1.沈黙の逆襲
日本通=S・セガール主演の『沈黙』のシリーズで、このシリーズはどこがいいかと言えば主人公が滅多なことではやられないスーパーヒーローだから、観客は安心し切って見ていられる点にある。でもこの映画では警官仲間の裏切りにあって最初に殺されて(?)しまうのである。あちゃ。
原題は「The Keeper」であり、今回のセガールは今は「石油成金」(実はウラン鉱脈も)のかつての警官仲間に娘の警護を頼まれ大活躍するのである。
沈黙の逆襲 - goo 映画
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2.バビロンA.D.
この映画も運び屋の話だった。ブツはここでも一人の女性である。運ぶのはハーレム出身・全身刺青の不良(?)で、彼女をウクライナからベーリング海峡の雪原を越えてNYまで運ぶのである。しかも「NYには自らの死が待っている」とまで、彼女は謎の予言をする。この女性は一種超能力を持っていて、生みの親は片や新興集団の教祖(←彼女が運搬の依頼主である)と男親はアトムの天馬博士みたいなマッドな科学者という設定で、これにマフィアが絡むという定番の話である。何か「とんでる♪」話だったが私は充分楽しめた。
バビロン A.D. - goo 映画
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3.ブラックホーク・ダウン
これは東アフリカに於ける米海兵隊の市街戦がメインの戦争映画で、内戦介入が失敗に終わった一事例を克明に描いている。『世界の憲兵』として日夜世界中を駆け回っている米国軍隊であるが、彼らが民間人か民兵かの区別も不明(事実上不可能)なまま『なぜ(かくまで)戦うか!?』についての明白な説明などは(手に余るのか)映画の中では示されていない。「アメリカの戦争」は一つのシステムなのである。
ブラックホーク・ダウン - goo 映画
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管スッカラカンでは国は滅びる
【政治・経済】
2010年9月25日 『日刊ゲンダイ』掲載
管無能政権 正体暴露
「極めて愚かな判断だ。中国の圧力に政治が屈した」
お腹が弱い安倍チャンこと安倍晋三元首相にここまで言われたらオシマイだ。菅内閣はサッサと店をたたんで総退陣した方がいい。
今回の尖閣諸島での中国漁船衝突事件の処理は、あまりにオソマツ過ぎる。歴史に汚点を残す仙谷官房長官の愚挙と言うしかない。
「衝突事件は民主党の代表選の最中に起きた。ちょうど内閣のメンバーが代わる端境期。前原・岡田新旧外相は今回の事件に、ほぼノータッチで、仙谷官房長官が独断で事態の収拾に乗り出したのです」(官邸事情通)
驚いたことに仙谷は24日の会見で、「(釈放決定は)3、4時間後には(NY滞在中の)菅首相の耳に入るだろう」と語った。首相の判断すら飛び越えた政治主導ならぬ“仙谷主導”。その仙谷の頭の中は当初、「強硬な態度は中国の国内世論向け」という甘い考えだった。ナアナアで済ませば、自民党や国内のタカ派から「中国に屈した」と攻め立てられる。だから、「日本の法律に基づいて粛々と毅然と対応する」と気張り、中国船長の拘束という“強硬手段”に出た。あくまでも保身のため、思い切りコブシを振り上げたのだ。
「見通しや落としどころがあっての強硬手段ならともかく、その後の展開を見れば、菅政権は何も考えを持ち合わせていなかったとしか思えません。ケンカの仕方も分からないのに、息巻いてみせただけ。外交オンチもここに極まれりです」(外交評論家で国際教養大学客員教授の小山貴氏)
●外圧に弱い国と世界にメッセージ
中国は、仙谷の甘い考えを見透かしたように、報復カードを切り、圧力を強めていった。東シナ海ガス田交渉の一方的延期、要人・文化交流の停止……。温家宝首相は「中国は必要な『強制的な措置』をとらざるを得ない」と発言。中国語で「強制的」とは、公権力を振るう厳しい措置を意味する。事実、温家宝発言を境に、中国側は日本製造業の「生命線」とも言えるレアアースの事実上の輸出停止に踏み切り、フジタ社員4人を中国国内で拘束した。
そこに助け舟を出すように割って入ってきたのが、米国だ。
「対中関係について、日米が緊密に連携していく」(オバマ大統領)、「尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲に含まれる」(クリントン国務長官)と日米会談の場で絶妙な“リップサービス”。ようやく日本側もコブシを下ろす機会を見いだすことができた。
「逆に言えば、日本は自らの力で外交問題を解決する能力がないことを改めて世界にさらしてしまったようなものです」(小山貴氏=前出)
しかも、中国側が強く出れば、日本は譲歩せざるを得ないという図式が国際的に知れ渡ってしまった。シンガポール国立大のイアン・チョンジ准教授(国際関係論)は「日本政府が外圧に弱いというメッセージを(世界に)与えた可能性がある」と指摘したが、その通りだ。仙谷の愚かな判断で、日本は世界の笑いものとなり、国際的な危機に立たされたのだ。
●国際的に漂流し始めた日本滅亡の道
中国人船長の釈放決定を受け、中国国内は“戦勝ムード”に包まれている。上海在住の日本人ジャーナリストはこう言った。
