本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

佐世保続報。

2014-10-06 17:41:26 | 社会
 父親が自殺…佐世保同級生殺害 残された容疑者A子の“前途”
日刊ゲンダイ:2014年10月6日

  死を選ぶしかなかったのか。

 長崎・佐世保北高1年松尾愛和さん(当時15)殺害事件で、7月に逮捕された同級生A子(16)の父親(53)が5日、佐世保市内の自宅で首をつった状態で死亡しているのが見つかった。

「午後4時すぎ、父親の知人の女性から消防に通報があり、救急隊が出動しましたが、すでに死亡していました。現場に争った形跡はなく、目立った外傷もないことから県警は自殺とみています」(捜査事情通)

 今のところ遺書は見つかっていないという。

「父親は県内最大手の弁護士事務所を構え、有名企業の顧問弁護士も務めていました。ひと頃は年収1億円なんて噂もありましたが、狭い町ですからね。もう望むべくもありません。長男が東京の有名私立大に進学するのに合わせ、3年前に自分も九州の大学を再受験してキャンパスライフを謳歌するなど50代にしては若々しかったのに、事件後は見る影もなかったそうです」(地元マスコミ関係者)


■「生きてていいんでしょうか」

 昨年10月にがんで妻をなくし、一周忌を待たずして20歳以上も年下の女性と今年5月に再婚。それが容疑者A子の凶行の“引き金”になったともいわれた。事件直後、容疑者A子の代理人弁護士に「私は生きていていいんでしょうか」と漏らしていたという。父親が絶望したとしても無理はないが、問題は残された家族だろう。

 同級生を殺害し、両親とも失った容疑者A子は精神鑑定のため、8月から3カ月間、医療機関に鑑定留置されているが、この先どうなるのか。

「裁判の成り行き次第ですが、いずれ容疑のA子は“出所”する。父親の再婚相手は法律上は母親ですが、まだ30代前半で、結婚生活も5カ月ほど。都内有名私大に通う長男が面倒を見るしかないんでしょうが、被害少女の遺族による民事訴訟など、まだまだ問題は山積み。父親の自殺はショッキングです」(前出の地元マスコミ関係者)

 やりきれない。

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 以上引用終わり。

 埴谷雄高の『死霊』では主人公三輪与志の兄高志が弟与志に向かって、「人間が自分の意思で出来ることに何があるか」と問いかけ、弟は「昔から二つしかないと決まっています」と答えていたと思う。
 一つは「自殺すること」であり、もう一つは「子供を作らないこと」だというのが与志の答えである。

 埴谷の奥さんという方は某劇団員をしていて「押しかけ女房」のようにして吉祥寺の自宅で暮らす埴谷の元に転がり込んで来た人だということである。埴谷は彼女を何度も妊娠させたが出産することは絶対に許さなかった。彼はそれで細君からは「それならば何故私をお貰いになったのですか?」と「正当にも」(奥さんの方が先立たれたわけだが)終生詰られ続けたということである。埴谷は確信犯的に「堕胎」を強要し続けたのだが「自分は(奥さんに対してだけは)暴君として振舞った」のだと後に述懐した。

 記事にあるように、容疑者A子は(自殺でもしない限り)いずれ出所し(晴れて?)「社会人」となり「社会復帰」する。これはなぜか殆ど不問律となっているのだが、我が国の慣習法的体制下にあっては「三人殺さない限り死刑は適用されない」ことになっているのである。
「これはおかしい。人間、人一人殺したら死刑ですよ」と主張したのが以前引用した橋本徹現大阪市長である。

 キリスト教社会やイスラム教社会でなければ自殺は「唯一神によるタブー」ではないのだから、人間「自死するも自由、自死しないも自由」というのが大原則足り得るのだろうが、これは「他者によって惨殺~安楽死」させられるのとは大きく乖離している。暴徒や異常者によって、或いはクスリ・飲酒・・・etc.の常用者の手によって、或る日突然死に至らしめられることを望む人間は(多分)いないだろう。「自由に死ね」と言ったのはF・ニーチェだが、死ぬことにも生きることにも、何らかの自由意思を反映させたがるのが人倫という存在なのだろう。少なくとも私はそう思う。


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