本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

飛田東映上映中。

2010-06-02 11:41:05 | 
1.極道の妻たち 地獄の道づれ

作品情報
ジャンル:ドラマ

監督:関本郁夫

出演:高島礼子/とよた真帆/雛形あきこ /西岡徳馬/森下涼子/中本奈々/尾美としのり/石橋蓮司/石倉三郎/北村和夫/中尾彬/草刈正雄/宅麻伸/江波杏子

製作:日下部五郎
脚本:高田宏治
撮影:水巻祐介
音楽:大島ミチル
原作:家田荘子(文藝春秋刊)
配給:東映ビデオ

2001年/日本

ストーリー(ネタばれ注意)
組員5,000人を率いる山背組組長代行・掛川(宅麻)は、全国的な連合組織の結成を企む兄弟組の陰謀に嵌められ服役の身となる。その留守を預かる妻・律子(高島)であるが、兄弟組の不穏な動きの中、夫が最も信頼していた若頭補佐・池内が殺害された。律子が妹同然に可愛がっている美智留(雛形)の夫である。夫を殺したのは同じ組の若頭補佐・千田(草刈)とその妻・槙子(とよた)だと疑い、荒れる美智留に憂慮する律子。そんな中、掛川を除名する動きを察知した律子は先代組長霊代・リュウ(江波)に夫の名代を申し出る。それは律子にとって、“戦線布告”でもあった…

・・以上ミニパラ「極道の妻たち 地獄の道づれ 作品紹介」より。

 一方MovieWalkerによると(これもネタばれ注意): ↓ ↓

関東と関西の極道が手を組み、全国的な連合組織を結成しようとする企みが持ち上がる中、大阪を牛耳る昔気質の山背組組長代行・掛川亮平は、それに参加することを拒否した。その為、彼は関東・柴山会の茂田と尼崎・坂岩会の坂岩の策略により服役の身となり、更に組内部からも幹部会から除名しようとする声が挙がって窮地に立たされることに。さて、そんな夫の留守を名代として預かることとなった妻・律子は、組の若頭である千田が坂岩らと癒着し亮平を陥れていたことを突き止めるが、実はその裏で糸を引いていたのは、千田の妻で律子に敵対心を燃やす槙子だったことが判明する。大阪極道のトップの妻として君臨すべく、千田を焚き付ける槙子。だが、自分が槙子や茂田らに利用されているだけのコマだと悟った千田は考えを改め、茂田を撃とうとするも逆に殺されてしまう。そして連合組織結成式当日、パーティ会場に勝ち込みをかけた律子は、坂岩を一撃の下に倒すと、夫の仇討ちに潜り込んでいた槙子と共に、極妻として茂田への落とし前をつけるのだった。

・・となっている。

 東西二大勢力の手打ち・統合を大義名分に関東のドン柴山会の茂田(中尾彬)が関西に進出して来る。冒頭山背組若頭補佐・池内(美智留=雛形あきこの夫)を殺し自殺のようにみせかける細工をしたのは内部から茂田に通じた若頭補佐・千田(草刈正雄)であるが、彼は山背組組長代行・掛川(宅麻伸)の妻律子(高島礼子)への思慕の念を断ち切れず、東西の狭間で苦悩する。その妻・槙子(とよた真帆)も夫以上の野心家で自分の夫を組のてっぺんに登らせたいと思っている女である。・・・。
 様々な人間模様が入り組んでいて、最後までなかなか飽きさせない映画だった。

 あと尾美としのりというと、大林宣彦監督「転校生」で第6回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したのが1983年のことで、その後時代劇も現代劇も幅広くこなすユニークな役者さんとして成長している。『男はつらいよ サラダ記念日』にも三田寛子のボーイフレンド・早大生役で出演した。彼は1965年生まれだから今はもう40歳を優に過ぎており、この映画では妊娠中の妻を抱えながら山背組組長代行・掛川(宅麻)の弟分として切った張ったの大活躍をしている。