「中国での報道は“日本をやっつけた”というものがほとんどです。日本政府を押せば、折れるということが分かった。これからも、尖閣諸島の領有権にはじまり、ガス田共同開発や排他的経済水域境界線の画定など、東シナ海をめぐる諸問題で日本を挑発し、揺さぶりをかけるのは間違いありません。日中の力関係は完全にひっくり返ったというのが中国メディアの論調です」
こうなると、オバマ政権は日本に味方するフリをしながら、中国に有利な裏工作をしたようにもみえる。日本は、米国にも見捨てられたということだ。
普天間基地のグアム移転を勝手に延期したように、米国はもう日本の国内事情など考慮しなくなった。恐らく円高問題も放置する意向だろう。いよいよ、日本は国際的に漂流を始めたのである。
バカげたことに、仙谷は中国人船長の釈放を「那覇地検独自の判断だ。それを了とした」と繰り返した。自ら招いた歴史的汚点のツケを検察庁の地方機関に過ぎない那覇地検に押し付けようとしているのだ。
言うまでもなく、検察庁は外交問題の担当機関ではない。中国との外交関係をどうこう言うのは越権行為だ。元東京地検公安部長の若狭勝弁護士は「(検察が)船長を釈放すれば起訴できなくなり、バッシングを浴びる。経験上、検察単独では判断できず、何らかの政府の判断が検察側にももたらされたのではないか」と分析したが、当然だ。
領土問題という最も高度な政治・外交案件で、菅政権は何の判断も下さず、那覇地検に判断を委ねる。こんな異常はない。一地方機関が国家の判断を下すと、菅内閣は自ら“無政府状態”を満天下にさらしたのと同じだ。
「政治主導」が聞いてアキレる。大阪地検の捏造事件の処分が残る最悪のタイミングで那覇地検に国の判断を預ける無責任ぶりは言語道断だ。
●管、仙谷が権力に居座る最大不幸
結末までのシナリオが描けていないなら、最初から船長を逮捕しなければよかったのである。中国側が日本の海域で挑発してきてもカッカせず、シッシと追い返せばよかったのだ。そうすれば、世界に恥をさらすこともなかったはずである。
この政権は、もうどうしようもない。外交も内政もスッカラカンだ。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「菅首相の取り巻きには、連立方程式のような外交問題を扱える人材が見当たりません。小沢元代表が首相になっていれば、展開は違っていたでしょうね。中国とのパイプがあるし、米国にもにらみが利く。圧力を掛けられてオタオタする前に、先を読んで手を打っていたはずです。菅政権にはそれがない。すべて受け身です。臨時国会は召集日すら野党の言いなりで前倒し。それでいて、補正予算案や郵政法案への対応は固まっていないという状況。このままいくと、補正予算は衆院の優越で通ったとしても、関連法案が潰される危険性が高い」
そうなっても菅や仙谷が権力を握り続けるようなら、この国は滅びるしかない。
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領土問題等国際紛争は、一般に諸国入り混じっての相互ナショナリズムの鼓舞で『解決』することはない。安倍ポンの出る幕など最初からないのである。
我々が対置すべきなのは一国主義でもブロック主義でもなく、国際主義即ちインターナショナリズム以外ではあり得ない。「尖閣列島は日本固有の領土だ」などと安倍ポン顔負けの主張を展開している共産党などは典型的な「民族排外主義」であり、この党は先の参院選敗北の結果を総括し、今後「党員獲得」にまい進するのだそうである。聞けばここも「党員の高齢化」(!)が進んで、全党員の実に40%超が40代以上だというのである。(笑)
それはいいとして(はあ?)この種の議論は犬同士が電信柱に小便をかけ合ってテリトリーと覇権を争うようなものであり、「俺が、俺が」「俺のだ、俺のだ」という無知蒙昧かつ余りにもレベルの低過ぎる愚行を、我々人類はいったいいつまで繰り返したら気が済むのかということなのである。
尤もウイルスや単細胞生物から霊長類に至る「生物」の基本を著しく踏み外してしまった、いわば「壊れた生命」こそが人間だという議論もあるので、自他相容れない利害を前に髪振りかざして覇権を争い、同一種で殺し合いまでする我々が「正常」か否かは単純に結論づけることの出来る問題ではないのかも知れない。
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cf.京都駅シネマ
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日本通=S・セガール主演の『沈黙』のシリーズで、このシリーズはどこがいいかと言えば主人公が滅多なことではやられないスーパーヒーローだから、観客は安心し切って見ていられる点にある。でもこの映画では警官仲間の裏切りにあって最初に殺されて(?)しまうのである。あちゃ。
原題は「The Keeper」であり、今回のセガールは今は「石油成金」(実はウラン鉱脈も)のかつての警官仲間に娘の警護を頼まれ大活躍するのである。
沈黙の逆襲 - goo 映画
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2.バビロンA.D.
