚や防衛省官僚などは米国の走狗そのものなのである。管政権が無傷のまま9月の代表センキョまで保つかどうか。

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国民は民主政治を否定したのか
【政治・経済】
2010年7月13日 『日刊ゲンダイ』掲載

証明された「脱小沢では無力」な民主党
 参院選で世紀の大惨敗を喫した菅民主党は、執行部の責任回避に躍起だ。しかし、今度の選挙でハッキリしたのは、「脱小沢路線」が大失敗だったということだ。
「小沢さんにはしばらく休んでもらう」と言い、クーデターのごとく、小沢切りを断行した菅政権。その主役は菅であり、知恵を授けたのが仙谷官房長官や枝野幹事長であるのは言うまでもないが、その結果が、このザマだ。脱小沢でいい気になったのは一瞬で、あとは国民も呆れ返る迷走の連続だった。
 しょせん、小沢がいなければ何もできないじゃないか。菅らの“幼稚さ”をまざまざと見せ付けられた選挙戦だったのである。
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「就任後、菅首相がやったのは、唐突な消費税増税論議と、昨年、国民と約束したマニフェストを骨抜きにすること。さらに民主党の売り物だった透明性に逆行する取材拒否と、選挙終盤にはメッセージを伝えるために取材に応じるという自分勝手でした。これだけ裏切りを続ければ、この選挙結果になりますよ。総理は改めてスタートラインに立ちたいとか言っていましたが、スタートからズッコケ、この結果を招いたのです」
 菅が打ち出したことは消費税を筆頭にすべて、小沢流の逆張りだ。この間、小沢は「国民との約束は果たさなければいけない」と再三、メッセージを発したが無視された。
 その結果が比例で1845万票、選挙区で2275万票と、自民党をはるかにしのぐ票を集めながら、第1党の座を自民に譲るという世紀のマヌケ選挙だったのである。
「1人区でなぜ、これだけ負けたのか。私は菅首相や枝野幹事長の物言いが、野党やその支持者を怒らせ、燃え上がらせたのだと思います。与党なのに野党の過去の失政の揚げ足を取り、バカにするような言動です。これで自公の選挙協力がかつてないほど強固になった。菅首相や枝野幹事長を見ていると、その言葉が議論ではなく、相手を傷つける武器になっている。それが有権者の拒否反応を招く。私は小沢切りにも共通の怖さ、冷たさを感じました」(元参院議員・平野貞夫氏)
 頭デッカチで、人の痛みも分からず衝突ばかりしている子供がいるが、よく似ている。それをいさめる小沢がいなければ、民主党はどうにもならない。

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