============

2.子連れ狼 親の心子の心

 goo映画によると: ↓ ↓

あらすじ
尾張藩士加藤某の妻女に夫の仇、別式女・お雪を斬るべく依頼された拝一刀は、お雪のことを聞くため刺青師字之吉を訪ねた。宇之吉は一刀に、お雪の肌に、乳をまさぐる金太郎童子を胸に、山姥の入墨を背中に彫ったことを話す。その頃屋外で待っていた大五郎は、三河万才の後を追って行き、迷子になってしまった。一日、二日と父を捜す大五郎は飢えと寒さに憔悴してくる。やがて、ある寺で父と似た姿を見たが人違いだった。だが、その男、柳生軍兵衛は大五郎の死生眼を見抜きハッとする。そして大五郎の後をつけていく。かつて、軍兵衛は拝一刀と立ち合ったが破れ、密かに剣術修業をしていたのである。一方、大五郎は野道を歩いている時、突然、野火にかこまれる。突差の判断で死地を脱するが、大五郎を見ていた軍兵衛は、子連れ娘の子狼と察し大五郎を斬ろうとする。その時一刀が現われた。父に走り寄る大五郎。一刀は斬りかかる軍兵衛の片腕を斬り落とし、大五郎を抱きその場を立ち去る。柳生の執拗な襲撃をかわしながら、一刀はお雪が乞胸村の出身と知り、村の長・乞胸仁太夫と会う。乞胸とは大道芸を売る芸人で全国的な組織をもつ特異な集団のことである。一刀が来た理由を仁太夫は既に知っていた。そして、お雪が仁太夫の娘であると知った一刀は苦悩する。しかし、仁太夫はお雪のかくれ場を一刀にそれとなく教えるのだった。お雪と一刀は遂に相峙した。そこへ孤塚円記が尾張藩の追手として出現。この円記こそが、お雪がかつて凌辱され怨みをはらすべく狙っていた男なのである。一刀は二人の対決を見守る。お雪は刺青に幻惑された円記を斬った後、自ら一刀の刃に討たれるのだった。やがて一刀は事の真相を知らせるべく尾張藩へと乗り込んで行った。

・・となっている。(文中「子連れ娘」「字之吉」とあるのは誤植である。校正をしっかりやってもらいたい。)

 この映画の魅力は、小太刀の師範までしていた尾張藩を脱藩し、追われる身となったお雪の裸体及び背中と胸全身に彫られた刺青の美しさに尽きる。(←背中に山ン姥、胸には乳をまさぐる赤子の金太郎である)
 それを盛り上げるのが異様な眼光で幻覚剣を操る尾張藩士円記(岸田森)である。

大五郎は今回父と離れ一時迷子になる。その間一人で山寺を訪ねたり野焼きの火に包まれたりして大変に可愛くて良かった。この子役の富川晶宏は成人して拳銃密輸に関わり懲役3年の実刑を食らったとかで2チャンネルにはファンクラブまで出来ている。尚二代目大五郎西川和孝は殺人事件で目下無期懲役刑に服している。

 原作の劇画に忠実に最後に展開される大殺陣はこのシリーズの大きな売りの一つであるが、今回も拝一刀は常識的にはおよそあり得ない超スーパーマンぶりを発揮して、瀕死の重傷を負いながらも敵の大群を殲滅し、烈堂の右目を射抜いて、父子共々窮地を脱する。

子連れ狼 親の心子の心(1972) - goo 映画子連れ狼 親の心子の心(1972) - goo 映画

============

3.男はつらいよ(第25作)寅次郎ハイビスカスの花

 第11作「寅次郎忘れな草」、第15作「寅次郎相合い傘」に続くリリー三回目の登場である。今回はとらやの連中が一家で水元公園へピクニックに出掛けようとする矢先に寅が現れ、お決まりのすったもんだをしているところへ、実は沖縄のリリーから「吐血ー入院」の速達が届いていることが明らかになり、寅は急遽沖縄へ飛ぶ。

 リリーの入院中は木賃宿から毎日病室へ通って面倒を見る寅であるが、彼女が退院し寅が見つけた下宿先で二人で半同棲の生活に入るや、途端に持ち前の浮気性が炸裂して、リリーそっちのけで水族館の若いお姉ちゃんに現を抜かすようになり、二人の間に当然の如く亀裂が生じる。この辺がいつもの展開と違うところである。二人はあまりにも親しくなり過ぎたということだろうか。

 下宿先の高校生の娘に「二人は結婚しているの?」と問われて「まだ式は挙げてないけどね」と答えたのだと、リリーは寅に告げる。
「結婚もしていない男の世話になるなんてまっぴらだ」と寅の金銭的助力の申し出を拒否するリリーに対し、寅は「(結婚なんて)堅気でもない自分たちには似合わない」と一蹴する。結婚して「家族」を構成することに対して、寅には抜きがたいアレルギーがあるという人物設定であるとしたら、これは「家族」を自身のテーマに据える山田監督へのアンチである。
 恋はしても結婚をゴールに据えることはなく、今回のように「同棲」はしても寝室は別々という寅であっては毎回毎回マドンナたちに去られて終わることが予定調和なのである。

 それにしても、朝目覚めてリリーに追いてけぼりにされたことがわかるや、あわてふためいて港に接岸していた島巡りの連絡船に飛乗り「なんでもいいから東京へ行け!」などと要求し、結果食うや食わずで十日掛かりで柴又駅前に辿り着き「行き倒れ」となってタコ社長に発見される・・などというストーリー展開はあまりに荒唐無稽でこちらとしても評しようがないが、この映画はリアリズムを追求するのが本旨ではないということはいつも言っている通りである。

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花(1980) - goo 映画男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花(1980) - goo 映画

(付記:)私は見たことはないが、この映画にはリメイク版というか、冒頭に吉岡秀隆の満男くんが寅を回顧するシーンを挿入した「特別篇」というのが作られているそうである。それだけ山田監督の思い入れが強い作品なのである。

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇(1997) - goo 映画男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇(1997) - goo 映画

============


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。