この映画も運び屋の話だった。ブツはここでも一人の女性である。運ぶのはハーレム出身・全身刺青の不良(?)で、彼女をウクライナからベーリング海峡の雪原を越えてNYまで運ぶのである。しかも「NYには自らの死が待っている」とまで、彼女は謎の予言をする。この女性は一種超能力を持っていて、生みの親は片や新興集団の教祖(←彼女が運搬の依頼主である)と男親はアトムの天馬博士みたいなマッドな科学者という設定で、これにマフィアが絡むという定番の話である。何か「とんでる♪」話だったが私は充分楽しめた。
バビロン A.D. - goo 映画
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3.ブラックホーク・ダウン
これは東アフリカに於ける米海兵隊の市街戦がメインの戦争映画で、内戦介入が失敗に終わった一事例を克明に描いている。『世界の憲兵』として日夜世界中を駆け回っている米国軍隊であるが、彼らが民間人か民兵かの区別も不明(事実上不可能)なまま『なぜ(かくまで)戦うか!?』についての明白な説明などは(手に余るのか)映画の中では示されていない。「アメリカの戦争」は一つのシステムなのである。
ブラックホーク・ダウン - goo 映画
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管スッカラカンでは国は滅びる
【政治・経済】
2010年9月25日 『日刊ゲンダイ』掲載
管無能政権 正体暴露
「極めて愚かな判断だ。中国の圧力に政治が屈した」
お腹が弱い安倍チャンこと安倍晋三元首相にここまで言われたらオシマイだ。菅内閣はサッサと店をたたんで総退陣した方がいい。
今回の尖閣諸島での中国漁船衝突事件の処理は、あまりにオソマツ過ぎる。歴史に汚点を残す仙谷官房長官の愚挙と言うしかない。
「衝突事件は民主党の代表選の最中に起きた。ちょうど内閣のメンバーが代わる端境期。前原・岡田新旧外相は今回の事件に、ほぼノータッチで、仙谷官房長官が独断で事態の収拾に乗り出したのです」(官邸事情通)
驚いたことに仙谷は24日の会見で、「(釈放決定は)3、4時間後には(NY滞在中の)菅首相の耳に入るだろう」と語った。首相の判断すら飛び越えた政治主導ならぬ“仙谷主導”。その仙谷の頭の中は当初、「強硬な態度は中国の国内世論向け」という甘い考えだった。ナアナアで済ませば、自民党や国内のタカ派から「中国に屈した」と攻め立てられる。だから、「日本の法律に基づいて粛々と毅然と対応する」と気張り、中国船長の拘束という“強硬手段”に出た。あくまでも保身のため、思い切りコブシを振り上げたのだ。
「見通しや落としどころがあっての強硬手段ならともかく、その後の展開を見れば、菅政権は何も考えを持ち合わせていなかったとしか思えません。ケンカの仕方も分からないのに、息巻いてみせただけ。外交オンチもここに極まれりです」(外交評論家で国際教養大学客員教授の小山貴氏)
●外圧に弱い国と世界にメッセージ
中国は、仙谷の甘い考えを見透かしたように、報復カードを切り、圧力を強めていった。東シナ海ガス田交渉の一方的延期、要人・文化交流の停止……。温家宝首相は「中国は必要な『強制的な措置』をとらざるを得ない」と発言。中国語で「強制的」とは、公権力を振るう厳しい措置を意味する。事実、温家宝発言を境に、中国側は日本製造業の「生命線」とも言えるレアアースの事実上の輸出停止に踏み切り、フジタ社員4人を中国国内で拘束した。
そこに助け舟を出すように割って入ってきたのが、米国だ。
「対中関係について、日米が緊密に連携していく」(オバマ大統領)、「尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲に含まれる」(クリントン国務長官)と日米会談の場で絶妙な“リップサービス”。ようやく日本側もコブシを下ろす機会を見いだすことができた。
「逆に言えば、日本は自らの力で外交問題を解決する能力がないことを改めて世界にさらしてしまったようなものです」(小山貴氏=前出)
しかも、中国側が強く出れば、日本は譲歩せざるを得ないという図式が国際的に知れ渡ってしまった。シンガポール国立大のイアン・チョンジ准教授(国際関係論)は「日本政府が外圧に弱いというメッセージを(世界に)与えた可能性がある」と指摘したが、その通りだ。仙谷の愚かな判断で、日本は世界の笑いものとなり、国際的な危機に立たされたのだ。
●国際的に漂流し始めた日本滅亡の道
中国人船長の釈放決定を受け、中国国内は“戦勝ムード”に包まれている。上海在住の日本人ジャーナリストはこう言った。
