本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

役人の財布。

2008-01-26 11:56:21 | 世界
道路財源で遊興 国交省の財布ではない
2008年1月26日『中日新聞』

 政府は問題なしというが、合点がいかない。道路特定財源の一部が国交省職員の宿舎建設や遊興費に充てられたことだ。自らの財布感覚はないか。道路整備の中身と合わせて徹底的な精査を求める。

 野球、テニス、サッカー、フットサル、卓球…。役人がスポーツに汗を流して、親睦(しんぼく)を深めることに異論を唱える人はいないだろう。だが、こうしたスポーツの用具や優勝カップなどの経費が自腹でないとしたらどうか。しかも道路整備のために課されたガソリン税などの道路特定財源から、これまで賄われていたとすれば。

 ガソリン税などの暫定税率存廃が今国会最大の焦点となる中、新たな問題が浮上した。国土交通省は二〇〇七年度に道路特定財源のうち、約二十五億円を同省職員の宿舎建築費、約六千七百万円を福利厚生費に充てたことを明らかにした。宿舎は〇六年度末で八千余戸に及ぶ。

 道路特定財源はその名の通り、道路整備に使途を限定した財源で、ガソリンや自動車にかかる税金で賄っている。その前提からすれば、多くのドライバーを納得させることができるのか。職員の住まいやレクリエーションのために税金を払っているつもりはないはずだ。

 冬柴鉄三国交相は「道路整備費の中から法律にのっとってやっている」と述べ、国家公務員宿舎法などの趣旨に沿った適正な支出だと説明する。分かりやすく言うと、道路整備事業に従事する職員がいないと、道路はできない。だから職員のための宿舎や福利厚生は大切であり、いずれも道路整備事業に要する費用に含まれるとの見解だ。

 これが国民の理屈と感情にそぐうのか。スポーツ用具の代金が道路整備に必要な費用というのは理解に苦しむ。国交省が二十五日夜、急きょレクリエーション経費に充てることを中止すると発表したのも当然だ。

 民主党は社会保険庁が年金保険料の一部を職員用のマッサージ器購入などに使ったのと「同じ体質だ」と追及する。政府側に十分な説明を求めたい。解釈によって、道路整備以外への支出ができるようなことは改めるべきだろう。

 国交省は年間五兆円超と巨額な道路特定財源の使途に鈍感になってはいないか。厳しい家計の中、納税義務を果たす国民の姿がかすんでいるようでは困る。野党は「国交省利権」と批判している。

 国民注視の財源の使途に不透明さを残してはいけない。真に必要な道路を造っているのか、税金を無駄にしていないか。国会での与野党の検証が不可欠だ。

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17社が再生紙偽装、生産量の3割に・製紙連の実態調査

 日本製紙連合会が25日発表した古紙配合率に関する実態調査によると、再生紙の古紙配合率を偽装していたメーカーは17社にのぼり、判明分の合計で再生紙の3割にあたる月間7万7900トンの偽装品を生産していたことが分かった。偽装を公表していなかった大興製紙(静岡県富士市)の不正も同調査で明らかになった。業界で偽装が横行していた実態が浮き彫りになった。

 製紙連の鈴木正一郎会長(王子製紙会長)は同日の記者会見で「違反の多さは残念だ」と述べ、同日に初会合を開いた古紙配合率問題検討委員会で再発防止策をまとめる考えを強調した。再生紙は定義があいまいで、再生紙メーカー数なども明確になっていないため、今後、同委員会で定義の明確化、検査や品質保証を担当する第三者機関の設置、法令順守体制の強化などを話し合う。

 印刷・情報用紙などの洋紙メーカー24社のうち、再生紙と銘打って商品を販売しているメーカーは21社あり、8割のメーカーが古紙配合率を偽っていたことになる。
(『日経』1/26 0:07)

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NHK新会長/信頼回復に全力で取り組め

 記者ら3人によるインサイダー取引疑惑が発覚し、信頼が大きく傷ついたNHKの新会長に、前アサヒビール相談役の福地茂雄氏が就任した。
 福地氏の会長就任は昨年末に経営委員会が決定していたが、前任の橋本元一氏が任期満了当日に引責辞任するという異常事態での登板だ。
 福地氏には何よりも、NHKに対する国民の信頼回復の実現を求めたい。

 執行部体制を刷新し、職員一丸となって出直す以外に道はないだろう。それができなければ、公共放送としてのNHKの存立そのものが危機に陥ると言わなければならない。
 NHKでは2004年に、チーフプロデューサーによる番組制作費の着服が明らかになったのを皮切りとして、不祥事が次々と表面化した。視聴者の怒りから受信料の不払いが急増し、経営基盤を揺るがす事態にまでなった。

 このため当時会長の海老沢勝二氏が引責辞任。NHK内部から橋本氏が会長に選任され、組織改革などを推進した結果、最近は受信料収入が好転するなど一定の成果を挙げていた。
 しかし橋本氏が再び引責辞任に追い込まれたことは、NHKの体質が一向に改善されていない現実を示すものだろう。

 昨年秋、執行部が提案した次期経営計画案に対し、経営委員会はコンプライアンス(法令順守)体制の確立などが不十分だとして承認せず、異例の再提出を求めた。図らずも、指摘の正しさが証明された格好だ。
 新執行部の緊急の課題は、インサイダー取引疑惑の徹底解明と再発防止にある。

 NHKは再発防止対策として、役員や放送前にニュース原稿を見ることができる職員に対し、株式の6カ月以内の売買禁止などを打ち出している。
 明文規定は必要だろう。だが、職員一人一人が報道に携わる者としての高いモラルを身につけることがなければ、規定を設けても効果は望めまい。

 福地氏はNHKでの就任あいさつで「コンプライアンスの形を整えることに終始してきたのではないか。重要なのはその形に心を込めること」と述べたが、まさにその通りだろう。
 それをどのように実現させていくかが問われる。

 今回のような重大な不祥事が起きたことについては、NHKの最高意思決定機関である経営委員会の責任も重いと言わなければならない。
 昨年末に成立し、4月施行予定の改正放送法では、経営委員3人以上で構成する監査委員会を新設して役員の職務執行を監査するなど、経営委員会の権限が一段と強化される。

 だが権限強化には懸念もある。選任方法や政府との関係などを含め、経営委員会の在り方そのものについても本格的な論議が必要だろう。NHKが変わるためには、経営委員会もまた変わらなければなるまい。
 経営委員会は今回、疑惑発覚から1週間後に臨時の会議を開催して見解を発表したが、対応が遅すぎたのではないか。
2008年01月26日土曜日 『河北新報』社説。

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*というわけで、明日は大阪国際女子マラソン2008が開催されます。w


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