イルカ漁

　写真はアシカだけれど、私の田舎の或る地方ではかつて、冬場だったか春だったか、『イルカ漁』というのがあって、イルカの集団を舟で囲んで威嚇して港に追い込み、寄ってたかって殴り殺して陸に上げるという凄まじい漁があった。今は多分行われていないと思うが、この漁の当日港内は真っ赤な血の海となって観光客も来たし、子供らは写生もした。

　イルカも鯨も古来私たちの重要な蛋白源だったわけで、「牛や豚は馬鹿だから煮殺してでも食べてもいいが、イルカや鯨は賢いから殺してはいけない」という議論には明らかに独断と偏見があって、私などは到底まともに聞く気がしない。