「中国での報道は“日本をやっつけた”というものがほとんどです。日本政府を押せば、折れるということが分かった。これからも、尖閣諸島の領有権にはじまり、ガス田共同開発や排他的経済水域境界線の画定など、東シナ海をめぐる諸問題で日本を挑発し、揺さぶりをかけるのは間違いありません。日中の力関係は完全にひっくり返ったというのが中国メディアの論調です」
こうなると、オバマ政権は日本に味方するフリをしながら、中国に有利な裏工作をしたようにもみえる。日本は、米国にも見捨てられたということだ。
普天間基地のグアム移転を勝手に延期したように、米国はもう日本の国内事情など考慮しなくなった。恐らく円高問題も放置する意向だろう。いよいよ、日本は国際的に漂流を始めたのである。
バカげたことに、仙谷は中国人船長の釈放を「那覇地検独自の判断だ。それを了とした」と繰り返した。自ら招いた歴史的汚点のツケを検察庁の地方機関に過ぎない那覇地検に押し付けようとしているのだ。
言うまでもなく、検察庁は外交問題の担当機関ではない。中国との外交関係をどうこう言うのは越権行為だ。元東京地検公安部長の若狭勝弁護士は「(検察が)船長を釈放すれば起訴できなくなり、バッシングを浴びる。経験上、検察単独では判断できず、何らかの政府の判断が検察側にももたらされたのではないか」と分析したが、当然だ。
領土問題という最も高度な政治・外交案件で、菅政権は何の判断も下さず、那覇地検に判断を委ねる。こんな異常はない。一地方機関が国家の判断を下すと、菅内閣は自ら“無政府状態”を満天下にさらしたのと同じだ。
「政治主導」が聞いてアキレる。大阪地検の捏造事件の処分が残る最悪のタイミングで那覇地検に国の判断を預ける無責任ぶりは言語道断だ。
●管、仙谷が権力に居座る最大不幸
結末までのシナリオが描けていないなら、最初から船長を逮捕しなければよかったのである。中国側が日本の海域で挑発してきてもカッカせず、シッシと追い返せばよかったのだ。そうすれば、世界に恥をさらすこともなかったはずである。
この政権は、もうどうしようもない。外交も内政もスッカラカンだ。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「菅首相の取り巻きには、連立方程式のような外交問題を扱える人材が見当たりません。小沢元代表が首相になっていれば、展開は違っていたでしょうね。中国とのパイプがあるし、米国にもにらみが利く。圧力を掛けられてオタオタする前に、先を読んで手を打っていたはずです。菅政権にはそれがない。すべて受け身です。臨時国会は召集日すら野党の言いなりで前倒し。それでいて、補正予算案や郵政法案への対応は固まっていないという状況。このままいくと、補正予算は衆院の優越で通ったとしても、関連法案が潰される危険性が高い」
そうなっても菅や仙谷が権力を握り続けるようなら、この国は滅びるしかない。
============
領土問題等国際紛争は、一般に諸国入り混じっての相互ナショナリズムの鼓舞で『解決』することはない。安倍ポンの出る幕など最初からないのである。
我々が対置すべきなのは一国主義でもブロック主義でもなく、国際主義即ちインターナショナリズム以外ではあり得ない。「尖閣列島は日本固有の領土だ」などと安倍ポン顔負けの主張を展開している共産党などは典型的な「民族排外主義」であり、この党は先の参院選敗北の結果を総括し、今後「党員獲得」にまい進するのだそうである。聞けばここも「党員の高齢化」(!)が進んで、全党員の実に40%超が40代以上だというのである。(笑)
それはいいとして(はあ?)この種の議論は犬同士が電信柱に小便をかけ合ってテリトリーと覇権を争うようなものであり、「俺が、俺が」「俺のだ、俺のだ」という無知蒙昧かつ余りにもレベルの低過ぎる愚行を、我々人類はいったいいつまで繰り返したら気が済むのかということなのである。
尤もウイルスや単細胞生物から霊長類に至る「生物」の基本を著しく踏み外してしまった、いわば「壊れた生命」こそが人間だという議論もあるので、自他相容れない利害を前に髪振りかざして覇権を争い、同一種で殺し合いまでする我々が「正常」か否かは単純に結論づけることの出来る問題ではないのかも知れない。
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cf.京都駅シネマ
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